デトロイトコミカライズの感想つづき はふせったーとして
一つ言えるのは――次回更新が8月19日!? めちゃ待たなきゃやんけ!!!
口先ではいかにも「アンドロイドを受け入れている」ようであっても、実際にはそうじゃないという描写、原作のように大手を振ってアンドロイドに反対する人間がそこらじゅうにいるのとはまた違う”イヤな日本らしさ”もちょっと感じたり
プロデューサーであるハナザワ氏はインタビューでは「私の夢を子どもに託している」と語るが、直後にアンドロイドのレイナを虐待しているし、人間である姪にも虐待まがいのトレーニングを強要していたらしい
恐らく今後はレイナと姪のスズネとの対比や交流が描かれていくのかな??
ハナザワ氏としてはレイナをアイドルにしているのは不本意であり、「人間がアイドルであるべき」と思っているようだ
「上からの命令」と言っているが、上とは誰なのだろう 芸能プロダクション? もしかしてそのプロダクションの株主にサイバーライフがいるとか?
レイナはハナザワ氏の言が正しいのなら、どうやら普及品ではなく特殊なプロトタイプまたは特注品のようだ(「あんたがそのへんの量産品モデルなら~」と言っているし)
レイナは例えば原作のコナーと比べると、命令がない限り極端に感情表現が少なく、また「慰めの言葉」も(表面的なことは言えるが)凝ったことは言えない様子
たぶんコナーほど凝ったソーシャルモジュールは搭載されていなくて、ただ与えられたパフォーマンスをするという点に重点が置かれているのだろう
これからどうなるかわからないし、まだわからないものに対して妄想で過剰な期待や批判を行うのは礼を失する行為なので、あまり色々と書き立てることはしないでおくが、現状、一つ気になった点があるといえば、2038年の街並みが2022年の日本と比べてそれほど変化が見られない点だ
確かに街に(原作同様)ドローンが飛び交っている様子があるし、最後ストーカーっぽい奴が使っているPC端末は原作に出てきた端末と形状が似ていた
つまり未来であるということは間違いなく示されている(現代日本の光景をそのままトレースしているだけではない)のは確かなのだけれども、原作にあったような「まさに2038年に自分が迷い込んでしまったかのような没入感のある風景」とは少し違ったものに感じてしまう
もっとも、これは私が現代の日本に生きている者だからこそ、原作デトロイトにおける光景により「自分が知らない場所」という感覚を覚え、かつコミカライズ版の光景に「自分の知っている場所」という感覚を覚えてしまっているだけなのかもしれない
(冒頭に出てきたドームは明らかに東京ドームだろう)
だが、例えば街並みのデティール、小道具などにもう少しこだわりをみせてほしいかな~~~とは思った
ちらりと映る街並みにアンドロイドステーションがあるとかあってもよかったのではないか。もっとも、ひょっとしたら日本ではアンドロイドステーションはそれほど普及していないという設定なのかもしれないが。
また、登場するカメラマンなどのスタッフもおおむね人間ばかり(レイナだけアンドロイド)であるように描かれていたが、レイナ以外のアンドロイドもバンバン出してほしかった
あまりこの傾向が続くと、この作品のプロットは、別に2038年の日本でなくても、「2022年の日本に新星のごとくあらわれた最新鋭アンドロイド・アイドル!」でも話が通じてしまうことになりかねない とも思う
また、原作内で雑誌などを読むと2038年の地球には大規模な気候変動がみられ、アメリカでも沿岸部ではサイクロンなどの影響でとても人が安全に暮らせるような環境ではなくなりつつあるのが示唆されている
個人的にコミカライズ版に期待していたのは、これらの設定を補足するようななにがしかの追加情報だ
いっそ日本は例えば首都が別の場所に移転しているとか、ほぼ連日酸性雨が降っているとか、何かそれくらいの変化があるかもとか妄想していたのだが、どうやらそうでもないらしい
ともかく私は名作である原作で語られなかった部分、語りえなかった部分の補足として魅力あるコミカライズを望むので、これからどんどんこのコミックで、日本発のコミックだからこそのデトロイトビカムヒューマンの魅力が描かれていくことを期待したいと思う。