遺骸を雪ぐセクエンツィア PC3のEDの後日談(ネタバレあり)
この手紙は貴方に届いているでしょうか。
王都を出てから数週間、ようやく僕達は目的の港町に辿り着くことができました。
初めて見た海はとても広大で、美しくて、貴方が僕に語って聞かせてくれたものと同じだったことが嬉しくて、言葉が何も出ませんでした。でも心はワクワクしていて落ち着かなくて、とても不思議な気持ちでした。
あの城にいたら一生見ることが叶わなかったもの。いえ、知ることも出来なかったでしょう。
貴方が僕にこの光景を見せてくれたのです。
貴方のおかげで、僕はこの場所にいます。
ありがとうを言いたいのに、貴方はどこにもいなくて。
どうしても貴方に伝えたくて、初めてペンを取りました。
ご存知でしょうか、この海に手紙を入れた瓶を流すと手紙を届けたい人にそれが届く、という言い伝えがあるそうです。
僕の「ありがとう」が貴方に届きますように。こんな小さな瓶と手紙では、とても収まりきらないものだけれど。
収まりきらない分は、貴方ともう一度会える時に旅の思い出話と一緒に伝えます。今度は主人と従者ではなく兄弟として、一緒に話したいです。
その時まで、兄上も天国でお元気でいてください。
愛しています、誰よりも。
貴方の弟 イマレ=カーティオより