浅木のしんおう日記(番外)
※今回はミオ図書館の資料書き起こし、および感想と考察※
こういうのって全文書き起こして公開してもいいのか? という懸念はあるのでもし問題ありそうなら教えてください。スッと資料部分を削除する。
ただ、チラッと検索してみたら普通にwikiだのまとめだのネット上にすでにゴロゴロあるみたいだったので……まあ……(ガバガバネット倫理)(それならわたしがわざわざ自分のスクショから書き起こす必要はないのでは? という気もするが、そこはやはり「己のプレイの成果」という一線を守りたいので……)
自分用メモという意味合いもある。プレイ日記の一環として同じ場所にまとめておきたい……
浅木の感想および知識は、湖爆破イベント途中というシナリオ進行時点におけるものです! ストーリー進んだら理解できるものや解釈が変わるものもあるかもしれない。
あとわたしは漢字交じり文でプレイしていますが、ここでは全文ママで書き取りました。ただ改行は少しだけ調整した。
【うみの でんせつ】
その昔 東の海に 王子と 呼ばれる ポケモンがいた
人の 勇者は 海に住む ポケモンたちに
王子に 会わせてほしいと 頼んだ
タマンタ ブイゼル そして 大きなトゲの ハリーセンの 3匹は
人の 勇者を 認め ともに歩む
勇者たちは 夕暮れの 海へ 船を 出し
水面に そびえる 海の門を くぐる
その知らせは 王子の耳に 届き
王子は 勇者を 海辺の小穴で 出迎えた
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これこれ! これを知りたかったんですよ!
王子と呼ばれるポケモン? ポッチャマか?(ジョーク)
PokémonLEGENDSアルセウスにおいてそのポケモンに会うには、タマンタとブイゼルとハリーセンを手持ちに入れて……水面にそびえる門って群青の海岸のあの角のやつかな? あそこを通ってから海辺の小穴に行けばいいと。
この3匹のポケモンが「人の勇者を認め」ってところがちょっと不安だな。もしかしたらなつき度が必要かもしれんぞ……
でも分かりやすくて助かるな! ダイパがひと段落したらちょっとアルセウスに戻ろうかなって思っているので、そのタイミングでやります!
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【はじまりの はなし】
はじめに あったのは こんとんの うねり だけだった
すべてが まざりあい ちゅうしんに たまごが あらわれた
こぼれおちた たまごより さいしょの ものが うまれでた
さいしょの ものは ふたつの ぶんしんを つくった
じかんが まわりはじめた
くうかんが ひろがりはじめた
さらに じぶんの からだから みっつの いのちを うみだした
ふたつの ぶんしんが いのると もの というものが うまれた
みっつの いのちが いのると こころ というものが うまれた
せかいが つくりだされたので さいしょのものは ねむりについた
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これは全文そのまま読んで良さそう。
最初にアルセウスが生まれ、アルセウスがふたつの分身・ディアルガとパルキアをつくったことで時間と空間ができ、ものが生じた。次にアルセウスがみっつの命・エムリットとアグノムとユクシーをつくったことで心がうまれた。
世界創造を終えたアルセウスは眠りについたと……
アルセウスとディアパルと3湖ポケの関係性がこれでようやくちゃんと理解できました!
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【おそろしい しんわ】
その ポケモンの めを みたもの
いっしゅんにして きおくが なくなり かえることが できなくなる
その ポケモンに ふれたもの
みっかにして かんじょうが なくなる
その ポケモンに きずをつけたもの
なのかにして うごけなくなり なにも できなくなる
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いやマジでおそろしいな!? なにこれ? どのポケモンのことを指してるのかちょっと分からんな……
しかし「記憶がなくなり、帰ることができなくなる」って、なんか聞いたことあるような現象ですよね~、ヒスイ地方で……
あ、いや待って!? あるいは「そのポケモン」が1種類を指しているのではないという説はどうですか!?
「目を見ると記憶を失い帰れなくなるポケモン」、「触れると感情を失うポケモン」、「傷付けると動けなくなるポケモン」がそれぞれ異なっており、全部で3体いるというのは? どう? つまり浅木は3湖ポケモンのことを言っているんですが!?
記憶とはつまり「知識」、感情はそのまま「感情」、そして何かをするというのは「意志」。失うと言われているものが3湖ポケモンの司るものと一致していませんか?
今ちょっとアルセウスの公式ガイドブックの図鑑ページを見ていますが、ちしきポケモン・ユクシーって目を閉じていますね(やっぱりこの3体の外見を覚えていない浅木)
ああ~図鑑説明文も、3体ともそれっぽいぞ! これ正解でしょ! ユクシー・エムリット・アグノムのことでしょコレ!
