宮沢よだか様作KPレスシナリオ「びょういんにいきましょう」PL猫/PC草加葵(私立探偵)、END:Aにて生還しました。作者様が「バレ含む感想をふせったーに載せてほしい」と仰っていたのでリプレイ形式で。※シナリオのネタバレを含みます。
……だるい。身体が重い。何だこれ? 風邪か?
目を開けるのすら辛いとか嘘だろ、おい。
ただ、幸いというべきかいつも通りというべきか、緊急を要する依頼はない。
仕方ない。
びょういんにいきましょう
……ただ、こんなに身体がだるいのに、わざわざ行くのが面倒くさい。
あいつの見舞いついでにでも、行った方がいいのは分かってはいるのだが。
ここ最近、体調を崩す真似でもしただろうか?
《アイデア》85→88 (1D100)→失敗
駄目だ、身体がだるいせいか思考もおぼつかない。
思えば最近やけに疲れているような気がするし、頭もぼーっとする気がする。
睡眠は一応取るようにしていたはずなのだが……。
※草加葵のMPが1になる。
《POW*3》30→85 (1D100)→失敗
……あれ。何で今、そんなことを考えた?
何を以て、どんな経験から、どの知識と照らし合わせて、さっきのように判断したんだ?
今、「何」が抜け落ちた?
これは……、俺の《知識》か?
《SAN値チェック1d2/1d4》38→18 (1D100)→成功
《1d2》2 (1D2)→2減少(38-2=SAN値36)
※草加葵の知識技能の技能値が全て0になる。
いいこ
ぜんぶこっちにあずけて
いちばんおもたかったもの
わたしがもってあげるから
寝心地は最悪だ。寝起きも当然最悪だ。だけど。
いいんだよ
ねむっていて
とってもつらいでしょ
だいじょうぶ
きっとらくになるから
……このまま寝ていたらいけない、と思う。なぜかは分からない。それでも。
布団を蹴り飛ばし、ベッドから落ちるようにして身を起こす。
《POW*3》30→1 (1D100)→決定的成功
ベッドから落ちた衝撃で、頭が瞬間的に覚醒する。
なんだ、この声は。ひどく聞き馴染みのある、優しくて、甘い声。
これは……、誰だ?
《アイデア》85→29 (1D100)→成功
これは、この声は、知っている。誰のものよりも馴染みのある、この声。
間違いない。口調は違うが、これは俺の声だ。
でも、俺が喋っているわけではない。
どこだ。一体この声は、どこから……?
どうして
さぁ
びょういんにいきましょう
違う。違う。言い聞かせるように床を這って進む。
俺が進むべきなのは、病院なんかじゃない。
辿り着いた先は、洗面台だった。
そこにある、鏡に映った自分自身を見つめる。声は確かにここから聞こえている。
「どうして?」
鏡に映った「俺」が、勝手に、呆然とした様子で俺に語りかけた。
「どうして」
「にげたかったんでしょう?」
「あけわたしてよ」
「そうすればこわいことなんてないというのに」
「きみはなんどもきずついた」
「つらくていたいめにあったなら、びょういんにいきましょう?」
嘲笑が、真っ先に自分の口から零れ出した。
「俺」から語りかけられたものが、あまりにも滑稽な提案だったからだ。
「……ふざけんじゃねえよ」
「俺はあめを助けられなかった。あいつの『王子様』にはなれなかった」
「でも、それは俺が逃げる理由にはならねえ」
「ここで逃げたら、苦しいって投げ出したら……誰が! あいつの手を握ってやれるんだよ!」
《自分のPOW10との対抗ロール》
補正①《POW*3》ロール1回成功→+10%
補正②「諦めない」など抵抗を示す言葉を言った→+30%
補正③ 諦める意思がなく、かつ継続探索者の場合、踏破シナリオの数(15回)*5%→+75%
《自分のPOW10との対抗ロール》165→6 (1D100)→成功
勢いのままに鏡に殴りかかる。
本来から硬い鏡の感触があるはずなのに、水面のように揺らぎ、俺の手を呑み込んだ。
「っ……ど、し……て……!」
鏡の中の「俺」が呻く。
還ってくる。「俺」に奪われていたものが、傷も、痛みも、今までの全てが。
気がつけば、鏡はいつも通り。
そこに映る自分は、間違いなく、俺だった。
「……『どうして』、か」
そんなの、俺なら知ってるに決まってんだろ。
★END:A「病院なんていつかでいい」
《生還報酬》SAN値5%回復(2D6)→SAN値41
《好きな技能成長+1d10》「俺」を言いくるめたので《言いくるめ》に+10%追加(1D10)→《言いくるめ》89
★感想というか自探索者語り
エモいところしかなかったです!! シナリオ作者様、本当にありがとうございました!!
KPレスシナリオだから当然一人しか体験できないものなんですが、全国に数人程度(なぜか)いる葵君ファンの皆様にお送りしたかったんです……萌えのお裾分けです……。
知識技能を持っていかれたよりも、MP1にされて呪文を使えなくなったことの方が辛かったです。猫は叫びました。
それにしても最後のロールがめちゃくちゃ緊張しまして……え? 「自動成功では」だって? ここぞという時に100ファンを出すのが彼なので……無事にクリティカル一歩手前の数値を出してくれて本当によかったです。
罪悪感とか悲しみとか苦しみとか日頃から味わい続けている葵君ですが、そんな彼は「自分が苦しみから解放される」ために諦めるなんて選択肢は取らないと思っています。彼がもし諦めるのなら、それは「自分のせいで、自分の大切な人を傷つけてしまう」と分かった時です。
猫の中では、葵君は自分のことをあまり大切にしない代わりに、自分の大切な人への依存性が高いと思っています。自分が傷つこうが何をされようが、大切な人が無事なら構わない。でも、自分の大切な人が傷つけられるようなことが起きれば(しかも、自分がきっかけで起こったものなら余計に)自分のことを責める、というか現在進行形で責めている。辛い。
そんな彼が、よりにもよって「自分」から「諦めろ」と言われればガチギレ案件ですよ。
「他の誰から何を言われても構わないが、お前(俺)だけはそれを言う権利はない」と、鏡も殴りつけたくなりますよね!?(シナリオ通りの展開で笑いましたが)
同居人の少女(あめ)が某シナリオ後、目を覚まさなくなって早6ヶ月。
そんな少女が目を覚ますまで残り22ヶ月。辛い。
辛いけれども、猫も葵君と一緒に耐え忍ぼうと思います。
余談ですが、葵君は(誰にも何も言っていませんが)少女が入院している病院への見舞いには毎日通っています。
受付の看護師さんに顔を覚えられていてもおかしくなさそう……。