2024年01月15日(月)にクインズワルツ大久保店で行われた『小暮事件に関する考察』に関する感想です。未通過❌
v1.2.6 2024/01/29 02:25
2024年01月15日(月)にクインズワルツ大久保店で行われた『小暮事件に関する考察』に関する感想です
ネタバレを含むため、未通過の方は引き返してください
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1. 作品の紹介
本作は東大マダミスの1つだ
"東大マダミス"という括りでは、『あるマーダーミステリーについて』をテストプレイで経験したことがある。それを除けば東大マダミスを体験するのは初めてだったが、『あるマーダーミステリーについて』がそのテストプレイでも面白く、また趣味にも合う内容だったので、自然と期待値は高まった。他にも、親しい人も参加することもあり、何が出てくるかな?と当日に挑んだのを覚えている
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1.1. あらすじ
あらすじを書き下せば以下になる
ref. https://coubic.com/queens-waltz/1623561
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『小暮 秋吉』という人物が逮捕された。
彼の自室で『中村正志』という人物が亡くなっていたのだ。通報者は小暮本人であり、彼は犯行を自供している。小暮による殺人事件にしか見えないこの状況は、幾つか不自然な点を残しており、様々な噂話が流れている。
曰く、彼の身体能力では殺しは出来ない。
曰く、彼はこんな凶器など持っていない。
そんな事件から少し経ったある日、町のとある場所に呼び出された6名。彼らの眼前のスピーカーから、無機質な音声が流れ出す。
「小暮事件の真相を教えてください。
さもなくば、全員ここで死んで頂きます」
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1.2. 登場人物
今回、プレイヤ達が選べるキャラクタは以下の6名だ
・赤坂貴浩
名探偵その人
・箕輪朝凪
名探偵の助手
・中村杏奈
被害者『中村正志』の母親
・堀江正美
被害者『中村正志』の彼女
・大津学
殺人鬼Xの被害者を父に持つ警察官
・田中勇気
ハウスキーパー
またNPCとして以下が出る (含ネタバレ)
・中村正志:被害者
・小暮秋吉:逮捕された人
・小暮凛:小暮秋吉の孫
・新田良太:「R」
・蹴上湊
配役を選ぶ時、最初は赤坂貴浩か大津学にしようかと迷った
正確にいえば"名探偵"の赤坂貴浩の方を少し選ぼうかなとも思っていた。ただ、別の方がより強く赤坂を希望するようだったので、大津学を選んだ
今思えば、この回はかなりメンバに恵まれた回だった。どっちを選んでも楽しくなったように思う ("名探偵"を選んだ展開がどうなったか、それはそれで見てみたい所は未だにありはする)
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1.3. 大津学とはどういう人物か
本物語は、科学技術が十分に発展し、犯罪行為がかなり難しい世界を舞台にする
しかしそんな世界でも殺人鬼が存在した
それは、被害者の目や鼻・耳を抉る性質を持つ
それは、どうしてか警察の捜査の手をかいくぐる
それは、殺人鬼Xと呼ばれている
そんな殺人鬼Xの被害者が集まる会があった。通称"小暮会"
"小暮"とは『小暮秋吉』の名前を冠したものであり、実際に小暮秋吉が企画・運営していたものである。そしてその小暮秋吉とは、あらすじで紹介した中村正志を殺害した犯人として逮捕された人物、その人であった
私が演じる大津学は、そんな小暮会に出入りする人物の1人だ
大津学は、警察官の父を殺人鬼Xに殺されている。その復讐のため殺人鬼Xを探すために、父と同様に大津学も警察官になった。警察の内部を漁ると、"新田"なる人物が犯人に近いのではないか、という情報を得る
大津学は使命と正義感に燃える、そういった背景を持つ人物だった
...
