テネット、例の台詞。
「We live in a twilight world.」「And there are no friends at dusk.」の元ネタはウォルト・ホイットマンの『A TWILIGHT SONG』
劇中で何度も繰り返し出てくるこの台詞。
主人公を捕らえたセイターがこの台詞を口にし、主人公が「Is that Whitman? Pretty.」と返すシーンがあります。
このWhitmanとは詩人ウォルト・ホイットマン (Walter Whitman)のこと。彼は『A TWILIGHT SONG』という短編の詩の中で、戦争の記録を残すことの重要性を説いています。
記録を残すという行為は、テネットのラストでもキーとして描かれていますね。
詩の中で直接この台詞が出てくるわけではありませんが、この詩は「AS I sit in twilight late alone」で始まります。
黄昏時に孤独の中で座っている、これが「We live in a twilight world.(黄昏に生きる)」「And there are no friends at dusk.(宵に友なし)」という言い換え=合言葉に繋がるわけです。
ちなみにホイットマンは理神論者です。
(理神論…啓示宗教が持つ神秘的・反合理的な要素を排除し、理性で理解できる限りの宗教を作ろうという主義)
創造された以上、世界は自らの法則に従ってその働きを続けるとされる宗教ですが、これはテネットで言うところのエントロピーの増大ですね。