こういうの本当はTwitterで明文化する必要もないしするだけ無粋だと思ってるんですけど、どこかのタイミングで書いておかないと何かがこじれて面倒なことになりそうなので、書いておきます。
【同人誌への感想について】
感想やお手紙をくださる方にはどれだけ感謝してもしきれません。何十時間、何百時間という作業時間(そして作業が終わったあとも続く不安)が一瞬で消し飛びます。本当にありがとうございます!
ところで、最近「感想をもらえないと凹む」「私は感想ももらえない最底辺」という発言をよく周りの作家さんが言っているのを聞いていて、私はなんだかそれに納得できないので、あらためて今ここに私がどういうスタンスなのかを書いておこうと思います。
私は「感想は無いのが普通、もらえたら奇跡」だと思っています。
そもそも同人なんて、自己満足なんですよ。私が描きたいものを好きなだけ描いて、どうしても見てほしかったり、萌えを共有して一緒にハシャギだかったりして、印刷費を出して頒布するっていう…完全に自己満足です。発行する時点で完結している、完全に自分のための行為だと思っています。なので、「手にとっていただいてありがとうございます」ですし、「ページを開いてくださってありがとうございます」です。
信じられます?自分が好きなように描いたものに、お金を出してくださる方がいるんですよ。
奇跡だと思います。クライアントが「○○描いてくれ。金を払うから」って言ってるのとは全然わけが違う。私が好きだと思ったものを私が好きなように描いて、それを求めてくれる人がいるって、それだけで嬉しくて嬉しくて、ヤバイんです。だから私はさらにそこで「感想をもらえないと凹む」とか言うのは全く理解できないです。手にとってくださっている時点で、すごいことだと思っているので。
(以下、余談)
もしも、もしもですけど、昨今の「感想を送らないといけない」「感想はマナー」みたいな空気に対して、息苦しさを感じている人がいたら、そのひとにこそ伝えたいことがあります。
本を読んで、胸に湧いてきた何かしらの熱があったなら、それを表現する方法は感想だけではないんです。
「この本のストーリーめちゃくちゃ良かった…最高だ…」って打ちひしがれたとき、もちろん作者にそれを伝えるのは一番ストレートで分かりやすいんですけど、それが面倒だったり怖かったりするときは、それ以外の方法でその気持ちをあらわすといいと私は思っています。
例えば、絵を描くとか(公開する必要もないです)、その本を読んで思ったことをちょっとだけ文字にしてみるとか(公開しなくて全然いいです)。鼻歌を歌ったり、ちょっと散歩してじっくり「自分はなぜこの作品に感動したんだろう」って思い出して考えてみたり、それだけでも十分だと思います。少なくとも、私が描いた絵で何かしら感じてくださった方に私が何かさらに要求することができるのだとしたら、そういう「次の」表現・思索活動に熱意を使ってほしい。
作家への感想は、そこでものづくりが完結します。作家が作る→読者が感想を伝える。おわり。閉じた世界。でも、作家が作る→感動した読者がまた何かを作る→…というリレーが生まれたら最高に面白いだろうなあ、と私はいつも思っているので、どんどん自分の中の熱を表現していってほしいなあ、と思っています。あわよくばそれを見せてくれ。
ホント、あんまり無理して気持ちを文章にして早く送らなきゃ早く送らなきゃって焦らなくていいですよマジで。
もちろん感想もらったときは(ときも)超超超〜嬉しいので、「感想はいらない、送るな」って言ってるわけじゃないんで、そのへんもね、こうね、好きにね、好きにしたらいいと思うんだわ
あとこれ見てる作家さんで「感想もらえないと凹む」派の人もね、感想を送るっていうのは相当な恐怖と勇気の戦いの作業だってことをね、少し想像してあげるとさらに優しくなれるし、もらったときに倍嬉しくなれるんじゃね〜〜かなと思うよ