...いや実のところ、大津学を特徴つける性質はもう1つあった
...それは今回の犯人であることだ
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1.4. 大津学はどういう犯人か
事件当日のことを話そう
当日大津学は、小暮秋吉に18:20に小暮の部屋に来るように呼び出されている。18:20頃に部屋に向かうと、小暮を襲う中村正志を発見する。犯行を防ごうと手を掴んでいると、首にナイフが刺さってしまう。血を止めようとするも無駄であり、すでに致命傷となり中村正志は事切れていた
どうしようかとなっている所に、何故か小暮に庇われる
具体的には、以下の指示を出される
・ブレーカーを落とすこと
・時計を破壊すること
指示に従い、西の部屋でブレーカーを落とし、時計を破壊する
そうすると、何故か館内放送で中村正志が小暮秋吉を脅すようなセリフが再生される。みんなで小暮の部屋に向かうと中村正志の死体があり、小暮秋吉は逮捕された。外部から見ても明らかに小暮秋吉は犯人ではないだろうが、しかし犯人として逮捕されている事件。本事件は"小暮事件"と呼ばれる
大津学の知っている所は、おおよそこれが全てだ
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2. 物語の導入
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2.1. 「R」の脅迫
物語は数日前から開始する
それは「R」なる人物がコンタクトを取ってきて、大津学を脅迫してきたところから今回の"考察"は始まった。曰く、「R」は大津学が小暮事件の犯人であることを知っていると。もしその内容をバラされたくなければ指示に従えと脅迫してくる。指示の内容は"人を集める会をするので、その中で血を吐く演技をすること"。より具体的には、「R」が手を叩くと血糊を口から出して、「R」に何かしらの脅威があると認識されるように手伝うことだった
最初、どう解釈していいかかなり迷った
「R」はそういう超然的な力があると主張したいの?でも推理させたいんでしょ?そもそも血糊ならバレない?そんな粗雑な脅迫でいいの?
メリットとリターンが釣り合っていない。意図が見えない
GMに質問するが"そうしてください"との返答
うーん....?
とりあえず一旦それで了承する
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2.2. 導入の開始
皆がHOの読み込みを終え、シナリオが開始する
GMふんする「R」が登場する
謎の噴霧の描写があって、手を叩く
あっ、リアルで演じた方がいい感じ...?
地の文で進行するのではなくて...?
...ここの流れは結局、中途半端になってしまった
(演技に関してGMに聞いておけば良かったと反省している)
あと吐血の演技自体も改善の余地がある
まず、血を吐くために咳き込みたいのだけど、でも何やかんやでこのご時世、まだ飛沫を飛ばす的なのは避けた方がいいだろう(もちろんマスクはしていたが)。なので咳き込むのを回避するため、「ここはめっちゃ何か咳き込んでます」といってこれは血...?みたいに口頭で描写を行った
周りの人は「本当なんだろうか...?」とか「あぁそういう感じ?」みたいなリアクションをとっていた印象だった。もう少し上手い演技ができたかなーと思う反面、ここら辺の同時ない様子を見て"今回のプレイヤはみんな手練れだな"と認識したりした
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3. 調査・推理 in 小暮邸
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3.1. 推理の開始
事件解明のためと「R」に促されて小暮邸に移動する
ここで、自動移動&その結果としての追加情報が出る形式なのだと理解する。面白い形式だ。なんといっても、シティアドベンチャーっぽい感じがする。全自動で移動するのは不思議だが、ここの割り切りは場をコントロールするためには必要だろうし、実際PLの選択という不確実要素を上手く制御できているように思えた
そんなゲーム自体の評価をしつつ、同時に思う
この時点で「R」がこのようなことをするのは変なのではないかと。そもそも血糊偽装も変だったし、真相を知りたいとのことでPL達を小暮邸に導くのも変だ。調査なら別の専門家を雇えばいいし、PL達に聞きたいことがあるならこんな面倒なことをせずにやればいい。全体として、理由に乏しい。。。
そして考える
これを払拭できるような大きなどんでん返しがあると考えれば、それは小暮秋吉が真犯人では、と。ただしこれは非常に軽い疑念以上の何者でもなく、また同時に完全にメタなため、心に留めておく以上のことはしなかった
議論はそんな思慮とは別に進む
どうにも小暮邸は部屋の入出室をカウントできる機能が一部の部屋には備わっているらしい。そしてそれは停電でも機能しうると。具体的にカウント機能が備わっていた部屋は次の2つの場所だ
・小暮の部屋
・玄関
