ヨゼアル もしもあのことについて白状したらのお話
共依存/歪んでる/どろどろ/お互いが呪い/両視点
※全部妄想!癖全開!!!解釈違いしかない!口調定まってない!誤字脱字多い!クソ長い!それでもよければ↓
【アル視点】
「後で俺の部屋に来い。真面目な話がある。」
と言われた。話ってなんだろう。でも大抵こういう時はろくでもないことを企んでいる時だ。きっとそうに違いない。
それでもやっぱり断れない僕は二つ返事でOKをしてしまった。
「ただし、ふざけた話だったらぶん殴るからな」
「あぁ...」
そう言うあいつの顔は何か...考え事をしているようだった。...珍しい。
僕は少し違和感を覚えたが、その時は対して気にも留めていなかった。その時は。
嫌だなぁ...。部屋へと向かう足が重い。僕は元々足が悪いのでそりゃそうなんだけど。今はより一層重たく感じる。
そもそものこの豪華なお屋敷自体が落ち着かない原因の一つだ。第一僕みたいなやつは場違いすぎる。よくこんなとこ住めるな...。やっぱ金持ちは違うな。まあ、仕方ないよな。あいつはここで働いてて住ませてもらってるんだし...。あいつが執事長なんて不似合いすぎて笑っちまうけどな。あ、これ本人に言ったらぶっ殺されるので内緒でお願いね。
数日前に僕が
「ヨゼフ!何度も言うけどな、家で襲うのはよしてくれ。娘もいるんだ!見られたら困る」
と文句を言ったからか、ここに来る回数が増えた。そのせいか、お陰でここの人らとも随分と仲が良くなってしまった。世間話をするくらいには。ヴィルとかいうやつにはまだ距離を一歩置かれてるみたいだ。この前のことがあったからか...それとも...。まあ、なんでも良いや。このお屋敷の旦那様もお嬢様とおぼっちゃまもみんな良い人みたいだし、それは別に良かった。
まあここに来てるのはもちろんあいつに呼ばれるから仕方なくだけど。僕の言い分も聞いてくれたしね、まあ仕方なく。本当は嫌なんだけどさ。娘に見られるかもという不安を抱えることは無くなったわけだけどあの子を1人家に置いてくのは心細い...もちろん友人に面倒を見るよう頼んでいるけれどそれでもやっぱり心配だ。あーーートゥレ〜〜〜...今すぐ会いたいよーーー...寂しくて泣いてないかな心細い思いしてないかな...。うわーどうしよー....やっぱり帰ろうかな、うん。それが良いよな!間違いない。よーし帰ろうアルッピルーs「何やってんだよ、俺の部屋の前で」
げ、と声には出さなかったものの顔には思いっきり出てしまったと思う。それがその通りのようで...相手にもそれが伝わってしまいジロリと僕のことを睨んできてる。
.......僕ってほんとうに可哀想なアンラッキーボーイ。
「不憫だよなぁ...」
「あ?」
「いやいや何でもない、こっちの話...つか部屋で待ってるんじゃなかったのか?何でここにいるんだ。」
「お前が来るの遅いからだよ」
「へーへー、そりゃどうも。わざわざお迎えに来てくれたわけだ。紳士様はさすが違いますねぇ」
「お前なぁ...」
いつもの調子で小突き合いが始まった。なんだ良かった、いつも通りじゃないか。心配して損した。...なんてその時は思ってたのに。
部屋に入ると、やつは僕にこう告げた。
「 」
そこから先はよく覚えていない。
【ヨゼフさん視点】
アルッピルース。意味は躑躅と言うらしい。なるほど。どうしてそう名づけたのか今ならよく分かる。こいつの瞳は淡い躑躅色をしている。帽子につけている花も躑躅だそうだ。それを初めて知った時、愛らしいなと思った。
俺の好きな色。いつも見ている瞳。その瞳が今は激しく揺れている。その瞳の中にいるのは、俺だけ。
何でこうなったんだっけ。そもそも最初から全てが間違っていたのかもしれない。
俺たちは出会うべきではなかった?そうとも言える。
でも今は、今だけはこの瞳の中に誰も映してほしくない。
俺を、俺だけを、どうかずっと見ていて。捉えていて。
握る手に無意識に力が込められる。手の甲に優しくキスを落とす。
周りは静寂としていて、まるで世界には2人しかいないと思わせられるようだった。とにかく、綺麗だった。驚くほどにその瞳に魅了されていた。
部屋に来いと、やつに伝えた。伝えなければならないと思ったからだ。あのことを。
意外にもあいつは二つ返事でOKした。
「ただし、ふざけた話だったらぶん殴るからな」
「あぁ...」
