シンエヴァを観たカヲシン民の感想、ざっくり言うと片方が必ず死ぬ地獄のループを抜け出せた希望しかないエンドと思いました。拙い文章ですみません。
先に例の駅のシーンについて自分の思いを述べておきます。
まず、マリとシンジ、カヲルとレイはそれぞれ恋愛関係とは限らないのでは?と思いました。むしろ恋愛関係になる線は薄いんじゃないかなと思います。
マリとシンジのあの掛け合いはカップルのようでもありますが、私はどちらかというとお互い同じ戦場を経験し世界を見届けた付き合いならではの他愛ないワンシーン、二人の絆が垣間見える、ポカポカするシーンだと思いました。
「君も可愛いよ」と余裕を持って返せるようになったシンジくんの大人ぶりたるや。このセリフは別に、男女の関係性を匂わせているのではなく、それだけシンジくんが大人な対応ができるぐらいに成長したというワンシーンなんじゃないかなと思います。
他の方も仰っているように、シンジを新たな世界に導く役割は、新劇から入ってきたマリにしかできないものです。それに加えてマリはユイさんを愛していて、その意思を引き継いでいます。大人になった我が子を見届ける母親の役割をマリが引き継いでいるのは自然だと思います。それに、劇中度々マリはシンジを必ず迎えに行くと言っています。母親が迷子の子供を必ず探すように、マリのシンジに対する愛は、性愛ではなく親愛だと思います。愛した人の形見、ユイさんができなかったことをシンジくんにしてあげたいのではないでしょうか。
そしてカヲルくんとレイですが、この二人はそもそも駅のホームで一緒に並んで話しているだけなので、カップルと決めつけるのは早計かと思います。新たな二人の関係性を表すのに、それをカヲル=ゲンドウ、レイ=ユイさんを元にしたかったのなら、レイが赤ん坊抱いてる描写にしそうですし。明確に表現されているわけではないので、二人の関係性は全く不明なのです。ということは、見た人の解釈次第ですから、あまり重く受け止めなくてもいいのです。
本題に入ります。
カヲルくんが、自分が幸せになりたいためにシンジくんを幸せにしたかった的なことを言っていましたが、このセリフは別に「じゃあカヲルくんはシンジくんのこと本当は好きじゃないの?利用したってこと?」みたいな意味ではなくカヲルくんはシンジくんを愛したからこそ自分の幸せを願うようになったのでは?と思いました。カヲルくんは元々アダムに還ることだけが目的の生命体だったけど、シンジくんに出会ったことで自分の目的が変わった。アダムに還る→シンジくんに殺されたい(ここで死の間際自分のシンジくんへ対する支配欲求を自覚)→シンジくんを幸せにしたいと変わっていったわけです。
カヲルくんはだんだん人間らしくなっています。破のラストで嫉妬したり、Qで絶望したり。自分が愛を捧ぐ相手への感情に変化があってもおかしくありません。
最初は見返りを求めない無償の愛だったのが、自分の欲も勘定に入るようになった。だから、自分の幸せのためにシンジくんを幸せにしたい。カヲルくんの幸せはシンジくんと共に在ること、であるのはおよそ間違いないと思います。だけどいつまでも続くループの中、記憶を持つのは自分だけ、何度やってもダメな結果にカヲルくんは辟易していた事実は否めません。それでもシンジくんを幸せにしたくてまた世界を巡る、そして、何度目かの世界でついにカヲルは救われます。
シンジくんが今までの自分を思い出し、手を差し伸べてくれた。ループから救い出してくれた。だけどそこにいたシンジくんはもう自分は必要なくて、一人で立てる大人になっていた。「変わっちゃったね」というカヲルのセリフには、どうしようもない寂しさが感じられます。子供同士故の、共依存の関係性はもう築けない。だけど、大人になった彼らの関係性だってきっと素敵なものになります。
私は元々共依存な二人が好きでこの沼に飛び込みました。正直、シンジくんが大人になってカヲルくんに依存しなくてもよくなったことは結構くるものがあります。が、共依存の関係性ということは=カヲルくんの死です。もしかしたらシンジくんが死んだ世界もあったかもしれない。未来を切り開いて幸せになるには、大人になるしかなかった。二人が前を向いてまた出会える日は必ず来ます。というか、ラストすでに出会ってますしね。カヲルくんはシンジくんに気づいてなかったと思うけど、シンジくんは気づきました。縁ができましたね。
縁が必ず君を導くだろう。
意思は情報として世界を伝い、変えていく。
カヲルくんが持っていた意思、シンジくんを幸せにするという意思は新しい彼の中にもきっと芽生えるのでしょう。きっかけさえあれば。彼らは同じ世界に存在していて、エヴァも無くて、命を賭けなくてもいい平和な世界にいるから、私たちの手でめちゃくちゃ作り甲斐あるじゃないですか!?駅で会話をするのかな、街中でぶつかっちゃったりするかな、とか、すごく自然で、でも運命的な出会いをするんだろうな、カヲシンは。
…ところで、シンジくんが駅でカヲルくんとレイを見るシーンなんですけど。カヲルくんと一緒にいるレイの顔を見るのではなく、レイと一緒にいるカヲルくんの顔を見るのやばくないですか。ボーイミーツガールな作品だったら、普通逆ですよ。レイをピックアップしますよ。でもね、カヲル君なんですよ。レイは後ろ姿だけ。カヲル君の顔が映るんです、シンジ君の目に。やべえなほんと。チョーカーみてカヲルくんフラッシュバックして吐くし(めっちゃ興奮した)最終決戦前のときもイマジナリーカヲルくんで笑みを浮かべるし。「そうだねカヲルくん」じゃあないんだよ(歓喜)
やっぱり、シンジくんにはカヲルくんなんだね。ありがとう。マリやアスカやレイたちにとっても、カヲシンにとっても希望しかないシンエヴァでした。