ゴの映画見てきたわけで、めちゃネタバレした第一回目のメモです。私が忘れないうちに書いておきたいから。ネタバレするから見ないでね。
もともと「アイヌの美少女アシㇼパさんと、戦場帰りの杉元のアイドル同士恋愛映画」みたいなものになってたらどうしよう、て心配してたけど、試写会や完成披露会の感想見ても「原作リスペクトすごい!」てことで安心して泣いちゃったし、あと映画見る直前の野田先生のインタで「脚本はチェックしてる」ていうことを知って、とても素直に喜んで映画を観たわけです。
総論として「よかったー!」ていうのと「続編ありきの作品じゃん!」てニコニコです。
予告に鯉登はまだ出てこないけど(笑)
インカラマッの赤毛は見事だ!すごく華やかで美しい!さすが源次郎の「いい人」だ!
結構原作とは設定が変わっていて、一回だと覚えられぬので今回思ったメモです。
最初のアシㇼパさんと杉元の出会いの場面
杉元が「手を貸してくれ」てアシㇼパさんの手を握るんじゃなくて、アシㇼパさんから手を差し出して「握る」のね。
映画クライマックスの馬橇の時もアシㇼパさんと杉元が「手を繋ぐ」ところがあって、原作の「杉元はアシㇼパさんの肌には滅多に触れない」ていう縛りを解除したんだな、て。
原作だと青年雑誌だし、「美少女と成人男性が二人で旅をする」て結構「卑猥」な話になりやすいと思うのね、ラッキースケベ的な。
殺人ホテルの「なぜアシㇼパさんは小さい頃からの知り合いのキロランケではなく、杉元と同室なのか」とか、屈斜路湖のフルチン戦闘の「素っ裸の杉元の膝の上にアシㇼパさんを乗せる」とか、結構「際どい」ところがあるから、徹底的に「杉元はアシㇼパさんに触れない」つまり性的な意図は一切無い、の象徴が「手を握らない」だと思ったのね。手を握るような場面も手袋ごしとか、テクンペごしとか、袖とか、ダイレクトに「肌と肌を合わせない」て。だから余計に最初の「手を貸してくれ」て杉元が言って、アシㇼパさんとダイレクトに握手するところは「あれ?」て思ってたのね。
それが映画版だと「直接手を繋ぐ」しかも「2度ともアシㇼパさんから手を繋ぐ」ことをしたので、逆に「もう観客は杉元がアシㇼパさんに邪な気持ちにならないことは知ってるよね」てなんか「信頼」された気がしてよかったな、て。
この「誰から手を繋ぐか」て些細だけど大事だよね。とくに成人男性から未成年女性に「手を繋げ」て言うのと、逆は全然意味が違う。その「違和感」が原作の「出会い」にあったんだけど、ちゃんと「これは二人の関係性でいえばおかしいな」て映画では直してきたんだろうなと、
あと、その「もう知ってるよね」は後藤のおっさんの30年式のセーフティ外せなくてガチャガチャした後の杉元の銃の操作が、全然「なんでもないこと」にスルーされたのね。
あのセーフティの外し方も「わざわざ単行本発刊後に修正した」て、知ってる人は知ってるから「もうそこはいい」てスルーされたのが、「ファンならわかるよね」てな「信頼」を感じたのね。
杉元と尾形の出会いのところ。
原作だと杉元の「惚れた女の為」発言で尾形が戦闘スイッチなので、「女」絡みのチャラい奴、「愛とかいうやつに命をかけるのか」ていう尾形の「イラつき」なのかな、て思ってたけど、映画版では梅ちゃんの話は全部最後にまとめていたのね。
つまり尾形は杉元の「惚れた女」の存在を知らないんですよ。尾形にとって杉元は「愛のために命を捨ててもいいとかふざけたこと言う野郎」じゃないんですよ。
そこんとこの「尾形は愛を知らず、愛を知る杉元の言葉に激昂した」みたいな読み方が外されたんだなあ、と興味深かったのね。
でも、釧路の時の「惚れた女」の影を知ってるアシㇼパさんへの尾形の微笑みはどうすんだろね!
そして「肌と肌」なんですが、色々と物語を「効率よく」変えてるので、川ぽちゃした尾形が救出された直後にもう「ふじみ」を伝えてるんだけど、
鶴見の手を尾形が手繰り寄せて「ふじみ」て指文字を鶴見の手のひらに書くのね。
めちゃくちゃエモいいいいいい!
尾形が、鶴見の、手を握ったよ!!!
しかも、瀕死で、どうしても伝えたいと、指文字を書いたし、鶴見もすぐに意図を察して、「ふじみ」と読んだよ!!!
エモいいいいい!二人の関係がああああ!!
て大興奮しました(笑)脳汁でるよ!
尾形は鶴見の手を握ります。鶴見は尾形の指文字を理解します。
二人が過去にそういうことをしたのかな、て「昔のこと」を考えちゃう、だっていきなり指文字とか「何してんだ?」て理解できなくても当然じゃん!
なにより「肌と肌で触れるところに魂は宿る」ですので「直接触れること」は最重要ポイントなんですよ。
原作だと尾形は鶴見と「再会」するのは304話までなくて、ずーっとずーっと鶴見と会わずに「キョロキョロ」を炸裂するわけで、触れ合いがあってよかったなと。
二人の過去はもう少し補足が欲しいから!
