ところで「祭」をお持ちの方はお分かりになるかと思うのですが、当該作品にはライナーノーツというものがありましたので、10年後のこれにもそれを設けたいとかねてより思っておりました。
というわけで、「祀」のライナーノーツです。
凋叶棕 「祀」 ライナーノーツ
「あなたと東方の出会いは何ですか?」
例大祭の風景を見渡したとき、ふと思ったのは、
東方との出会いのきっかけって、もしかしてすごく色々あるかもしれない、ということでした。
東方はゲームなのでゲームとして出会いゲームとして楽しまれゲームとして愛されるものではないかと思っているものですが、
その出会いにおいては、みながみなそうではないのかもしれない?
だからこそ「あなたとわたし」の出会いについて振り返ってみましょう。
わたしの、 。あなたの 。その全てをまつること。
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空へ向かって上昇していくとともに、増していく抽象性。
・幻想ピンナップ・・・キャラの見た目の象徴
おそらくはじめの出会いはどこかしらでキャラの容姿を知ってからではないのでしょうか?
秋葉原とか歩くと絶対一回は見ると思うし、自分が何も知らなかったとしたらやはりそうやってどこかの機会で知ることになったのではないかと思う。
軽率さとちょっと如何わしく扇情的になるように。
写真を撮るほうと気付くほう。後半は取材お断り!のニュアンスで。
・永遠なるサウンドスケープ・・・音楽の象徴
同人ショップでよくU.N.オーエンが流れていたこともありましたね。
東方の曲は本当にどれもこれも・・・けれどやはり竹取飛翔はずば抜けてルナティック。いつまでも狂っていてほしいです。
ところで東方を紅魔郷から始めた場合、一番最初に「このゲーム曲よくね!?」って思ったのどれしょう?
私は上海紅茶館でした。
踏まえて、「まつりまつられ」を聞くと・・・
狙ったのは、浮遊感。出来る限り純粋に。
・回数(0/1)増加(0/2)地獄(0/3)変(0/99)・・・弾幕、システムの象徴
東方はもちろんゲームですから、ゲームです。
その目を惹く弾幕は、しかしプレイしているほうからすると必死でそれどころではない…なんてときもありますよね。
ところで二童子、今思い返してみるとクラウンピースほどの絶望感はなかったものの初見はアレこいつら難しくね!?って思いました。
難しい弾幕に直面したときの絶望感となんだこれwww無理wwwっていう感覚が東方の魅力のひとつだと思います。
通常のフレーズを演奏していたはずの楽器が、段々狂っていく…というか、引き出されていく感じに。
・Your story, your story・・・キャラ設定の象徴
プレイした後に最初に見るのはomake.txtではないですか?
様々なキャラ設定から東方を知ることも或いはあるかもしれません。
もしかしたら、幻想郷の中でも或いは。
空飛ぶ巫女、普通の魔法使い。思いを馳せる日々はこんなにも。
今作は8bit音源が多目なので非常に昔っぽい曲調が多いのですが、個人的に特にコレが一番それっぽいです。
なんと言うか、キてます。
・今尚美しきこの世界・・・幻想郷の風景の象徴
見たことのない風景に思いを馳せながらそれを美しいと感じるのは完全に幻想ではないですか?
花になりたい。川になりたい。雲になりたい・・・
オーケストラと8bitという相性が非常に悪いようでかなり親和性の高かったこの二つ。
不思議な疾走感が出たように思いますし、今と昔にパート分け出来た気分でとても素敵です。
・アンソルヴドソーサリー・・・ゲーム以外の東方の象徴
ZMC、未だ解明されぬ設定(まじゅつ)。それもまた人をしてとらえてはなさない何かがあるのかも。
多分こういうのって、解決されないからいいんですよね。その分幻想は進化し、深化する。歪なほどに。
宛ら幻想ガラパゴス。
もちろんあの二人組も「ソーサリー」の一部だと思いますが、最近では三人組と呼称するところかもしれませんし、
さらにはあれらはソーサリーを暴く側に属しているようにみえるのがとても位置関係を難しくしている気もします。
暗く、癒されないように。どこか背徳的な感じが出るように。
・空へと続く道・・・二次創作の象徴
エゴ。ただひたすらにエゴ。
前向きのような後向きのような、決意のような迷いのような。楽しいような辛いような。嬉しいような悲しいような。
・幻想浪漫綺行(is the limit.)
あとはあなた次第です。もっともっと高く、限界はない。