仰は憎悪が理解できないって話。
BLP/黒百合散華バレ有り。現行未通過❌
仰の喪失は憎しみなので、アイツは真の意味でクロエちゃんのこともユズルくんのことも理解できんのやろなぁと思ってる。
クロエちゃんの愛も、ユズルくんを失う悲しみも、怒りも理解できるのに、それらを巻き込んだ中心にある、憎悪だけがわかんないんだから、質悪いよな。
ユズルくんが獅童先輩に挑んだ理由も、クロエちゃんを愛してたから、とは理解しても、それ以上の彼を突き動かすに至った感情は理解できない。(だって同じ組織の人間に刃を向けるって一変の憎しみもなく出来ることじゃないし)
仰がとても直情的に怒るのは、我慢するってことはずっと心に残る=憎しみに繋がるから。
だからその場で食って掛かっちゃう。
どれだけ仲間を殺されても、とても良くして貰った友人を殺されても、仰は相手を憎めない。
"もうこんなことはやめてよ!"と言う怒りと悲しみだけで自分を動かしてるんだから、正直精神性だけ見れば稀生くんよりよっぽど歪。
誰かを憎むってとても大きくて根深い感情だからさ、それが欠落してるって心にかなり大きな穴が空いてるんじゃなかろうか。
たぶん、仰は死んだ両親のことをもう何とも思ってない。
死は悲しいことなんだと言う事実だけで、彼らを思い返すことももう無いんじゃなかろうか。
幼すぎて顔も覚えていない両親の死を、殺した相手への憎しみもなく只々悲しみ続けるって難しいよ。
だから仰は、他者を突き動かすような大きな感情が好き。
ユズルくんを夜者にしようとしたクロエちゃんの思いとか、情とか、憎む心は理解できなくてもそれ以外で理解をしようとするんだよな。
それが後天的な喪失だから尚更。
仕事が終わったあとで何がしたい?って稀生くんに聞かれたとき、一緒に寝て欲しいって答えたのは、自分がいちばん無防備なときに、パーソナルスペースに他者の温もりがある状態を、それを許せる相手がいることを認識したかったから。
もう仰は血の繋がった家族になんの感情も抱けなくなってしまったから、自分を見てくれる家族の存在を稀生くんを通して再確認したかった。
だから稀生くんに「(一緒に寝たことで)何か変わりました?」って聞かれて凄く困ったんだよな。
変えたくてやったことじゃなくて、自分が変わらないためにやったことだから。
でも、寝てる間に勝手に血を吸っていいと言っても拒否して、布団でぐるぐるになって耐えてる稀生くんのことは愛しいと思ったし、嬉しいんだよな。
だからアイツはこれからも定期的に「一緒に寝て」って言い出す。
何ならいちばんやりたい事は同じ布団でくっついて眠ることだから…稀生くんには頑張ってほしい……