いだ〜お 半分小説半分メモみたいな
夏、どっかに出掛けてた2人がドタドタドタ!って家に帰ってきて、あまりの暑さに青木は即エアコンを付ける。
「あちぃー」ってTシャツで汗拭ってる青木を見て井田はゴク、って唾を呑むんですけど、、
青木のことをじっと見つめたまま動かない井田に青木が「どした?どっか体調悪い?」って顔を覗き込みながら聞く。
その間も井田の視線は青木の肌を伝う汗だけを追っていて………
「……青木」って青木の顔に視線を戻しながら名前を呼んだら、心配そうな顔をしてこちらを見ている青木と目が合う。
青木のこめかみを伝う汗を、張り付く髪の毛ごと親指で拭う。そのまま半ば強引に顔を引き寄せて唇を合わせれば、「っ!」と息を呑む音と目を見開いた青木の目がうっすらと見えた。
暫くの間、角度を変えて ちゅ、ちゅ…と何度も唇を合わせていると段々お互いの唇が温度を持って湿ってくるのがわかる。
息継ぎの度に はあっ、と漏れる息も確かな熱を持っていて、もう何度目かわからないキスになんだかすごくドキドキした。
チュッとわざと音を立てて唇に吸い付いたら「んッ…」なんて色っぽい声を出す青木。もう何度もそういう行為のときに聞いているはずのその声に、毎回新鮮に興奮してしまう。
頬に添えたままだった手はそのままに、指をすり…と動かして撫でてやると嬉しそうに身動ぐ腕の中の恋人。
やんわりと胸を押されたので一旦渋々顔を離すと、青木は荒い呼吸を整えながら「……なに、いだ、っ急にどーした…」ってぽやぽやしてるのかジト…としているのかわからない目で聞いてきた。
「なんだか無性に……青木に、触れたくなって」
そう答えると驚いたような顔をしたあと、その顔を更に赤くしてワタワタと慌てだす。
何度見ても青木の反応には飽きないな、ふっと笑うと「なななに笑ってんだ!」とデカい声で怒られた。
「続き、してもいいか?」
青木の首を撫でながら耳元でそう問えば、小さな声で「う、……いいけどぉ」と返される。
いまだに恥ずかしさが抜けないらしい青木は、少し曖昧な返事をしてくることが多い。だけど、これは青木なりの精一杯のYESだということを井田はもう知っている。
ちゅ、とそのまま青木の耳にキスを落として首元をべろりと舐めれば「ひっ」なんて叫び声が上から降ってきて、少し笑った。
「しょっぱいな、青木」
「は、はあ!? そりゃそうだろ……舐めるのやめろっ!」
「…やだ」
抗議の声を上げる青木にがぶりと噛み付くようなキスをお見舞いしてやると、途端にその目を蕩けさせる。
その瞬間が、井田はとても好きだった。
「は、ふっ…ン……っ」
二人の息遣いとキスの音、冷房のブオォーーンという音だけが部屋に響く。
今日は相当暑いらしい。まだ冷房は効いておらず、むしむしと汗ばむ部屋の中で身体を寄せ合い唇を合わせている姿は、傍から見たら気が滅入るものかもしれない。
それでも二人にはキスをやめるという選択肢はなかった。
「ん、ぅ……いだの舌、あつ…」
「……ふっ、あついの、嫌?」
「や、じゃない……きもちい…っン……」
舌を絡めて上顎を撫でると、青木は涙を流しながら首を横に振る。
唇を離すとツーーっとどちらのものかわからない糸が二人の間を繋いだ。
涙を拭う代わりにちゅ、ちゅ、と目元にキスを落とすと、青木は力を抜いてこちらに体重を預けてきた。
頭を撫でて顔中にキスを落としていたら、くいっと袖を引っ張られたので、顔を離して青木に視線を向ける………前に頭を青木の肩口に引き寄せられた。
「っ、あの、あーー…、もっと…して、ほしぃ…」
口に、と耳元でぽそぽそと喋られて若干擽ったさを覚える。恥ずかしくなったのか段々と小さくなっていく声に、あぁ…愛おしいなあ…とただ漠然とそう思った。
「俺も、したい」
そう言って口付けを再開すれば、満足気な様子の青木から「ぅン……っ」という声が降ってくる。
トロトロに蕩けた真っ赤な顔で、己のキスに一生懸命応える青木はすごくかわいらしい。
先程、顔を見られないように肩口に頭を引き寄せたのはこの顔を見られたくなかったからだろうな……と井田は思った。が、それと同時にキスしてるときにどうせ目開けてるから顔見るのにな、とも思ったことは青木には内緒だ。
目を瞑って快感に耐える青木の腰を抱きながら、今度こそ井田も瞼を閉じて更に舌を絡めた。
井田の舌あついって言わせたかっただけの話