あと、これも「語ってないから謎にされて色々と話を盛り上げられちゃうことへの懸念」かな、と思ったのは、杉元の「サ」の字の顔の傷ね。
原作と違って、203高地の「鬼神のような戦い」のなかで顔に傷がついたことになってるのね。
ある意味で「殺して殺して殺しまくって俺は地獄行きだ」て杉元が観念したところで、顔に傷がついたんだなあ、と思ったんだけど、
そこも「物語を追加して補完」したのかなあ、て。
それとこれは理由はよくわからないけど、アシㇼパさんの幼少期の名前が「祖父のケツノアナ」じゃなくなってたのね。
アシㇼパさんの衣装の刺繍の紋様も、連載後に修正されたりしてて、その意味はわからないけど、多分アイヌの人たちに「それはおかしい」て指摘されたのかなあ、と。
刺繍の紋様は「デザイン」の所有権の考えの違いか(アイヌの人は「全く同じ」ものを作らない、ちょっとずつ変える、ていうから)、あるいは「家系の紋様」とか被ったのかなあ、と思ったけど、
「うんこだらけ」の幼少名になったのはなんでだろうね??
あとは話を整理するのに笠原と白石を同時に捉えたことにしたり、最後の馬橇アクションで二階堂を「怪人」にしたてたり。
そこらへんは「映画の作りとしてそうなんだろな」て納得したし、「原作と違う!」とかの気持ちは全くないです。
映画版の「批判」としては「生きてるクマが固すぎる」「死んでるクマがやらかすぎる」「造反組はもっともっとカッコイイからあああああああ」てなところですかね。
ヒグマが硬いのは仕方ないけど、その代わりに「本物」の馬さんたちがめちゃくちゃカッコよかった!馬は美しい!
しかも今回サラブレッドみたいな軽種馬だけでなく、馬橇を轢く重種馬連れてきたのいいなあ!全速力の馬は美しい!
馬橇場面、あれは背景の建物が何度も同じのが出てくはよね?開拓の村で往復しまくって撮影したのかなあ、とか考えちゃった。
もひとつ、悪口(笑)いいますと、ザキヤマさんの表情が「硬い」とこですね(笑)
チカさんの杉元が私の中で最高なので比較したら良くないが、杉元の「若者らしい調子のいいところ」の軽妙さが硬いのねぇ。杉元って意外と「ずるい」ところもあったり「適当」だったりで、その緩さに「人当たりのいい」感じがあるじゃん。そこが硬い感じだったのねー。
筋肉に関しては、「そりゃまあ若者が筋トレしたら引き締まるよね、杉元みたいな逆三角形でフィジークに即座に優勝みたいな完成体にはならないよね」て理解してるから!仕方ない!
谷垣も「痩せてる」て思っちゃうし(笑)
月島も「ミッシリ」してる「ムン」の感じはなくて、普通に背が高くてカッコよかったです(笑)
俳優さんでいえば、アシㇼパさんの山田さんはよかったな!
透き通る白い肌が「多国籍の混血」を表してるようで納得だし、
何より「雪を踏み締めて歩く後ろ姿」が全然「女の子」らしくなくて、すんごく力強くて「守られる美少女」では全然ないのがよかった!
あの歩き方は最高です!
初っ端の「一人で雪原を歩く杉元」にラストで「相棒と二人で歩く姿」を重ねるのかな、て思ったけど、そこはそんなに「再現」されなかった(笑)期待しすぎ。
「一回だとまだわからん」てなのはあるし、パンフを見る前に書いてるから答えは知らんが、
小樽の街中の「線路」もあれはこの前の「北一硝子」の建物の説明でみた「荷物を運ぶトロッコの線路」なのかなあ。
設定が細くあるんだろうな。そこはどっかで「ネタバレ」してくれそうだが、私が知らんだけか。
そんなわけで、スピナマラダをドッグスレッドで「再創生」してるように、ゴールデンカムイも「単行本」を「映画」で設定整理して変更してるのかな、作者の脚本チェックもあるし、て期待しちゃった。
てか、マジで「なぜ尾形の津田さんがナレーションしてんだろ」てわからんし。
声の質としては「尾形よりの、だけど違う声」でしたが、「尾形が紙芝居してると考えてもおかしくない。
てか、マジで「なぜ尾形中の人を投入した」てわからんです。
「次作に続く」なので、川ぽちゃしたゴオドンさん尾形ももう「座る」まで回復してるので、やはり宇佐美をおまるでぶん殴る時までには、立って歩けるくらいには回復しててよかった。
原作のあの時、がっつり布団に入って寝たままだったから、樺太同様にまた「立ち上がるような無茶できない時にペラ布一枚で走り抜ける」をやったのかと心配してたし(笑)なんで猫ちゃんは無理しすぎるんだ!
回復してたからぶん殴って逃げたんだね。
次作は映画になるのかWOWOWになるのか、でもどっちにしろ映像化は続けるよ、て意思があってよかったな。
あ、もう一つ。
別の映画の「カムイの歌」は「和人が作ったアイヌの映画」みたいな評判を聞いてたし、一方で今回の野田先生のインタビューでもあったように「アイヌの人と一緒に作る映画」ていう意味で、ゴールデンカムイはアイヌへの印象を変えるものになるかな、と期待してるけど、
あのコタンで「当然のようにアイヌ語の言葉が交わされる何気ない様子」の風景はとてもいいなと思いました。
あ、もうひとつもうひとつ(笑)
今回IMAXで見たけど「北海道の美しい自然」の映像はとても綺麗だった!IMAXいいね!
「迫力の音声」は「このクオリティで津田さんの声を聞くのか!」てドキドキしたけど(笑)
IMAXは「轟音」とか得意でも「人の声」のクオリティは得意ではなさそうね。
楽しかった!また観に行こう!