#9ゆきいろ
最後の最後で語られた最悪の結末に分岐しうる枝は都GOOD√でほぼ確定なんでしょうけど、あれだけは他と比較してもやり直す地点がタイトル画面からっていう不可解な点があるんですよね
以下、それについての考察と妄想です。
当然の事ながら各ルートについてのネタバレ等含みます。
作中で「オーバーロードの剪定は翔の行動( ≒ナインの選択)により行われる」と語られいました。つまり、翔の行動によってその枝の未来があるか否かを決定づけることができるわけですが、ここで思い出して欲しいのはやり直す瞬間についてです。
天√では彼女の大切な決断の直前、春風√ではイーリスと出会った日の夜に巻き戻し、翔の行動を変えることで異なる未来(=BAD√)を剪定してきました。希亜√でもそれは変わらず、何らかのアクションの直前、あるいは4/17に戻り、翔の行動を変化させることにより、異なる未来を否定して新しい未来を勝ち取ってきました。ここで重要なのは、『オーバーロードで巻き戻しを発生させた場合、戻る地点は必ず用意されている』という点。作中で語られた通り、4/17がリミットであるとはいえ、天√でも春風√でも希亜√でも、オーバーロードを使用したあとは必ず4/17以降に巻き戻されます。
対して、都BAD√では「最初からやり直す」という選択肢の後、プレイヤーが新たに“NewGame”を選択することで4/17に巻き戻ります。直後に選択肢があるとはいえ、他の√と比較すると明らかに異質である事が伺えます。オーバーロードが目覚めていない天√でも選択の直前まで「やり直す」ことが出来たのに、都√だけは本当に「最初からやり直す」ことになるのは、些か不自然に思います。
ここで思い出して欲しいのは「最悪の結末に達しうる枝(都BAD√)は剪定されていない」とソフィによって明言されている点。天√BADも、春風√BADも、希亜√BADも、『一つの枝から分岐した未来を剪定することで』それを回避しています。つまり、天√も春風√も希亜√も、GOOD√が選ばれたことによりBAD√は剪定されているはずです。にも関わらず、都BAD√だけは剪定されていないのは何故か。これには先程の「タイトル画面に戻されてしまう」という点が関係しているのではないかと考えました。
天√しかり、春風√しかり、希亜√しかり、ぶっ通しでやり続けている場合、タイトル画面を見るのは開始した時と終わった時の2回になるはずです。前述の通り、「やり直す」を選択しても4/17以降のどこかに巻き戻るためです。つまり、新しい枝の観測と剪定は一度のプレイで完結しているんですけど、都√だけは一度タイトル画面に戻されてしまうわけです。そして、続きを見るためにはもう一度“NewGame”を選択する必要があります。
ここで、私は“NewGame”とは新しい枝の観測に値する行為なのではないかと考えました。つまり、NewGameを押した瞬間に新しい枝の観測が開始され、その枝におけるGOOD√にたどり着けば観測が終了する、といった風に捉えたわけです。このように考えると、何故天√でも春風√でも希亜√でもやり直した後にタイトル画面に戻る演出がなかったかも理解できます。なぜなら、その枝における観測がまだ終了していないからです。一方で、都BAD√でタイトル画面に戻ったのは、観測を終えてしまったから、つまり剪定せずにその枝を諦めてしまったからだと考えます。
そして、新しい枝の観測を“NewGame”と捉えているのなら、都の枝だけは二回“NewGame”している、つまり二つの枝で構成されていることになります。従って、BAD√とGOOD√は別の枝の出来事と考えることが出来ます。だからこそ、都GOOD√に辿り着いても都BAD√は剪定されずに残っていた……と言えるのではないでしょうか。
なお、ソフィは「翔に影響を受けた人物の行動により変化したため、剪定されなかった」と語っています。それはつまり、『オーバーロードによって剪定されなかったため、都が石化して死ぬ未来は剪定されていない』ということでしょう。つまり、GOOD√後でもBAD√へとまだ分岐できる可能性が残されていると言うわけです。実際、BAD√は「都が石化して死ぬ」ことであり、GOOD√では与一がユーザーである事すら理解していないわけですので。
こんな風に考察してみましたが、そもそもぱれっと様がFDかそれに類するものを発売してくれなければ答え合わせもへったくれもないんですよね……。