...このことを伝えたらどんな顔をするんだろうか。俺はどこか楽しみにしていた。...何故か。
悟られないようにと振る舞ったが、うまく笑えていたかどうかも分からない。
その日は仕事をさっさと済ませ、大旦那様に挨拶をし、自室へと少し足早に向かった。
...何してんだ、あいつは。
俺の部屋の前でぐるぐる歩き回ってる。おかしなやつだ。
「何やってんだよ、俺の部屋の前で。」
げ、という顔をそいつはあからさまにしやがった。...全く。大方、帰ろうとでもしたのだろう。呆れて物も言えない、この馬鹿には。
「不憫だよなぁ...」
「あ?」
「いやいや何でもない、こっちの話...つか部屋で待ってるんじゃなかったのか?何でここにいるんだ。」
「お前が来るの遅いからだよ」
「へーへー、そりゃどうも。わざわざお迎えに来てくれたわけだ。紳士様はさすが違いますねぇ」
「お前なぁ...」
こいつと話してるといつもこうなる。何でだ?全く...相手が馬鹿だと疲れるな。
「良いから部屋入れよ」
「へーいへーい」
「返事は一回」
ギィ..........バタンッ
【アル視点】
部屋に入ると、僕はベッドに腰掛ける。
「所で話ってなんだよ」
僕の真正面にあいつは深く座った。
「あぁ...。そのことなんだが。....せっかくなら酒でも飲みながら話そう。」
立ち上がり酒の用意をしようとするそいつに僕はすかさずツッコミを入れる。
「酔ったら駄目だろが!!!大事な話なんだろ?僕が酒に弱いって知ってるよな?」
「...あぁ、そうだったな。」
ピタッと動きを止めると、こちらをゆっくりと振り返ってきた。
「?」
「なぁ、ルース。俺、前にお前のことが好きだって伝えたよな。」
はぁ???なんだこいつはいきなり。プロポーズでもしようってか?こんなおじさんにか?でもこいつが突拍子もないことを言うなんていつものことだ。大丈夫、慣れてる。でもどうしてか空気が重い。息が詰まる。
「あぁ。それが?」
どうしたというのだろう。
「あれは、嘘じゃない。本当だ。」
近寄ってくる。
「ッ、...なぁっ、おまえ、今日、ちょっと様子がおかしいぞ、」
指を絡ませてくる。ひゅ、とか細い声が鳴る。
「その上で聞いてほしい。」
ドサッ ギシッ
気づけば僕はベッドに押し倒されていた。両手を押さえつけられた形でだ。突然の出来事に何も言えなかった。あいつの顔が近い。もう少し顔を近づければお互いの唇がくっついてしまうくらいに。
天井がやけに遠くにあるように思えて。吐息や鼓動さえもやけにはっきりと聞こえてきて。全ての音が大きい。聞きたくなくても聞こえてくる。
その音がうるさくてあいつの声がよく聞こえない。でも、一言だけは。
はっきりと。聞き取ることができた。
「お前、親友がいただろ、ほら、なんだっけか。」
「.....の、のーざ、ん、ら、いと、...?」
「そう、そいつだ。そいつ、殺されたんだろ、敵軍のやつに」
小さく頷くので精一杯だった。
「そいつな、俺、そいつのこと、知ってるんだよ、」
「ぇ、」
「お前の親友の、ノーザンを殺したのは」
嘘だ
「俺だ」
その瞬間、時が止まったんじゃないかと思った。空気が重くのしかかってきた。さっきも言ったけど、ここから先のことはよく覚えていない。
【ヨゼフさん視点】
怯える目で俺を見ていた。押さえてつけてはいるが、ジタバタと俺から逃れようと暴れていた。息を整えようと深く息を吸おうとして失敗し浅く早い呼吸を繰り返している。ひゅーひゅーと息は乱れていて、ほぼ過呼吸状態のようだった。目からは水が溢れ出していて、涎や鼻水、吐瀉物なんかでめちゃくちゃになっていた。呻き声なのか泣き声なのか叫び声なのかよくわからない声を出している。顔は髪で隠れてしまってよく見えない。こいつは重度のPTSD持ちだ。本人は自覚していないがその症状はしょっちゅうのように現れていた。特に悪夢。よく酷くうなされている所を目にした。目の前にいるこの男が今は小さく見える。192cmの大男が今は小さくうずくまっている。
とにかく今目の前にいる俺の愛する恋人は苦しんでいた。
目の前にいる男が好きで好きで仕方ないのにその正体は親友殺しのクソ野郎だったって訳だ。そりゃそうなる。俺でもそうなる。
さぁ、こいつはどうするだろうか。どこまで堕ちてくれているのかな。
「本当に悪いと思ってるよ、ルース。」
嘘だ
「でも本当にお前のことを愛しているんだ。」
違う
「わざとじゃないんだ。本当はずっと話そうと思っていた。」
本当に?
