どう書くんかなあ...って思ってたところががっつり描かれてて感極まったいち視聴者の感想らしき何か。ぼんやり来主操周りです
ぼんやりどころではなく来主操の話です(操になんかあるのかなあって印象付けたくない苦肉の策)
1話
・痛いじゃないか、戦いたがる子は食べちゃうぞ!
・まだ美羽を食べられない!、と美羽を食べたがっている。
美羽を食べることによって起こる諸々について、まだ考えは及んでいない。
3話
・偽物を壊されただけでしょ?
偽物が、それを信じる誰かにとっては本物であるということへの想像力がまだない。
本物=いいもの 偽物=わるいもの という単純な世界。
4話
・あの子死んだ? 悪い子なんだから、食べていい?
単純にいいもの、わるいもの、の世界から成長してない。
今の操の中では総士は悪い子なので(制止がなければ)食べて良い。
さらに、人の死が、人にとってどういうものであるか理解していないと察せられる。
HAEの操が、一騎に対して「消えて欲しくない」と思っていた記憶はあるだろうので、人に消えて欲しくないという欲求が存在することは理解していて、けどそれ以上の理解はまだないのかな、と。
6話
・僕、もうすぐ死ぬみたい
瞳が揺れていることから、自らが消えることへの恐怖はある。
それでも、この時点では自らの消滅を回避しようとはしていなかった。
・カノンや翔子と同じように、自分の写真も一緒に飾ってほしい。
自分が消えた後も、自分の存在を忘れないでいてほしい、という願いを口にする。
この時点では誰かが死ぬこと=悲しいこと であることは理解しているように思う。
けれど容子に「死に慣れることなんてない」と言われるまで、誰かが死ぬということは、慣れることができるものだと思っていたはず。
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操は容子からの「私がなぜこれ(ファフナー)を組み立てるかわかる? 私はあなたたちを憎んでいる。島を守ってくれていることには感謝しているわ。たくさんの敵を倒して、私と関係のないところで死んで」という強い拒絶の言葉を受け取ると同時に、彼女の「操に死んでほしくない」という心を読む。
操にとって容子は優しいお母さんだったはず。
その容子が激しくひどい言葉を使い、けれどその言葉と正反対のことを心の中で思っていたことは、操にとって衝撃的だったんじゃないだろうか。
操の想像の通り悲しみが慣れるものであれば、容子がここまで感情を昂ぶらせることはなかった。そうでないということは、
・娘を二人も失くすことは、今なお続く悲しみである
→悲しみとは時間軸の中の一点ではないこと
それを操はここで知ったのだと思う。
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・美羽、君を食べていい? 君を食べれば、もう少し長く生きられる。母さんは、俺が死ぬのは嫌なんだ。
来主操は「世界が平和になったら美羽を食べていい」という約束を守り続けていた。
約束を破ることは、考えるまでもなく、"悪いこと"だからだと思う。
その大切な、守るべき約束を、操は自ら破ろうとした。
それは、己が死んだら母がずっと悲しむと理解し、それを回避したいと望んだから。
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美羽は、操に片腕だけなら与えても良いと言った。
すぐに美羽の家族である真矢(操にとっての容子)は、それをやめさせるよう甲洋や一騎に要求した。
総士は「何様のつもりだ、自分を特別だと思ってるから何を無くしても平気なんだろ。だから僕の気持ちもわからないんだ」と美羽に良い、二人は喧嘩になる。
その様子を操は見ていた。
(自分をフェストゥムだと思っているから、人(美羽)から奪っても平気なんだろ。だから、人の気持ちもわからないんだ。)
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・やっぱり食べない、ごめんなさい。俺一人で死ぬよ。
操はここで、
美羽を食べること=美羽がいなくなること
を本当の意味で理解したんじゃないだろうか、と思う。
操が死んで容子が悲しむように、美羽が死んだら真矢を始めとした、たくさんの人が悲しむ。ずっとずっと、長い間。
容子によって悲しみを理解した操は、美羽から奪ってたくさんの人を悲しませるのは嫌だ、と思ったんじゃないか。
(たくさんの人から奪った、お前たちだけの平和だ。と通じる)
美羽を食べることをやめ、操はボレアリオスに戻る。
甲洋と一騎は、それを追う。
美羽を食べないということは、もうすぐ死ぬという運命を受け入れるということ。
死ぬということは、容子が悲しむということ。
そしてその悲しみは、慣れるようなものではなく、ずっと続くものだということ。
操は自分が消えるだけならこんなに泣かなかったんじゃないかと思う。
「お前が行くときは、俺たちがそばにいる」(一人ではいかせない)
操は泣きながら、それに「うん」と返事をした。
人の中にいることを知った来主操が寂しいと感じること。
その寂しさを、甲洋と一騎がせめて和らげてやろうとしているところに、操がもう一人ではないんだと感じることができて切なかった。
その優しさを持つ人たちに囲まれて、操は生きてきたんだ、と。
どこに居るか、どういう人たちと一緒にいるかが自分を形作る。
ルヴィの言葉は、もちろん操にも重ねられる。
「あなたを選んで良かった」と言う言葉から、羽佐間家に住むきっかけは来主操からの提案だったんじゃないかと思う。(選ぶ前に、誰かの家に住むか、と言う提案はされていたかもしれないけど。最初は楽園に住んでたけど、ショコラが苦手で出てった、とかかもしれない)
操は容子とともに暮らすことを自ら選び、そして、悲しみを理解したのだと思うと、やっと理解できたのかという喜びと一緒に、やっと理解できたのに...という悲しみが凄まじい勢いで襲いかかってきますね......
憎しみは「これが憎しみ...これがァ!!!!!」って一瞬で理解してるのに、悲しみを理解するのにこんなにも時間がかかるのは、憎しみが外側へ向かう感情であるのに対して、悲しみが内側に向かう感情だからなんですかね。内部が複雑化しないと理解できない。
追記
自分が遠からず死ぬことを語る時の操の目、口調はいつも通り軽いのに、めちゃくちゃ怯えてる猫の目みたいに見開かれててしんどさMAXだった