そういった情報が、事件当日の具体的なカウント数と共に提供されていた
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3.2. 小暮の部屋の入出カウント
カウントをきっかけとして議論が始まった
誰が、いつ、どこに、入ったのか
それは数と整合的なのか
しかし、大津は犯人サイドだ
なるべく状況を整理されたくはない
そこで、小暮秋吉が最初どこにいたかに関して議論を引っ掻き回すことにした
深夜から自室にいたのなら、自分の部屋にいる状態でカウントが偶数になるはずだし、最初外にいたのなら部屋の中にいたら奇数になる。それは重要だろうから、誰か小暮秋吉が最初どこにいたのか知らない?などを口にする
ある程度はこのタイムイートの目論見は功をそうしたのか、食堂にいたとか少しは議論があった。ただ追加で出されたかでの情報で、23万だかのホテルに泊まっていることが判明。結果として部屋内部にいる状態で奇数が自然とのことがわかる
また、議論と調査が進むにつれ、被害者『中村正志』の彼女である堀江正美が、カウンターのキャンセラーを持っていることが判明する
これは用いると文字通りカウンターに検知されなくなる装置で、同種のものが100m以内にあると起動できないらしい
堀江正美はあるタイミングでこれを起動したらしいので、それの影響も加味する必要があるらしかった
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3.3. 玄関の入手カウント
似たように、玄関の入出に関して議論がなされた
特に小暮秋吉がホテルから屋敷に来ているのなら、カウントが7になるはず。堀江正美曰く、屋敷に入るまではキャンセラーは起動していないらしい。しかし、その回数は(記憶が正しかったら)6だった
何故かこの点は、すぐには大きな議論にはならなかった
犯人役としてはそういったものは先送りして後で爆発してくれた方がいいので、コメントしないようにスルーする
(ここら辺から流れがうろ覚え)
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4. 調査・推理 in 移動中
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4.1. 小暮凛の家への移動の道中
小暮秋吉には孫娘がいた、小暮凛だ
「R」に要請され小暮亭から小暮凛の家に移動する
その道中、赤坂は赤坂を知っている人物と遭遇する
幾つかの会話のち、彼と道行く通行人は我々に違和感を残していった
それは
・赤坂が恐れられる描写
・大衆から視線を受ける赤坂
などだ
当然PL達は何故?となり、その理由について議論が発生した
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4.2. 赤坂探偵について
これ幸いと、赤坂をつっついてみる
(ちょっとストレスな探りを入れてしまたかな...?と反省してる箇所でもある)
...だって、探偵と助手が何故当日家にいたのかよくわからないじゃん
他のハウスキーパーとか母親とか彼女であれば、まぁわかる。でも探偵や助手...?当人はちゃんとした探偵っぽい自認らしいし、そのことに自負もある様子。だったら何故小暮と協力するのか。"能力への自負"と、被害者の会に顔を出す行為は相半するものではないのか
そんなことを背景として、あなた本当に探偵?何で大衆がざわついてるの?みたいなことを聞く
すると赤坂探偵は、そのためにはみたいな感じで、誰かが死んだ話を話そうとする。何となく、長くなりそう&視線が集まることと関係がない気がして、それは関係あるの?と遮ってしまった。全てが終わった後に振り返れば、赤坂探偵は昔母親が殺されていて、多分その旨を言おうとしたのかもしれない。それは箕輪助手の生誕にも関わるイベントであり、重要な話ではある。ただ、あのタイミングで語ってくれる内容ではなかったように思うし、"誰かが死んだ話"を、現状視線が集まる理由とするには助走が長すぎたように思う
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4.3. 赤坂探偵への嫌疑
そうこうして話し合っていると、ハウスキーパーの田中から、赤坂の父親が管理局の上役という話が出る。何でも手をパンと叩く癖があって、出世した人であるとか
管理局の上役であること、出世した人であること
これらは殺人鬼Xにつながる情報に思えた。そもそも、このマダミスは高度な管理社会を舞台にする。そこでは監視カメラが十分発達していて、犯罪を行うのが難しい旨の説明が最初あった。もしこのセキュリティの高さが本当なら、それでも逮捕を免れているXの存在は異質としかいいようがない
素直に考えれば、生じうる可能性は2つ
・システムをハックしてる
・システム側からの協力がある
1つ目の選択肢の"システムのハック"は、実際最初に「R」が妨害電波っぽいのを出してる時点で不可能ではなさそうなことはわかる。しかし、同時にその技術的難易度が非常に高く、また継続するが難しいことを窺わせる状態であった
