サキュバスアカデミア、完全ネタバレ感想。
かつてとは全てが異なる新規システムながら、根底のテーマは同じ。
ただ一人に捧げた愛と、ただ一人の為の許し。やりかたが違うだけ。
怪作にして傑作、三度目の夢は刺激的な悪夢だった。
以下、長い
エロとゲームシステムは素晴らしく最高。喝采せよ! 喝采せよ!
まず、ゲームシステム。
旧作、というか精神的続編も含めてバトルファックものはとにかく「戦闘が長い」のが欠点だったんだけど、サキュバスアカデミアは、とにかく「早い」
モブ敵は1.2分の上、逃走スルーはすごく簡単。罠にハマって戦うこともあるけど、それでも早いし、感覚的に戦える。
ボス戦だって難易度ノーマルならまず積むことはない、ノトーリアス? 知らない子ですね……けど、スキルを埋めて装備を整えれば勝てる。どうしても勝てなきゃ順番を考えて序盤で総処理すればいいし。
アイテムも使用制限はあるけど、正直ラスボスと後半ノトーリアス以外に使うことはなかった。
トゥルールートで墓穴埋め忘れでもしなければ『クリアできねえよ!』は多分ないです。
エロは当然の如く最高……というか、サキュバスクエストから比べるとおっとろしく進化してる。
まず、「すぐに射精シーンに行ける階層部屋がある!」「射精のパターンを敗北か勝利か選べる! ミス射精もあるぞ!」はい、シコサポ百点満点ですね。全開放感想部屋を出せたら後は起動→シコ→閉じる、の黄金パターン完成です。
エロの内容は……正直、好みが別れる出来だとは思うけど、そもそもSとMのM側しか買わないだろうし、謳い文句を読んだ上で買わない人間はいないだろう。
異形の搾精器官を使うとかの特殊女性上位はなく、通常人類に存在する部位を使った搾精が主なエロ。これだけなら「フツーじゃん」と思うかも知れないけど、違う。
このゲームはバトルファックではないが、相手を精神的に満足させる為にいろいろな反応をするゲームである――つまり、『色々な反応』に対する夢魔達の反応がある。常軌を逸して事細かに。
『攻め』にまわろうとした時の罵倒でさえキャラごとに個性に満ちあふれており、女性上位に対する凄絶なる愛を感じる。
回想なら射精のタイミングは完全に任意なので、実用面に問題はない。サイコーだね! 僕の性癖は真ラスボスと幼馴染とマーメイドと委員長!
で、ちょっともにょった点が……シナリオとキャラクター
まず、シナリオ。
完全ネタバレなので隠さないけど、これは「プフクスがギルデンスターンを殺す(救う)ための物語」
つまり、無印サキュバスクエストの完全な続編。知っていれば楽しめるじゃなくて、知らないと意味が理解できない類の作品。
旧作のファンサービスだけなら、正直エストだけでいいんじゃないの……とは思った。
前作ありきの上、続編ありきと言うのも個人的にアレ
サキュバスクエストやった人は解ると思うけど、ギルデンスターンはラルスとオリビアの結婚式に出てる。つまり、ギルデンスターンの復活エピソードは確約されている訳で……
加えて言うなら、プフクスの処遇は気に入らない。
犯されて抵抗して哀願したりするのはいいんですよ、けど、全ての記録を見て全ての記憶を継承したギルデンスターンは「ウィル・ギルデンスターン」とも言える状態な訳で……大切な人達を人食いへと変えて、学友大量死の黒幕を『愛する』のは……
あれは快楽に屈服したといえばしたんだろうし、ギルデンスターンがプフクスの愛に応えたと言えるかも知れない。けど、それでも無印のサキュバスクエストみたいに選ばせて欲しかったよ。
勝てなくてもいいんだ、バッドエンド直行でもいいんだ。それでも、復讐の為に魔王になった男が八人分の人生を奪われて、復讐を「選ぶ」ことも出来ないのが嫌なんだ。
んで、プフクスが「歪めた」五人の夢魔達に一切のフォローが無いのは……
別に殺した事を後悔するとかそういうんじゃなくて、最後にプフクスに「呪いは解いたぜ」とでも言わせればよかったのに、夢魔達は歪められたままの人食いとして夜を彷徨い続ける。プフクスもギルデンスターン程じゃなくても夢魔は普通に嫌いだろうし、わざわざ呪いを解く理由は無いんだけど、それでも可愛そうでな……
関連して、キャラクター
これは完全に趣味の範疇で、だからいいって人もいるだろうけど、ちょっと『下衆さが過ぎる』
まず、五人の夢魔。プフクスに歪められたという説明で納得は出来る、納得は出来し超絶シコれるけど、それでキャラクターが好きになれるかは違う。シチュエーションの魅力とキャラクターの魅力は別問題。
旧作の大半の敵役にあった愛嬌とか可愛らしさがない。残虐で凶悪で悪趣味な魔性が、五人の夢魔。
無様に搾り殺されるのは楽しみにしてたんだけど、一部やり口の悪辣さが「マゾ心を楽しめる」限界を越えましたね。特に運動部のラスト。圧倒的上位者が汚い真似をするなと……
クソゲス夢魔は嫌いじゃないけど、サキュプリレベルは頼んでませんって感じだった。ラーメンを注文したら二枚乗せのカツカレーが来た気分です。
あと、委員長のアレは夢魔のルール違反と違うんけ?
反面、ノトーリアスは上位者としての格をキャラクターとしても難易度としても備えた『大物』だった。アルマエルマが陸上部を「忘れない」と言ったのは嬉しかったなぁ。
人間達はオカルト強姦魔共を覗いて全員魅力的です。
主人公勢で一番好きなのはぶっちぎった狂人である演劇の人、君、ちょっと狂ってますね?
モブキャラで好きなのは人間の尊厳と意思を見せた「精神」の人。
割ともにょるところもあるゲームでしたが、個人的には大傑作です。
痒い所に手が届ないところはあったけど、届かない理由は解るので……
今は、とりあえずギルデンスターン蘇生の謎が明かされる続編に期待かな。