FF16シナリオ感想(ネタバレ)※思いついたときに追記するかも
■体験版部分のシナリオ
梅原の声を聴いたワシ「アルハイゼン(原神)やんけ」
イフリートVSフェニックス戦後を見たワシ「エヴァ13号機(TV版準拠)やんけ!」
連れて行かれるクライヴを見たワシ「ドラクエ5やんけ!」
ほめてます。
体験版部分は感情の乱高下が激しくてめちゃくちゃ良かった。
でもそこから先がね……という話。
■シナリオ全体というかラスボスの話
FFの皮を被ってるけど、結局ラスボスが「ドラクエの文脈」なんですよ。古典FF(FF1~3)と言っても良い。
それは期待していたものではなかったよ。
FF4以降くらいから、物語のスポットライトが登場人物に向き続けているのがFFの基本的な文脈で、それがFF7やFF10で花開いた。
敵側にも事情がある。それはいい。
でも神様クラスの悩み事なんてしらねーーーーンだわ感情移入も何も出来ない。
FF14漆黒はエメトセルク側の事情が等身大だった。
FF10はシンは居たけどその背後(中)に居る父親との激しい葛藤が等身大だった。
FF7はクラウドのこれまでの人生や彼を取り巻く環境が赤裸々で等身大だった。
そうでしょう。
そうであってほしかったんだよFF16も。
それが、なんだ。結局は人間には思考回路が理解出来ない上位存在との戦いか。残念だ。
……言い方を変えると、ヴィランとして魅力がなさ過ぎた。
だってもしディシディア新作を作ったとしたら、FF16のヴィラン側としてあのアルテマくんを出すンか?
それはなんか……別に盛り上がらなくない?
バルナバスはもっとなんか違うし。フーゴも違うし。
結局のところ、魅力的なヴィランが居なかったなと思う。
■シナリオの流れ
後半、めちゃくちゃ尻すぼみというか、めちゃくちゃ駆け足というか、中身がスカスカだった。
具体的に言うとシドが死んだあとの5年後から。
フーゴになんであんなに執着してるのか正直よく分かってなかった。
フーゴに仲間を殺されたから敵討ちってことだけど、ちゃんと殺されるシーン描いてないし、
結局誰が死んだのかも分かってないし、みんなそんな口々にフーゴめ! みたいなセリフも口にしないしで、
はあ、そんなに恨んでたんだ。知らんかったわ、みたいな感じ。
しかもなし崩し的にマザークリスタルも消えた。
この「マザークリスタルを壊しに行ったわけじゃないんだけど結果としてマザークリスタルも壊した」パターンが余りに多すぎる。
ちゃんと壊そうと思って壊したのはザンブレクと鉄王国の2つだけじゃない?
他のは壊すのが目的じゃなく出発したはずが、結果として壊しちゃった☆的な流れだった。
無計画、ぐだぐだ過ぎる。全然盛り上がらなかったというか気持ちがついていかなかった。
5年間も何も壊せてなかったのはなんだったんだって思ってしまう。
一方でウォールード王国(もといアルテマ)は、その5年間クライヴをほっといたのに、
5年後に急にアプローチしまくってるのは何なのって感じ。
というかあの「――5年後」って必要だった?
シドの悪名が浸透するまでに5年もかかったってことが言いたい感じ? 長過ぎない?
