美琴の咳の解釈とルカの解釈はこの方のこのツイートが一番そもそもしっくりきていて。
https://twitter.com/dashimidashi/status/1748408788921811451

美琴もルカも、たぶん言葉より行動や体で見せるタイプで、あんまり言葉でのコミュニケーションを取ってこなかった
タイプなんですよね。なので美琴がにちかと対話しようとする過程で声を得ようとして声を出そうとして、
咳が出るという描写なんだと思っていました。

他方で、no/odeでも同様に咳が出るんですよね。これはまあルカが自身を追い込みすぎているという描写でも
あるんですけど、それであるならジ・エピソードと同様にただ倒れて熱出すだけでいいわけで、
ここで象徴的に咳を繰り返しだしているのはやはり確信犯かなと思っています。
コミュの最初のほうで、「————」と言葉が記載されていないのに音が入っているのも、
ルカ自身がまだうまく言葉を獲得できていないという表現な気がしています。

最初の咳をするシーンも、プロデューサーが「自分を大事にしてくれ」という場面です。
そこですべて無視するのではなく
「そんなもん、どうせーー」
と何か言いかけて
「バッカみてぇ」
とごまかして去っていったあとのシーンです。
何か言葉を紡ごうとしたから咳が出ているのではないかという気がしています。

次の咳が出るシーンも
「逃げないでくれ」とプロデューサーに言われ、
「逃げる？誰が…？」と自分に問うているシーンの後。

なにか自分を理解しようとしたり、自分を言葉で紡ごうとして、
それがうまくいかず咳という形で表れている気がします。

ただ、加えてルカには目に見える所でも影がちらつくんですよね。
アレは何なんだろう…というところについては言語化が出来ていないんですが、
でも確実に美琴よりルカは自分を閉ざしていて拒絶していて、
そこはルカと美琴で明確に違いがある。美琴は言葉を紡ぐのがあくまでも「下手」「知らなかった」だけで、
対話を拒絶しているわけではない。知らなかっただけ。
他方でルカはそれを明確に拒絶している。そこの差が、その影に現れているんだとは
思うのですが、いまのところこれ以上の言語化は出来ていません。

ただ、最後の病院で目覚めた後のシーンでは、プロデューサーの言葉も、羽那はるきの言葉も
全面否定しないんですよね。肯定も改まってはしないけど。
そこでは咳が出ない。
自分を多少は許せたからなのかなあと思っています。

とはいえ、ジエピソードでも直接「加入するか否か」を書かず、
ユニット結成時も明確に答えるシーンを出さず…というのは確信犯なのかな…。
確かにそれが決定的なシーンにはある意味ならない（ルカは、入ることそのものより、
入ってその後どうするかが大事）ということではあるとは思うのですが…。