「...俺のそばにいてほしい。駄目か?」
答えを待つ。返事はもちろんない。
聞いてないだろうとは思いつつ、自分の気持ちを少しずつ吐露していった。
親友を殺したのが俺だったってことお前は知らなかっただろうけど、俺はずっと知ってたってこと。お前からは俺のこと見えてなかっただろうけど、俺からは見えてたってこと。その時にお前を見て惚れちまったってこと。
それからずっと頭の片隅にあってなんだか忘れられなくて。まあ、でも、もう2度と会うことはないだろうなーとか思ってたらふらっと寄った酒屋に居て。あぁ、これはやっぱり運命だってなって。確信はできなかったけど、近づいて、親しい関係になろうとして。あの時親友を殺したやつだとはもちろん教えずに。確信したのはお前の口から親友の話が出た時だったってこと。
全部、全部伝えた。己の醜い感情全て。その間こいつはずっと肩を震わせて黙っているだけだった。さあ、どうする。
指を絡ませて、恋人繋ぎをする。手がピクっと反応をする。俺はこういう類のものは本来好まない。でもこいつにはよく効く。
首元にキスをしてやり、甘い言葉を囁いてやる。肩が小さく跳ね、足で抵抗してくる。目を背けようとするので指でこちらに向かせて、キスをしてやり、途中から舌を入れてやる。こいつはこれが好きだから。酒は入ってないけどまあ大丈夫だろう。最初こそ反抗していたもののもう受け入れていた。あちらから指を絡ませてくるようにさえなった。やはり...
大丈夫。こいつはもう俺なしでは生きられない。俺がそうしたから。そう仕向けたから。こいつは今俺を拒んでもどうせそのうち戻ってくる。こいつはとんだ馬鹿だから。
でも、そこまで馬鹿じゃなかった場合。
その場合は...まあ、どうにかするよ。
「ルース...」
ノーザンは、お前の親友だったやつは、もう過去の存在だ。お前はそれに今でも縛られている。あいつはまるで呪いだ。お前ごと全てを飲み込んでしまう。だから俺は嫌いなんだ、すぐ俺からお前を奪おうとする。綺麗さっぱり忘れてしまおう。あんなやつ居なくたって大丈夫、今は俺がお前のそばにいる。
「.....いいっ、」
「え?」
片腕をぎゅーと握ってきた。どうしたのだろう。ずっと下げていた頭がようやく上がった。声が震えるのか、口を何回も閉じたり開けたりしている。汗が顎を伝いシーツの上へと落ちた。
「っ、....それでも、かッ、まわ、ない、...から、」
"側にいてほしい"
真っ直ぐ俺を見つめてそう言った。頬は濡れていて躑躅色の瞳が揺れていた。
その瞬間、背筋にゾクゾクと何かが走った。そいつの視線が刺さるかのように全身に駆け巡った。
やっぱり、こいつは、最高だ。
ここまで、こうまでも、堕ちてくれていた、自分に。
興奮がおさまらない。でも、相手にはバレないようにと必死に隠した。俺の腕に抱かれて泣き縋るこいつがただただ愛おしくて愛おしくて仕方なかったのだから。ぎゅーともう離さないとでも言うように抱きつかれて、無性に嬉しく感じた。これが庇護欲というものだろうか。自分より遥かに大きいそいつが今はこんなにも小さく愛おしく見える。守ってあげたいのに壊したい、そんな気持ちになる。
「ッ...、よぜ、」
小さくか細い声でまるで存在を確認するかのように自分の名前を呼んでくるのがこれまた愛おしくてたまらない。手探りで手を差し出してきているので、握ってやる。指で髪を掬い、優しくキスをする。すると、安心したからか静かに目を瞑り眠りについた。
あぁ、君は...