では、2つ目の選択肢を検討する。つまり国家と関係しているが故にXが捕まらないのなら。この時点で、最もそれが実現できそうなのは赤坂貴浩。あるいはそれの関係者(=助手)の箕輪朝凪
そうあたりをつける
(大津学の目的の一つは、殺人鬼Xに復讐を果たすことである)
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4.4. 入出部屋の議論(2)
議論はいろいろ転がり「箕輪は実在しないのでは説」が出る
覚えているのは、この発言で決定的なのの1つが、ハウスキーパーの田中さんのだった。具体的には、小暮邸に入る時の音が、我々が認識できている6人より少ないことに気付き、指摘されてた。いいセンスしてる...ってなった
大衆のリアクションが変なことをきっかけに始まった、赤坂探偵への疑義は、箕輪助手がいないのではという点で一定の着地点を得た (大津としては、やはりどちらかがXなのではと追求したかったけど、する空気ではない難しさがあった)
これをきっかけとして、赤坂探偵と箕輪助手はよく密談をしていた
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5. 推理・調査 in 小暮凛の家
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5.1. 小暮凛の家
凛の家について調査をする
いろいろな、非常に重要な手がかりが出てくる
(どこでこれらの情報が出たか、記憶がいまいちな箇所があるので、間違っていてもご容赦いただけると嬉しい)
例えば、小暮秋吉は催眠術が使えたこと
例えば、小暮凛は何者かに攫われたような証言があること
例えば、小暮秋吉は合法的に「愛しい娘」に合うためにリスクを取ったこと
等々である
催眠術はアルファ・ベータ・ガンマの3種類があるとあった
それぞれの効果は違い、またかけられるのは1つで複数の併用は難しいとのことだった。またこの技術は誰もが使えるものではなく、というか小暮秋吉のみが使えるとのことだった
先ほどの道ゆく人のリアクションも加味すると、おそらく我々全員に催眠術がかけられているのだろう。そしてそれをかけたのは小暮秋吉...なるほど
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5.2. 事件の背景は?
適当に思考を巡らす
「愛しい娘」とあるが、小暮秋吉に娘はいない。であれば、孫の小暮凛を指すのだろうか?でも孫娘なら合法的に会えるのでは?そもそも会うために取らなきゃいけないリスクとは何か?
...このリスクとは、小暮事件自体を指している可能性が高いのでは。つまり、大津学が真犯人で、小暮秋吉は実は犯罪を行っていなかった。この、自分が冤罪であることをリスクと考えたのでは?
そう考えれば、幾つかの点で納得できることはある
そもそも事件は、大津学も殺そうとして殺したわけではなく、中村が小暮秋吉を襲っていたのを止めようとして、気付いたら首にナイフが刺さっていた、というものだ。その後、小暮秋吉が庇ってくれる旨を言ったので、その通りに行動をした。でも、小暮秋吉は即死した中村の音声を都合よく持っていて、その偽装の一部に用いていた。つまり、中村が死亡すること含め小暮秋吉の計画通りなのでは。ざっくりとそんな印象を得る
終わってから振り返れば、それなりに推理は当たっていたと思う
しかし全然思い至らなかった点も多々ある。例えば「愛しい娘」=箕輪助手であったが、この時点ではその結びつきまではできなかった。正直、獄中にいる誰かに会いに行きたいのかな〜?くらいだった。なお、"獄中にいる誰かに会いにいった説"の他PLのリアクションはイマイチで、そうだよね...ってなったのを覚えてる
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5. ミッドポイント
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5.1. 犯人の推定
最初に集められた場所に移動して、小暮事件の犯人投票になる
結果は大津が2票(だったはず)で、最多となる
特に被害者の母親である中村杏奈や、彼女の堀江正美がこちらを指していて、何故?となった
この2人の正体を少し考える
正直、議論ではこちらを詰める要因はあまり出さなかったと思っている。唯一辿り着けたかなと思うのは、木暮邸の時計が止まった時間で、大津学の腕時計が破壊され止まっていた点だ。でも堀江もカウンタを停止する装置を使っているし、そもそも手が血に濡れた点も精査されていなかった。入退室は上手く言い逃れができていたと思う
もしこれが、中村杏奈か堀江正美のどちらか片方が大津に投票をしているのなら、それは直感などで選んだのだと思っただろう。でも、今回は2人。また、特に推理が信頼できそうなハウスキーパーの田中も、大津ではなく別の人に投票していた。これは、ちょっと直感といういうには納得できない状況だ
これらを総合すれば、中村杏奈と堀江正美は、当人らが公開していない情報を持っていて、それは大津が犯人である事を特定できるだけの情報である、ことを示唆する
...なるほど?
