キミドリエリア、ラストまで読んでから序盤のダヴの態度を読み直してみて、「子どもに見つかるなんて凡ミスにも程がある……」っていうシーン、ダブって本当は、誰かに見つけて欲しかったんじゃないかな、って何となく思うんですよね。
もちろん偶然が重なって意図せずダヴっていう存在とマチルダが邂逅した可能性もあるんだけど、ダヴはキミドリエリアの真ん中にぽつんと立っていて、『隠れてる/姿を隠したい』イメージがないというか、いつか誰かに見つかりたいって心がそっち側に傾いていたから、マチルダ(や他の子どもたち)と出会ったんじゃないかなって。
それで、人間の子どもと出会ったダヴって、初めはここに二度と来るなって追い返そうとするじゃないですか。
人間を林檎の木に変質させることが出来て、かつその林檎を食べることが出来るのにも関わらず。つまりそれって、敢えて人間の子どもたちを自分(林檎の木への変質)から遠ざけてる訳で……。
そういうことを繰り返してきたダヴだから、「待ってよ」に振り返ったマチルダは、どれほど『特別』に見えたんだろう……ってことを考えてしまって読者である私の情緒は今回もめちゃくちゃにされているわけです