1回目観たときは分からなかったけど、ようやく分かった気がする。宜野座と須郷が外務省に異動した理由の考察。
いやほぼ伏せ字の意味ないかもだけど。伏せなかったら「明示的な説明はなかった」というネタバレかなと(笑)
まず起こった出来事は以下。
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常守が対砺波作戦会議を開く。参加は任意。
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常守チーム(実働)
− 常守、宜野座、須郷、花城、狡噛 (*1)
霜月チーム(バックアップ)
− 霜月、六合塚、雛河、唐之杜
霜月、何かあれば脅迫されたことにして逃げ切ると発言。
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作戦開始。
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霜月、恐らくこのままでは常守チームが死ぬと気づいて局長に支援を要請。
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局長「裏切り者を助けろと?」(*2)
審議の結果、助けるという方向になったらしい。
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局長が支援した影響で国防軍が正式に作戦に参加。
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作戦から帰還後、常守はシビュラルームに。以下概要。
シビュラ
「矢吹と篤志はピースブレイカーを使い紛争がうんたらかんたら」
常守
「政府の罪を2人に被せただけじゃない」
常守
「執行官の外務省異動を許可してくれたことは、感謝してる。私もこれ以上事を荒立てるつもりはない」
シビュラ
「意外な反応です」
常守
「私が貴方たちのレールに乗ったことも意外?」
シビュラ
「嬉しい誤算です。貴方には慎導篤志のレールを進んでもらいます」
常守
「ええ、公安局を辞めるわ」
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外務省異動で重要なポイントは恐らくこの3つ。
・常守の作戦は公安局に造反するものだった(*2)
・宜野座と須郷は常守チームとして動いていた(*1)
・局長は映画冒頭「首輪を捨てた猟犬を公安局は再び飼い慣らすことはしない」と発言
これらを踏まえれば、一度造反側についた宜野座と須郷は公安局にとって「猟犬の資格なし」と判断された可能性が高い。
作戦が上手くいけばバレることはなかったが、霜月は局長に支援を求める必要があると判断。局長の認知するところになる。霜月が局長に言っていたのはあくまで「常守朱の有用性」。局長に報告すれば執行官2人が公安局に居られなくなることは分かっていたとしても、霜月ならきっとそういう判断を下す。
ちなみに六合塚、雛河、唐之杜は霜月チームで動いていたので、霜月が「絶対に逃げきりますから」と言った範囲に入る。自チームは全員潔白ということにしないと霜月の管理責任を問われるからね。
まあ霜月が協力してたのは明白なんですけど、そこは霜月の官僚的なバランス感覚で頑張ってなんとかしたんだろうなと思う。そうだとしたら描かれてないけど本当に凄いよ霜月……。刑事課は人手不足だから霜月の白々しい証言を局長が黙認した可能性もあるが、それでも逃げきったことには変わりない。
公安局に造反した結果、監視官である常守は公安局を辞めるだけで済む(なんなら栄転という形で辞める道を提示された)が、執行官である宜野座と須郷は隔離施設に送らないといけない。
常守は作戦を共にした花城に執行官2人の引き取りを打診。花城は元々須郷を欲しがっていたし、今回宜野座と戦う場面が多かったから宜野座の有用性も把握。快く引き受け、外務省から公安局へ正式に依頼を出した。
常守が公安局を辞めるという流れになったのは、そういう背景があったのかもしれない。これ以上事を荒立てるつもりはない、というのも宜野座と須郷が不利益を被る可能性を忌避したのかもしれない。シビュラから見ても意外な反応、常守の複雑な表情……執行官の資格を剥奪させてしまったことに対し、流石に責任を感じていたのだと思う。
その観点でいくと最後の局長射殺は際どいんですが、まあ常守が事を荒立てるつもりはないと言ったのはあくまでピースブレイカーに関する「矢吹と篤志が政府の罪を被せられた」件に対してなので。
シビュラは人間と違うから感情で別問題を掘り返すなんてしないでしょうし。
仮にこうだったとしたら、3期で霜月課長が「優秀な人間を引き抜かれて腹立ってんの!」という台詞。
全滅するくらいなら執行官2人を切ってでも常守を取り戻した方が良いというドライな判断を下した指揮官としての面と、それでも優秀(霜月の賛辞とかほぼ愛だよね)な人間だから2人とも失いたくなかったという感情の面と。
課長、本当に大変だったんだね色々。
心とサイコパスは別だし、責任と私情も別だよね。
そこの乖離の苦しさ、乖離させなきゃいけないことの苦しさは、霜月は誰よりも知ってるよね。過去に犯した過ちだって、霜月は切り分けて天秤の上に置いている。詳しくはオフィプロ3のノベルを見てくれ。
あと霜月を無視して出ていったんじゃないということになって、それは監視官2人を大切に思っている宜野座の行動原理としても納得がいくんですよ、この推測。
3期だけ観ると常守に頭がイカれて公安局飛び出したのか?みたいになるけど。やっぱ違うよ、宜野座は霜月のこともよく見てたもんな。case.1で君"たち"の猟犬で良かったと言っていたもんな。
余談だけど外務省は銃器使う職員がたくさんいて、選別に厳しい適性基準がある公安局より「選んでない」のかなって思った。あれか、花城がcase.2で言ってた準軍事的組織ってやつ?
公安局の執行官も、その昔宜野座監視官が「人格破綻者」だの「猟犬」だの言ってたけど、外務省に行ったらカルチャーショックでかそう。公安局の猟犬が血統書つきのブランド犬に見えるような玉石混交の状態だったりするんだろうか。いや元国防軍とかならそんなに……?分からん。でもバタバタ死んでたし元国防軍も贅沢すぎる気がする。そんな都合の良い人材ぽんぽん集まらないでしょ。
狡噛、3期で色相が計測されなかったじゃん。自分は色相ってあの社会の人権の高低を決めると思ってるから、色相が計測されない狡噛は実質的に人権がないとかいう扱いだったらどうしようって思ってたんですよね。
外務省でちゃんと人権あるのかなぁとか心配してたけど、あの状況を考えると意外と大切にされてそう?局長の矢吹とも面識あるみたいだし。むしろ執行官時代より大切にされ……いやそのぶん命に責任を持ってくれる上官がいないようなもんだし。うーむ。
外務省の戦闘要員と公安局の適性の相性は分からないけど、公安局の適性基準は厳しいことで有名なので。なんかそう考えたら花城にとって狡噛、宜野座、須郷って大切で強力な持ち駒なのかなって。3期のオーバーキル感すごかったもんな(笑)