でもなぜ議論に貢献しないのか?
自分の招待を明かせない系の事情がある?
この人たち、本当に母親・彼女?
あるいは別の目的がある?
そんな印象を抱いた
なおシナリオ的には、ここで当てられていても当てられていなくても、大津は犯行を自白する流れであった
また、流れは忘れたが、「R」は自分を小暮凛と名乗っていた気がする
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5.2. 物語の折り返し
小暮事件の犯人である大津学が自白をする
本来はそれで終わる話だった。しかし、何故か「R」は小暮凛や後述する新田のアパートへ行くことを強制する
映画において、物語上折り返しになる点を"ミッドポイント"と呼ぶ
プレイしながら、あーミッドポイントだってなったのを覚えている
「R」はいう
小暮事件の背景を知りたいと
そのために新田のアパートの調査が必要だと
(僕の記憶が正しければ)
物語は、ここから本来の課題へと焦点を当てていく段階になり、我々キャラクタもまたそれを実現するように駆動されていった
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6. 推理・調査 in 新田のアパート
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6.1. 新田のアパートと手紙
新田のアパートに行くと、手紙が置いてある
それは
・小暮凛と蹴上湊がかつていじめをしていたこと
・それにより自殺者を出していること
・蹴上湊を殺そうとしていること
・電波障害によりその機会を得たこと
という、非常に気持ち悪い内容だった
他には、卒業アルバムの内容などがあった
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6.2. 手紙の気持ち悪さ
何故、気持ち悪いのか?
それは、これが誰が何の目的のために書いたのかわからないためだ
まず、その言動から「R」である小暮凛と新田は利益相反の立場にある。次に、電波障害への言及があるのでこれはその日に書かれたものは間違いない。であれば、プレイヤ達がこの家に来訪することは、移動を強制されている「R」以外は把握していないはずだ。しかし、この手紙を必ずプレイヤ達が見つけるには、2人の協力が不可欠という真逆の結論を示唆する。つまり、手紙の内容は、「R」の主張と行動の不一致を説明するものになっていた
この食い違いが、強烈な違和感となってその手紙の上に踊っていた
もしも、この状況が恣意的に設定されたものだとすれば
それをできるのは「R」も新田も含む誰か
...それができるのは1人しかない
おそらく、小暮秋吉
ただ、それらは物証にかける憶測にすぎず、話しても時間を食うだけなので口にはせずに頭のメモに記すに止める (「R」も催眠されてるよね〜的なことを若干言及するくらいはやった)
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6.3. 蹴上の家へ
蹴上を捕まえて保護してくれ、というミッションが始まる
投票で、助けに行くかの決を取ることに
探偵組の2名以外はとりあえず来訪する方を選ぶ
ここで大津が移動に賛同したのは、時間稼ぎのためもあった
"移動"の間は議論時間が出ることはわかっていた。しかし、このミッションをスキップして同様の時間が与えられる保証がなかった。であれば、現在犯人として挙げられている大津としては、確実に時間を確保できる移動を選んだ方がお得。そう考えての選択だった
それに、何か黒幕がいて何か目論んでたとしても、わざわざ手紙を置いたりして策を弄する必要があるらしい。そんな状況では、少なくとも向かうこと自体だけがトリガーとなって襲われることはないだろう。そう当たりをつけていたのもある (次であるように共犯説も持っていたが、そちらの可能性はより低いと判断)
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7. 推理・調査 in 蹴上の家
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7.1. 蹴上とは
蹴上の家にいくと、ガタイのいい筋トレ好きっぽいらしい男性が出てくる
適当に新田や小暮凛のことを聞いて、同行してくれることは可能かと聞く。この時、大津の身分が警察であることも適当に話すと、まぁ来てくれることはできそうだった (警察だから〜とのPRが楽しく、判断の保留を忘れるところだった。あぶない)
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7.2. 蹴上を保護するか
ここで改めて、連れてくかの議論をする
いろいろ話は出たが、個人的には次が動かし難い点であるように思えた
1. 電波妨害は「R」が引き起こしている
2. 「R」は自分を小暮凛と主張している
3. "蹴上が新田に殺される"と「R」は主張し、連行を依頼している
4. 殺される理由は、電波妨害のせいで警察が機能していないため
...「R」が電波妨害やめれば、蹴上殺されることなくなるんじゃね?