君はどこまで堕ちてくれるのだろう。
俺は一体これから何度君に惚れてしまうのだろう。...きっとこれから何度でも君に惚れてしまう。
毛布をかけてやり、頬に優しくキスをする。濡れた頬を優しく拭き取ってやる。そうして、耳元でこう囁いてやる。
「おやすみ。僕の可愛い子。」
どうか良い夢を。
こんな醜い自分を認めて選んでくれた君にどうか...幸あれ。
俺らは歪んでいる。でも、それで良い。
【アル視点】
震えと汗が止まらない。
「お前の親友のノーザンを殺したのは俺だ」
目の前にいるこの男が今は恐ろしくて恐ろしくて仕方ない。
ノーザンを、殺した、?うそだ、こいつが、ノーザン、を、...?
怖い。嫌だ。嫌だ、たすけて、いや、いやだ、
ショック、悲しみ、驚き、恐怖、怒り、困惑、苦しみ、憎しみ、不安と色んな感情が一気に押し寄せてきてパニック状態になった。
目の焦点が合わない。目の前が真っ白だ。
あの日の光景が何度も何度も思い出される。目の前で殺されていく仲間たち。口の中に血の味が広がる。
目の前で親友が殺された日。助けられなかった日。悔やまなかった日はない。何度も何度も何度も何度も。繰り返される。
こわい、いやだ、いやだおれも、ころされるかも、いやだ、にげないと、いや、いやだ、こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい
ジタバタと意味もなく暴れる。吐いたのだろうか。口の中に苦い不快な味が広がる。呼吸がうまく確保できない。ひゅーひゅーと喉が鳴る。
消えてしまいそうだ。消えてしまいたくなる。
やつに言われた言葉。されたこと。自分を見る顔。
全てが思い出される。全てが不快だ。気持ちが悪い。自分の中の本能が逃げろと訴えてくる。だから必死に逃げようとしてるのだけど、どうにもこうにもできなかった。その筈だ。力では僕はこの男には到底勝てないのだから。抵抗するのを諦めると、手が緩められた。
自分より何倍も力がある男に押し倒されるのはやはり気持ちの良いものではなく、今は恐怖でしかなかった。こいつは今なら簡単に僕の命を奪える訳だ。でも本人にその気はないらしい。殺気はまるで感じ取れなかった。怖くてそっちの方は見れない。まだ震えが止まらない。恐怖の対象物でしかなかった。
今までどんな思いで僕と一緒に居たんだろう。考えたくもない。よく、よくそのことを隠して、ぼくに、こんな、こんな酷いこと。目の前の男が許せない。憎い。大嫌い。そう大嫌いだ。絶対に許しちゃいけないんだ、そう、わかってる、のに、。
涙がとめどなく溢れてくる。
あぁ、まただ。また、裏切られた。だから人となんて関わるべきじゃないんだ。最初からわかってた。碌でもないやつだって。期待するだけ無駄なんだって。その分こっちが裏切られていつも辛い思いをする。わかってる。わかってたつもり、なんだ。
なんで僕が惚れるやつは、こうも、
ヨゼフがずっと何か喋っているけどよく聞こえない。呼吸音だけはやはりはっきりと聞こえてくる。そこに居るとわかる。それだけで良い、それだけで最初はよかった筈なのに。いつの間にこんなに欲張りになったのだろうか。
ノーザン。ノーザン。ノーザン...僕の初恋の人で最愛で憎い
俺の、親友
あー、ほんとにお前は。どれくらい僕の人生を狂わせる気なのだろう。お前は何にも知らないんだろうけど。それが1番腹が立つ。僕の中でのお前の役どころ。こんなにも重役になっていたなんて。あーあ、なんだか今なら笑えてさえくる。あいつは許してくれるかなぁ...。...そうだと良いなぁ...