神の時間軸はよく分かりませんね。
ともあれ、ウォールード王国の流れは中身がスッカスカ、フィールドもスッカスカ、
クリスタル自治州はダンジョン1個分で終わって、マザクリが飛竜草のカタチになったりしたけど結局何の意味があったのかも分からず、
ドレイクファングはフーゴぶっ飛ばしたら吸収してなんか一緒に消えた、
オリジンはラスダンかと思いきやバトルだけしておしまい……と、
本当に「――5年後」以降の中身のスカスカ感が凄かった。
シド死ぬまではあんなに中身ちゃんとあったのになあ。
■アルテマ
「魔法で繁栄してたが"黒"に侵食されて逃げて、人間を生み出して眠りについた」的なことを言ってたが、
「繁栄してた」の部分が謎すぎて、ここが最も感情移入できないポイントだった。
まずお前以外にそういう神様的なのがいっぱい居たってことか?(ラストバトルまで明言してくれなかった)てのが謎だし、
仮にそうだとして、どこにどんな文明を築いてたんだ? ってのも謎だし、
それが今じゃ黒の一帯に覆われて……みたいなのも分からんし。
映像でも何でもいいから出して語れよって感じだった。
なんか次元の狭間で唐突かつ中途半端に自分語りし始めた時には笑ってしまった。
おまえ人間のことをただの土塊だの肉の塊だの言っておきながらしっかりと自分語りするあたり、
自分の事情を人間にもしっかり理解してほしいんじゃんってのがウケてしまった。
それを自我って呼ぶンだぜ、ってことかもしれんけど、にしたってもっとこう見せ方があるでしょう。
最後のお仲間復活のための究極魔法がレイズなのは良かった。
最近よくDQXでも見るやつだ。(敵にかけられた強力な呪術を解くための古代魔法がシャナク、とかね)
■バルナバス
バルナバスは結局ただのマザコンあるいはアルテマ信奉者だったわけだが、
ベネディクタはそのバルナバスのどこに惚れたんだ?
あいつ結局クライヴ(ミュトス)の成長のために国一個すべて投資したくらいにアルテマ信奉者だったわけで、
ベネディクタも変なのに引っかかりましたな。
どっちにも感情移入出来ない。
てかファイナルファンタジーモードで最初からやりなおしたら、バルナバスくん、
「マザークリスタルの周りに人を集めて黒の一帯から退避させる」とか、
「その後の世界のためにドミナントを集める」とか言ってたのね。
結局このセリフ何の意味があったんだ? ドミナント集めて何をしようとしてたのか分からん。
しかしこの男、エロい声だったな。
■マザークリスタルと黒の一帯
初代シドが「マザクリ壊すと黒の一帯の広がりが止まる」とかってのを大義名分に掲げていたが、
それって結局シドがそう言ってた以外に「証拠」がないのがずーーーーっと気になってた。
証拠というのは、例えばマザクリ壊したらそこにあった黒の一帯の広がる様が止まるような映像見せるとか、実際に黒の一帯がむしろ回復するとか、そもそもクリスタルのせいで黒の一帯が広がる演出とか、
そういう「いかにもマザクリと黒の一帯に関係がある」かのような映像を一度も見せられていないので、ずっと信じられていなかった。
で、最後に神(アルテマ)に、マザクリと黒の一帯は何の関係もないぞと言われたわけで。
ほらやっぱり関係なかったじゃん、シドは結局何やってたの? って思ってしまう。
シドがやってきたことを否定はしたくないんだが、それを信じさせるようなシナリオや演出になってなかったので全く信じられてなかった。というのが本当に勿体ない。
結局シドの死も無駄死にだったよって思ってしまう(ずっと思ってた)。
シナリオと演出の見せ方が下手すぎる。
■エーテル溜まり
だいたい人が住んでるところに突然湧く。的確すぎる。
もはや人為的にエーテル溜まりが発生させられているのではと疑うレベル。
それと、黒の一帯のすぐ隣にエーテル溜まりが湧いたりしていたが(イーストプールなど)、
そこには結局エーテルは大量にあるのか、一切ないのか、どっちなんだよ、ってのがもやもやした。