舞台は、妨害がなければ犯罪抑止が十分機能してる社会。それこそ、新田=殺人鬼Xとかでない限り、それでことは済むはずだ。そして新田は多分ではない。何故なら今まで殺人鬼Xは妨害電波を利用せず、その犯行を(おそらく)行っている。より正確には、"妨害電波を用いて犯行をしている"という情報が出ていないだが、この局面においてそういう情報がないのなら、きっと活用していないのだろう
これを整理すると、次のことが言える
・「R」が蹴上の連行を依頼してきたのは、保護ではなさそう
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7.3. 蹴上を保護するか(別ルート)
探偵勢などは、アルバムの情報を整理して同様の結論に到達していた
その内容としては、
・アルバムで見えない箇所や性別、苗字を比較する
・結果、蹴上か小暮凛の両方が同性であることはない
・蹴上は男性なため、結果として小暮凛は女性になる
・これは小暮凛の家にあった、変わった女物のシャンプーと整合的
・「R」は男性のようだ
全て推理を聞いたわけではないので類推だが、この性別の食い違いにより、作為性を認めていた。より言えば、自らを小暮凛と名乗る「R」が蹴上を連れてこいというのは、処刑するためだろうと。このため、同行させない方に決めたらしい
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7.4. 推理と作風
以下は、ルートの違いの是非を論ずるものではなく、単にスタイルの問題である
「当人が移動できないから僕たちに蹴上を移動させたがっている」
という指摘は9割は妥当なものだと思う
しかし、残りの1割を否定できなかった
例えば「R」が男性であるということは、それなりに偽装の余地があったためだ。今作では催眠術が登場するような話だし、性別を偽装するのはより楽だろう (ミステリ的には、用いた舞台装置は全てあらかじめ登場していて欲しいし、今回それは見えなかったので無いとは思うが)
他にも、例えばこれだけ準備をする犯行であれば、実は2人いました、複数犯でしたというのも可能ではある。我々を来訪させたのは、蹴上の用心を解くため。油断したところをもう1人が襲う。この可能性を消すためには、蹴上を信頼できる場所、例えば蹴上の親族の家にでも連れていって安全にと言えばいい (実際、おおよそその旨をGMに依頼していた気がする)
結局この手の推理は、物語の作風としてどこまで信用し、どこから疑うかの問題なのだろう。今でも、どこまでそうかは悩むところではある
今回、全ての可能性を検討しても最も動かし難いもの
それはきっと妨害電波停止のロジックだ
なら「R」に従わない方がいい
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8. 告発と幕引き
蹴上を同行せず、元の場所に戻る
「R」は計画が破綻しただのいい始める
仔細は省くが、話は進む
そして、大津学を中村殺しの犯人として、告発するかの選択を皆に迫られる
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8.2. 堀江正美と中村杏奈
ここで、今まで議論にあまり参加してこなかった中村杏奈、堀江正美が参加してくる。ただ、前述の疑義もあり、この時点でこの2人は本当に関係者?ってなっていた。他にも疑問点はある
・「本当に警察なのですか?」の疑問
途中で中村杏奈によって聞かれた質問。デリケートな質問な割に、その回答に執着しない姿勢が理解できないところだった。実際、恋人や息子が殺されているのなら、もっとその犯人に固執するはずでは?と思う。ただPR性の違いと言われてしまえばそうだとも思う
