ルーナ・エクリプス考察委員会を開催します。第2回は『"三相女神の月歴剣"と擬似永久機関について』です。
ガバはあるかもしれないです。
1 三層女神の月歴剣(エクセリグモス)とは
ルーナ・エクリプスが所持していたゾディアックウェポン(月光の剣:天秤座)が、彼女のレネゲイドに完全適応し変容した武器。
月の満ち欠けをモデルとした特殊能力を3つ備えており、それらがルーナ・エクリプスのウロボロスシンドロームと感応することで擬似的な永久機関を作り出すことができる。
2 各能力について
①新月の能力:セレネ
暗影物質化・吸収能力。視界内に存在する闇や影、暗がりといった状態を物質として吸収し、結果として光で照らした状態と相似になる。
三相女神の能力のうちもっとも難解であり、永久機関の根底をなす。熱力学的に正の状態である暗闇を吸収するため、物理法則上、通常では起こり得ないエントロピーの衰退が発生する。これにより逆説的な第一種永久機関が成立し、無から光エネルギーを取り出していると客観視される。なお、このとき発生する光エネルギーはあくまで外界で発生したものであり、アルテミスの能力で生成する光エネルギーとは別である。
②半月の能力:アルテミス
物質・エネルギー状態反転能力。セレネの能力で吸収した暗影物質を体内および剣の内部で光エネルギーへ変換する能力。なお、この際の変換効率は厳密には1.00ではない。暗影物質はエネルギー的に負の状態であるため、そこから正の光エネルギーを取り出すためには、変換効率そのものがマイナス値を取らなければならない。
いわば冷蔵庫から熱エネルギーを取り出しているようなものであるため、エネルギー変換能力ではなく、状態反転能力と定義されている。なお、この能力は自己およびその付属品にのみ適用されるという制限がある。(低体温を高体温にすることは可能だが、氷を熱湯にすることはできない)
この能力には、反転させた物質・エネルギーをロスなく維持できるという特性も備わっている。これにより、エントロピーを維持する第二種永久機関が再現されている。
③満月の能力:ペルセフォネ
光エネルギー放出能力。収束放出によるレーザー式と拡散放出による殲滅式を切り替えることが可能。三相女神の能力のうちもっとも単純であり、アルテミスの能力によって体内および剣に貯蔵された光エネルギーを放出する。
なお、エネルギーは原則外界へ放出されるため、その時点からエントロピーの増大が始まり、通常の物理法則が適用される。それゆえ純粋な光エネルギーは、放出された瞬間に熱エネルギーへ若干量変換されている。
変換の割合は収束・拡散状態の度合いに依存し、収束させるほど熱エネルギーの割合も高くなる。また、最大収束した場合の光は、あまりにもエネルギー密度が高いためガンマ線と同等の波長を示す場合がある。
収束性・拡散性ともに優れているが、エネルギー放出後の補正が困難であるなど、操縦性に難がある。(ルーナ・エクリプスは"風鳴りの爪"によって軌道を強制的に補正したり、"デビルスレッド"によって軌道上の障害物を廃することで必中させている)
3 三相女神の月歴剣の弱点
3種の能力によるエネルギー確保はまさしく驚異的だが、あくまで"擬似的な"永久機関にすぎない。なぜならば、アルテミスの能力で光エネルギーを合成するには、セレネの能力によって暗影を捕食する段階が必要なためである。
つまり、周囲に暗影と呼ぶべき存在がない場合、ルーナ・エクリプスは光を合成できない。よって、エンジェルハイロゥのうち広範囲の光放出能力を持つ相手や、太陽等の光源たる属性を持つ相手には十分な効果を発揮しない。ただし、中途半端に光を放出してしまうと、却って影を濃く浮かび上がらせるため、逆効果になる場合もある。