プレイ中に読んでるときは全然ピンときてなかったけど、やっぱりちゃんと読み直して考えるフェイズを挟むと閃きがあるな……気持ちいい……!
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【シンオウ むかしばなし その1】
うみや かわで つかまえた ポケモンを たべたあとの
ほねを きれいに きれいにして ていねいに みずのなかに おくる
そうすると ポケモンは ふたたび にくたいを つけて
この せかいに もどってくるのだ
【シンオウ むかしばなし その2】
もりのなかで くらす ポケモンが いた
もりのなかで ポケモンは かわをぬぎ ひとにもどっては ねむり
また ポケモンの かわをまとい むらに やってくるのだった
【シンオウ むかしばなし その3】
ひとと けっこんした ポケモンがいた
ポケモンと けっこんした ひとがいた
むかしは ひとも ポケモンも おなじだったから ふつうのことだった
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このみっつはまとめていこう。感触としてはアイヌの神話・民話の空気感があるね。
1はそのまま読めば良いと思う。アイヌのイオマンテ(熊送り)っぽいね。2もかな? イオマンテは「熊の姿になって人間界に来たカムイを神の国に送り返す祭礼」だから、「ポケモンの皮を纏って村に来る」はかなりニュアンスが近い。
そして3ですが……アイヌの民話説話にも異類婚姻譚は多いから、ナルホドネという感じではある。アイヌの異類婚姻譚、人外との婚姻に対して忌避感のないものも結構あるんだよね。「カムイ(神)」という人外の概念が身近だからかな。異類婚姻譚って「正体がバレて破局」パターンが結構あるけど、アイヌの異類婚姻譚では普通に添い遂げるタイプの話もまあまああるらしいし。
(これについてはお勧め論文のリンクを貼っておきますね 面白いし読みやすいので)
(https://gakkai.sfc.keio.ac.jp/journal/.assets/SFCJ19-2-15.pdf)
しかし、ふ~~~ん、結婚できてたんだ……ポケモンと人間……
おい! 結婚できるんじゃないですか! ヌメイルちゃんに狂ったヒスイの地のぼく、「セキさんと結婚できなかったらヌメイルちゃんと結婚しよ」など申しておりましたけど、オイ、冗談じゃなく“““アリ”””ですよ!
はい、まぁぼくの不真面目な妄言は置いといて……この3は、案外捉え方が難しいと思う。
ドストレート異類婚姻譚かと思いきや、「区別がなかったので結婚も普通だった」なので実は「異類」の概念がなかったってことなんですよね。ごく普通の結婚の話なんじゃん!!!
シンオウ地方ってこんなにも「神」としてのポケモンが多数存在しているのに、「ポケモンと人間が番う」という話が神(あるいはそれに類する異類)との交わりにフォーカスしないのはかなり意外というか……この昔話が実質「異種婚姻譚ではない」のが驚きだな……
う~ん、そうだな~、これはつまりコンゴウ団における「きょうだい」がポケモンも人間も区別ないことなどに通じる思想なのかな。公式ガイドブックでのセキさん(幼少期)のきょうだい構成、長子リングマ・次子ヨネ・三子セキ・四子リーフィアだったからな。なるほどね……
ただ、「むかしはそれがふつうのことだった」と書き残されるということは、どこかのタイミングでポケモンと人間が明確に「異類」になったということ。セキさんたちの世代ではまだ「異類きょうだい」概念は存在していて、でもポケモンと人間が違う種族であるという認識はあるよね。
う~っ、嫌だけど踏み込むか……これはいわゆる「文明化」という名の元に行われる原住民文化蹂躙の結果なのでは? 北海道入植によりアイヌ文化の存続の余地がどんどん失われていったような……「ポケモンと結婚だなんて野蛮」という思想の持ち込みが、この地のポケモンと人間とを別つことになったんじゃないかな……
ハァ~まあ想像力ぶん回しはこの辺にしておくか……
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【トバリの しんわ】
つるぎを てにいれた わかものがいた
それで たべものとなる ぽけもんを むやみやたらと とらえまくった
あまったので すててしまった
つぎのとし なにもとれなかった
ぽけもんは すがたをみせなくなった
わかものは ながいたびのあと ぽけもんを みつけだし たずねた
どうして すがたをかくすのか?