・堀江正美によるハウスキーパー田中への疑義
一時期、堀江正美はかなりハウスキーパー田中に関して疑義を投げていた。途中で催眠が重複してかけられないことで疑念は外していたようだようだが、疑うきっかけは根拠があまりないようだった。ただしここは直感的な側面が強いと思う
あとは堀江正美が、大津無罪説に対する謎のあたりの強さを示していたことなども理解できない点だった。真相を調べる過程で小暮秋吉がいろいろ仕組んでた犯人説が生じたと思っていたが、それを無視して大津のみにフォーカスを絞る言動をしていた
これらを踏まえて、この2人は気にしない方がいいと判断した
ただし、意味のある疑義ならもちろん答えるので、無視を意味するものではないことは留意しておく
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8.2. 赤坂探偵と箕輪助手
探偵組の方は、思惑があって意見は固まってるような印象だった
基本的には没交渉で、探偵組と交渉することによってできることがあるのなら、議論をして波及的に他PLへの影響を期待する程度だ
とは言え、マダミスにおいて最も貴重なリソースはトークンではなく時間であり、今回は堀江・中村組の妨害もありそうなため、余計なことをする選択肢はなかった。結果、この探偵組に関しては、その選択を完全に放置することになった
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8.3. ハウスキーパー田中
あと残ったのはハウスキーパーである田中だけだった
(ハウスキーパー田中っていうと、なんか超能力とか使えそうだよね)
なので、田中を焦点にして自分が納得できていないこと等を話していた
まだ納得できていない点は、やはり「中村の録音」だった
結局、大津学の犯行は突発的であるはずだ。であれば事前に、偽装のための録音など用意できないだろう。よしんば録音機器でたまたまそういうシーンを録音していたとしても、その必要なところだけ切り出すのは即時とはいかないはず
でも実際、中村の音声の録音があって、実際小暮秋吉はそれを活用した
これは事前準備をしていたことを意味するのではないか
残るのは小暮秋吉は何を意図したのか?だった
それはまだ分からないでいた
理解の手助けはある
それは小暮秋吉が自室に残した、リスクを冒してやっと合法的に「愛しい娘」に会えるという点。やはり、これは一度捕まって、その後釈放されたいのではないか。意図もまだ十分に詰め切れていないけれど、アリバイの偽証が計画的であったことと、この冤罪で捕まろうという点は、動かし難いことに思えた
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8.4. みんなの選択と最後の選択
おおよそそんなことを話していたように思う
正直、自白してもいい
実際にやったのは自分であるのは確かだ
そもそも、警察等を信じるのであれば、一度逮捕されても真相を明らかにしてくれるかもしれない
でも、小暮秋吉は殺人鬼Xと関係してるかもしれない
小暮秋吉が何を意図していたは十全には掴めない
だから最終的な大津は投票を棄権して、最終的な判断はみんなに任せよう。...いや正確には、堀江・中村が"自首する"、探偵組が"自首しない"な感じだった。だから、それは田中に任せることになる。でも箕輪助手が実在してないことを気付いた知性を持つ田中だ。きっといい選択をしてくれるはずだ
...
......
..........