「本当に悪いと思ってるよ、ルース。」
うん、知ってる。
「でも本当にお前のことを愛しているんだ。」
そんなこと僕にいうのお前くらいだよ。
「わざとじゃないんだ。本当はずっと話そうと思っていた。」
そうだろうなぁ。
「...俺のそばにいてほしい。駄目か?」
...駄目じゃない、駄目な訳ない。僕だってずっとそう思ってる。
言ってないだけで我慢してること、沢山ある。それを言ったら嫌われるかもって怖かったから。今まで言わなかった。重いって思われるかも、捨てられるかもって。だからこんなにも僕を、僕のことを見てくれて大切に思ってくれるお前のことが、僕は
どうしようもなく、憎くて愛おしい。
その事実を知っても尚お前のことが好きで好きで仕方がない。お前がいないともう生きてけない。それでも良いからどうか側にいてほしい。
すると、指を絡ませてきた。しまった、これはまんまとしてやられたかもしれない。指がピクッと反応をしてしまう。どうしても僕の本能が喜んでしまう。もっと、もっと愛してほしい。
首元にキスをしてきたかと思うと、甘い言葉を囁いてくる。あぁ、これは...。駄目だ。また、流されてしまう。
こいつは僕の扱い方をよくわかっている。腹が立つほどに、上手くて、どうしようもなく好きだ。
そんな思考ももう出来ないほどに脳が溶けていくのを感じる。肩が小さく跳ねる。足で抵抗しようとするものの虚しくかわされる。目を背けようとすると、指で方向を変えられ、キスをされる。途中から舌が入ってくる。下腹部が疼く。
あぁ、あぁ...駄目だ。また流される。
馬鹿な僕でもさすがにわかる。きっと今僕はものすごく間抜けな顔をしている。とろんとした瞳で彼のことを見ようとするけどよく見えない。白い天井が大きく広く見え、自分がいかに小さいかを思い知らされた。吐瀉物だらけの唇によくキスが出来るな...とそれどころではないのにどこか感心をしていた。歪んでる。歪んでいるのは僕の方だ。
心は拒んでいても体の方は本能的にこいつを求めるようになってしまっている。喜んでしまっている。もっと欲しいと訴えている。もしかしたらもう体だけではなくなっているかもしれないが。
「ルース...」
こいつが呼ぶ自分の名前がどうしようもなく好きだ。
理由はそれだけで十分だったのかもしれない。
「.....いいっ、」
なんて思われても良い。
「え?」
だから、
「っ、....それでも、かッ、まわ、ない、...から、」
"側にいてほしい"
自分の口から出た言葉が信じられなかった。その言葉の重さとノーザンへの申し訳なさとその他のいろんな感情が一気に降りかかってきて目の前が一瞬真っ白になった。立っていなくて良かったと本当に心底思った。
どうしても、こんなにも、こんなにも
好きなんだ。お前のことが。大好きなんだ。愛おしくて、愛おしくて、仕方ない。ずっと側にいてほしい。キョトンとした顔も、不器用に笑う顔も、頭を撫でてくれる時の顔も。全部全部好きで本当なんだ。だから、この気持ちに嘘なんてつけない。今更戻ることなんて出来ない。無理なんだ。全部、全部。もう手遅れなんだ、何もかも。でも、それでも別に構わない。こいつに出会ったこと。こいつを好きになったこと。ちっとも後悔なんてしていない。運命だとかそんなんじゃないけど、そうだったら良いなとは思う。ロマンチストかよって、笑われるかもだけど。それでも良いんだ、別に。
こいつに出会えたのだから。
両腕いっぱいにヨゼフの体温を感じ取って、それが何だか無性に嬉しくて、自然と笑みが溢れる。人ってこんなにもあったかいものなんだなぁ。生きてるんだなって実感できる。どこにも行かないでほしい。お前だけはそうならないって信じてる。もう2度とあんな思いはしたくないから。
孤独が1番嫌いだなんて。こんなおじさんが言えばみんか笑うだろうか。でも、こいつならきっと笑って受け入れてくれるって信じてる。
僕がこいつなしでは生きられないようにきっとこいつもそうなのだから。
「ッ...、よぜ、」
手探りで、あいつのことを求め、手を伸ばす。優しく頭を撫でられ、キスをされると安心したからかその後はどうやら眠りについてしまったようだ。
僕はこれからきっと何度でもこいつに惚れてしまう。そして、そのことに何度も気付かされてしまうのだ。嫌ってほどに愛情を浴びせてくるこいつに僕が返せるものって一体何なのだろう。
分からない。分からないけれど、明日もまた一緒に笑っていれたら良いなと思う。
天国にいる親友に僕はこの先ずっと懺悔し続けるだろう。でもきっと彼なら許してくれると思う。そう思いたい。自分に都合の良いことばっか言ってごめん。
でも、僕は
こんな僕を選んでくれた彼のことが僕は大好きだ。
僕らは歪んでいる。でも、それで良い。
※この後はちゃんと何事もなく2人で寝ました。トゥレを預かってた友人からは後日ちゃんと叱られた。