犯罪と投獄の経緯が判明してて現時点までに死亡している刺青囚人、だいたい全員、鶴見中尉(と彼が率いる組織)の理解補助線なのでは?という理解を得ての金カムプチ考察。
犯罪と投獄の経緯が判明しており、現時点で死亡している刺青囚人に見える鶴見篤四郎及び第七師団(鶴見陣営)の理解補助ライン
≪”四人の○一郎”≫(⇒”篤四郎”の暗示)
・若山輝一郎 ⇒ パートナーへの不義理(若山:繰り返される浮気、長谷川:潜入工作への利用)と、そのパートナーの死に直面した事でパートナーへの愛を強く自覚・弔い合戦に挑む、機関銃を扱う
・坂本慶一郎 ⇒ 既存の権力への反逆者。妻子がありながら危険を伴う生活を辞められず、また妻の愛情による危険な現場への引き返しが妻の死を招く(子の安全より夫の元に戻る事を選ぶ妻)
・土井新造(人斬り用一郎) ⇒ 国家権力の手先として命を懸け利用された過去、偽名を用いて結婚し妻の郷里地で生活していた事で妻に危険が及ぶ
・関谷輪一郎 ⇒ かつては深く信仰した神(≒国家)への精勤が招いた不条理な娘の死を飲み込めず、自らが死ぬまで止められぬ神(国家)との闘争を開始、ランダムに他者を自らの戦いに巻き込む
≪それ以外≫
・後藤のおっさん(後藤竹千代) ⇒ 図らずして妻子を殺害、そこから立ち直れないままの現状維持
・二瓶鉄造 ⇒ (戦死と絶縁で)失った妻子への未練が強く、そこからの反動のように”獲物”に執着する
・松田平太 ⇒ 意図し切らぬ、また他者も知らぬ家族殺害のトラウマが自らも制御しきれぬ他害性を招く、無自覚な自殺願望
・海賊房太郎 ⇒ 喪った家族への執着、小さな島国で自らを頂点とした家族主体の国家樹立を目指す(→子を産む事になるはずの女性の意思の透明化、天皇制・日本型母性原理的家父長制社会のメタファー)
・家永カノ ⇒ 母への深い愛着と母との一体化願望を内包する男子、その”母子関係”の喪失から母性原理的衝動が暴走、”他者を自らの内部に取り込む”事への執着が生じた?(※仮定)
・姉畑支遁 ⇒ 観念的な”美しい世界”(≒大義)との一体化への執着が他者(動物、アイヌ)への加害へと繋がる、和人の身勝手が周辺のアイヌの生活を脅かす
・ジャック・ザ・リッパー(マイケル・オストログ) ⇒ ”神の子”としての自認(”神”との一体化)に執着し、その自認維持のために弱者に加害と侮辱を向ける。最終的に”より強い者”に蹂躙される(宇佐美の理解補助線、太平洋戦争のメタファー)
・上ェ地圭二 ⇒ ”大人”から望まれる形に成長する事を要請される中で反発、”間違った成功体験”から周辺の弱者に加害を広げる。見当違いの努力が最終的に周囲からの無視を生む(尾形の理解補助線?明治期~戦前の日本のメタファー)
・鈴川聖弘 ⇒ 相手の思い込みを利用しあらゆる周囲を騙す詐欺師、”本当の俺なんて無いけどね” 率いる集団がアイヌの住む地を乗っ取り(植民地化)、その地の住民に加害し主権を奪う。最終的に”より強い者”に蹂躙される(明治末期~太平洋戦争のメタファー)
・<追記>辺見和雄 ⇒ ”家族の死”から”強い力に抗いつつ煌めいて死にたい”という倒錯した自殺願望を抱く、そしてその自己満足(望む死の形)に至るために多大な被害者(死亡者)を出す
※現在生存中の刺青囚人、及び過去履歴不明の囚人について
・土方歳三 ⇒ 杉元の理解補助線(相似キャラクター)。戦争によるサバイバーズギルト。自らの観念的な”母なる存在”(杉元⇒梅子、土方⇒江戸幕府と蝦夷共和国)のための事業、出会ったアイヌの事情に便乗しての自己実現を通して自らの回復を図る。
・岩息舞治 ⇒ 自らの暴力性の制御に課題(杉元、月島の補助線)、”反省”を経て自らの暴力性を制御し自立の道へと向かう(谷垣の補助線)
・牛山辰馬、白石由竹 ⇒ 自らの能力の使い方と”欲”の制御に課題、相互に理解補助線の関係?
・”雑魚”(笠原勘次郎)、都丹庵士:投獄の原因となった犯罪の経緯が不明、皮の状態で登場する”三十三人殺しの津山”他2名も同様