投票が終わる
中津の棄権が1
堀江・中村組が"自首する"
探偵組が"自首しない"
ただしGM処理として、箕輪助手は存在しないため"自首しない"が-1票
...そして田中は、"自首しない"を選択していた
ちょうど2vs2だ
同票の場合は大津学の判断に従うらしいので、結局大津がどうしたいかを尋ねられる結果になった
自主してもいい
でも、箕輪助手は確かに存在して、少なくとも大津には彼女はチームメンバだった。だから、箕輪の意見を尊重し、自白しないことを選んだ
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9. ENDINGと感想
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9.1. ENDING
事件は、小暮秋吉が獄中から出られないEND、でも箕輪助手の殺意を解除してくれるENDだった。堀江・中村組を除けば、それぞれ最良のENDに到達できたのではないかと思う
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9.2. 大津学としての感想
もう少しハードボイルド方向にもできたかなと少し思う
・警察である父親を追う理想
・小暮事件に関する犯人である現状
その間にいるのが大津学だ
ただ、今回は最悪自首すればいいやという選択肢を最初から持っていた分、心理的負担は少なかった。そこを安易に流されず、もう少し葛藤しても良かったかなと思う (とは言え、「R」に君小暮事件の犯人だよねと言われ、従わされてる点において、そんな心は折れてしまっているように思えるが)
あとは殺人鬼Xの存在を、キッチリ詰めきれなかった点だ
探偵組が怪しいということは十分わかっていて、おそらくどちらかがという点までは理解できていた。しかし箕輪助手がそうであるというのは掴みきれていなかったし、その殺戮の意思が小暮秋吉が埋め込んでいたこととは思わなかった。その点は、探偵組は上手く情報を出さなかったなと思うし、詰めきれなかったこちらの想像の甘さがあった
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9.3. 全体の感想
長々と書いたが「小暮事件に関する考察」面白かった!
というか、長々書けてしまうくらいの内容とメンバだった
内容としては、シティアドベンチャー感があって、なるほどーっていうところが多かった。やっぱやりたいことが明確なシナリオ、特にそれがまだ世にないタイプのものなら応援したくなる
シャーロックホームズはいう。「全ての不可能を除外して最後に残ったものが如何に奇妙なことであってもそれが真実となる」と。今回はこのアプローチに則り、"最も動かし難い可能性は何か?"を詰めて判断できるかを試していたところがある。個人的に、それでちゃんと必要なだけ詰まるというのは、信頼できる作品であり、今回は実際それだったのでとてもありがたかった (結局、ここの不動パートが特定できないミステリは、作者のお気持ち当てゲーになる側面と決別できない)
また、今回はメンバにも恵まれていたようにも思う
探偵組、赤坂探偵は名探偵らしい身の振り方をしていたように思うし、箕輪助手もつかみどころのない感じが実にらしかった。また今回の探偵組は、"箕輪助手=殺人鬼X説"をいうことができない立場にあった。結果、その分の推理を聞く機会が減っていたのは確かだろう。もし別の立場なら、と想像してしまう位その推理は理路整然とされていたと思う。彼ら彼女らの別の立場を見てみたいと思う
ハウスキーパー田中は、全体的に推理が冴えていて要所要所で議論を駆動してい存在だ。そういう意味で、正体の公安(だっけ)を十全に体現していたように思っている。背景を鑑みれば、探偵組と詐欺師組が結託しやすいのは確かだろう。その意味で、大津学としては与できる可能性があったのがこの位置だった。そして、今回のマダミスで最も信頼と期待をできたのが田中の人であったのは、犯人としてとてもありがたかった。お陰様で最後まで頑張れました、ありがとうございます
そんな中で、特に利害が対立する堀江正美と中村杏奈はすごく頑張っていた。正直、大津を自首させようと誘導するのは今回はなかなか難しいミッションであると思う。その難しい課題にちゃんと向き合っていたのはすごいと思っている。次は別の位置ではっちゃけているところを見れれば嬉しい
作品として、細かい気になる点はある
例えば今回被害者の中村は、"軽く刺さったら自殺するように動かす"などという催眠術をかけられていたらしい。でも、催眠術は自殺みたいなものを強制させるのは無理なのではと思ってしまったところはある
でもそれは、舞台装置のための大きな嘘で、例えばSFでのワープ航法的なものだろう。ここも"作風"として飲み込むべきものであることが明確になっていて、わかりやすくよかった
あとは、大津学が自首したとしても、ちゃんと警察は調査して小暮秋吉が犯人だと特定してくれよ、などであろうか。ただそれも催眠術という特性上、確たる証拠がないため、難しいのだろうなぁというのも理解できる
兎角にいろいろ書いたが、本作を体験できて、特に本メンバで挑めて楽しかったし、嬉しかったばかりである。関係者各位には感謝を伝えたい