ぽけもんは しずかにこたえた
おまえが つるぎをふるい なかまを きずつけるなら
わたしたちは つめときばで おまえのなかまを きずつけよう
ゆるせよ わたしのなかまたちを まもるために だいじなことだ
わかものは さけんだ
おまえたち ぽけもんがいきていること
つるぎをもってから わすれていた
もうこんな やばんなことはしない つるぎも いらない
だから ゆるしてほしい
わかものは つるぎをじめんに たたきつけて おってみせた
ぽけもんは それをみると どこかに きえていった
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説話としてよくあるタイプのやつだ!
でも暗喩の示すものにピンときているわけではないです。「つるぎ」って何を指すんだろう……物理的な武器のことだけを言っているわけじゃないと思うんだよな……
それを手にしたことで「ポケモンがいきていること」を忘れるようなものですよ。なんだろう……「人間の傲慢さ」かな……「近代文明」かな……
あと、結末のあっけなさが何とも言えないんだよな。対話をしてくれたポケモンがどこかに消えて、それで? 「翌年はポケモンの姿が戻った」とか、そういうめでたしエンド定型になってない。きちんと和解がなされたのかどうかが不明瞭のままだ。不思議な感じ。
そしてこれ「むかしばなし」ではなく「しんわ」なので、神の話なんですよね。この物語の「ぽけもん」は何かしらの神……
う~ん、まあアルセウスさんなのかな……
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【シンオウの しんわ】
3びきの ポケモンがいた
いきを とめたまま みずうみを ふかく ふかく もぐり
くるしいのに ふかく ふかく もぐり
みずうみの そこから だいじなものを とってくる
それが だいちを つくるための ちからと なっている という
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これは分かりやすく3湖伝ポケのことですね。
でも「湖の底から大事なものを取ってくる」は何だろう。大地を作るための力か……
この3体は「心」を司るポケモンだから、ここで言う「湖」はもしかしたらリアル湖ではなく、「心」を指しているかもしれないね。「深く潜る」というのは「深層心理」的な。
本当に心の奥底で思っていることが、この世界との繋がりになっている……みたいなことだろうか……いやちょっと分からない、もっと考えたいですこれについては。
なんだか静かな詩みたいで、かなり好きだな……図書館で読める資料の中で一番好きかも……
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【シンオウちほうの しんわ】
むかし しんおうが できたとき
ポケモンと ひとは おたがいに ものを おくり
ものを おくられ ささえあっていた
そこで ある ポケモンは いつも ひとを たすけてやるため
ひとの まえに あらわれるよう ほかの ぽけもんに はなした
それからだ
ひとが くさむらに はいると
ポケモンが とびだすようになったのは
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これもかなりアイヌの民話説話っぽい!
アイヌの物語って、基本的に動物と人間とがかなり対等に描かれてるんだよね。動物(そしてカムイ)は人間に良いものをもたらし、人間はお礼として彼らを丁重にもてなす。自然の恵みを分け合う。
ところでこの神話、「ほかのぽけもん」のところだけ「ぽけもん」がひらがな表記なんだよね。誤植か? もしくは何か区別されているのかな?
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【シンオウしんわ】
おこるな ??が くるぞ
かなしむな ??が ちかづいてくるぞ
よろこぶこと たのしむこと
あたりまえの せいかつ
それが しあわせ
そうすれば ???さまの しゅくふくが ある
というのが くちぐせだ
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これ、セキさんが教えてくれたコンゴウ団の教えに似た感じがあるな!
悲しんではならない、怒ってはならない……
「??」は何だろう。こういうのでよくあるのは「鬼が来るぞ」ですよね。悪鬼系の何か。
「???さま」は……「シンオウさま」かなぁ……もしかしたらバージョンによって「ディアルガさま」「パルキアさま」のどちらかになるのかもしれないな!
単語欠落のまま収録されてるっていうところにも神話としての良さみたいなものがあるな。本当に古いものであるという演出、もしくは神や鬼の名前を直接口に出してはいけない系みたいな雰囲気もある。
しかしラスト1行は何!? 「というのが口癖だ」!? 急になんか語り部が可視化されたんですけど!? 誰の口癖?
まぁでもこれもアイヌ民話説話っぽいな。アイヌの物語のラストも急に冷静になったような唐突な1文で終わることあるしな……
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おわりです!
今日はこれ書いてたのでプレイの時間がなくなった。でもかなり楽しかった……ゲーム内資料の考察、最高に楽しい……
明日はちょっとでもプレイできるかな!? エイチ湖にいるであろうギンガ団にパンチを入れに行きたいぞ!
あ、マシュマロおへんじは次回します!