どっちなのよ。
近くにエーテル溜まりが出来たら黒の一帯も解消しそうだな、くらいに思ってしまったが、多分違うのだろう。
しかし「多分違うのだろう」と思う程度にしか黒の一帯やエーテル溜まりに関する知識を提供されていないので、
それが正しいのかも間違ってるのかも結局分からない。
■フーゴ・クプカ
キャラクターとしては一番分かりやすかった。ベネディクタ愛、それだけ。
シンプルでいい。
■スレイプニル
結局なんだったのお前。
ウォールード軍 騎士団長みたいな肩書きを持っていたと思うけど、結局量産型かよ。
分裂したら普通のモブと大差ない能力になってた(転生の炎で一撃で一掃してしまった)し、
結局強かったのか弱かったのか分からん。
どういう立ち位置だったのかも分からん。
扱いが雑だったなと思った。
■シド
良い先達だった。
絶対死ぬだろうなーとは思ってたけど、ちゃんと綺麗に死んで良かった。
絶対に嫌いになれない良いおじいちゃんだった。
■ジル
流石にもうちょっとセリフをあげてもよかったんじゃあなかろうか。
感情移入をあまり出来なかった。
当初から正妻感が凄くて、ちゃんとその位置に納まったのは安心したけども、
そこに至る過程で、もうちょっとこうイチャイチャしてくれても良かったとは思う。が、これは日本的な思考かもしれない。
■隠れ家の仲間達
全員良かったね!!!!!!!
・オットー:最高。クライヴをあげてもいい。クライヴのベストパートナー。声が良い。
・ガブ:嫌いになれない最高の相棒。彼の生死が分からんような状況になるたびハラハラした。
・ブラックソーン:ザ・職人って感じでめっちゃいい。あと声が良い。
・カローン:最初から最後まで隠れ家への愛がMAXだったのが感じ取れて非常に良かった。声が良い。
・タルヤ:白衣のお姉さん最高。顔もいい。髪の長さも5年後の髪の長さもいい。最高。声が良い。
・ハルポクラテス:トンチキおじいさんかと思ったら王宮の教師役やってたというアクロバティックなオチで最高。声が良い。
・ミド:は? かわいいけど? 戦闘の仲間にならないの? なんで? 顔が良い。声が良い。
・子ども達:みんなかわいいかよ、まとめて面倒見るわ。壊した天秤何度でも直してあげるわ
■トルガル
エーテル溜まりの中でも平然と付いてくるあたり、ただのわんこではないと思っていたよ。
最初から最後まで相棒だった。
ありがとうトルガル。最後のクエストも良かった。
■ジョシュア
メインヒロインだった。
ジョシュアの復讐のために戦いを始め、そしてジョシュアを救って戦いを終える。
良い兄弟の話でしたね……。
でもねえ、ジョシュアが生きてたって話が本当にただ「死んでなかった」ってだけなのが残念。
なんかもっとこうさあ、フェニックスの転生の炎の力でかりそめの身体を貰ってましたとか、
クロノクロスのようにジョシュアが死ななかった世界線から来ました的な展開とか、
色々と妄想をしたんですよ!!!
したら単に死んでなかっただけ。こりゃあクライヴさんも落胆ですよ。
で、ジョシュアが生きてることを隠してたのはなんでだったんだ?
クライヴの前に姿を見せなかったのもなんでなんだ?
それらに何か不都合があったんだろうか。
ある程度は予想はつくものの、ゲーム中で明確に語られていないので結局わからん。何がしたかったんだ?
■もう一人のフードの男
ちょこちょこ出てきたもう一人のフードは結局アルテマだろうと思われるのだけど、
クライヴ(ミュトス)を成長させるために召喚獣と引き合わせたりドミナントと引き合わせたりするために、
わざわざ火のドミナントのフリをしてクライヴの前にちまちまと姿を見せて誘ってた……ってこと?
や、やることが地味!!
あんな尊大な性格をしておきながらそんなちまちましたことを裏からやってたの!?!?
って思うと、なんかアルテマの行動や性格がやっぱりよく分からなくなるんだよな。
君、神様向いてないよ。悪役には向いてるけど。