華麗なる男たち 解説というか小ネタメモ
本文を読んでから見た方がいい
◎タイトル
映画「華麗なるギャツビー」のパロディです。狂騒の20年代で栄華を築いた富豪ディカプリオが、段々破滅していく話です。豪遊!金!女!破滅!みたいな感じで別にそんなに面白くはなかったけどちょうど同じ時代の話だし、昔見たことあったので。
◎時代
1929年に契機が満了するので、冒頭から経営権を返すまでのの場面は1924年の出来事。
Aconiteが1920年代、といつの事だかぼかされているので、Aconiteを1923年冬の出来事だということにしている(捏造)
ラストの2人は1933年くらいかなぁ?Aconiteからちょうど10年経っている。え?あの死ぬほどイチャついてる人たち、38歳…?ゾッとするね。オッサンすぎる。ニューディール政策が始まる直前か前後か…あらゆる人達が絶望している時代です。
◎ドン・ダオーリオ
映画「ゴッドファーザー」で使われていた呼び方。言わずもがなマティアス(=ダオーリオのボス)のことです。映画では「ドン・コルレオーネ」だった。劇中では、敬っているという意思を示すためにこう呼んでいたような気がするのでそのように使いました。あとちょっと違う話だけど「ダオーリオらしくしろ」という台詞を入れたかったが、入れられず。残念。
◎キャデラック
車。フォード社の自動車組み立ての分業化に成功し、自動車が庶民でも買えるようになって少し経った時代。T型フォードは全て同じデザイン、全て黒色で、そのうち客のニーズを満たさなくなる。ちょうど1924年に累計1000万台生産を達成したらしいが、売れ行きが低迷したのも同年だった。キャデラックやGMなどの高級車に売り上げを抜かれる。ここら辺の話題をちょうど月曜の授業の中で扱われてクソ興奮しながら聞いてました。
ツートンカラーのキャデラックも発売されていたらしい。かわいいね。マティアスもそれを買うのかも。ファミリー的には車っていっぱいあってもええから、な。別にマティアスは大衆車でもいい派な気もするけど、ダウルに運転させるなら洒落た車の方がいいと思って選んでそう。車買った時は右腕だったので、多分2人で選んでる。また車買った時のエピソードも書きたいね。あたしが読みたいからね。
装甲車の下りも、実際にアメリカのマフィアが特注で作らせたことから来ている。今は大統領も装甲付きキャデラックを使っているらしい。
「キャディ」はキャデラックの愛称です。
◎カナッペ
「ゴッドファーザー2」でカナッペにブチギレてるシチリア人マフィアのオッサンが居たので。小ネタ。
◎右腕
誰にも文句を言わせない形でダウルを右腕に戻してしまうマティアスが書きたかったんです。ダウルは別に望んでいないかもしれないけど、それが2人には必要な事だとマティアスは思っている。
◎スリーピース
アメリカ/イタリア/イギリスのスーツの形は全然違うっていうけど、マティアスはイタリアっぽいスーツを着てそうだなぁ(立ち絵は資料見てないから特に反映されてない)と思って、オーダーメイドの体のラインにそったスーツを着ているというイメージです。Aconiteのマティアスはジャケットというかコート?を肩にかけてるけど、1929年はきっちりスリーピースを揃えてきてそう。グレーのスーツとかも似合うよね、多分。別にイタリア系であることに対してプライドとかは無いけど、自分の体に似合うもん選んだらそういうことになりそう。
◎ウォール街
言わずもがな「暗黒の木曜日」で世界恐慌が始まった場所。1929年の春にマティアスとオールドマンは会っているが、その年の秋に恐慌が始まる。原因は投機ブームが盛り上がりすぎて、株式市場が狂ったことらしい。ウォール街はマンハッタンの南端にある金融街です。マンハッタンと言えば、そう、ニューヨーク。マティアスが好きな本屋街があるのもマンハッタン。だからダオーリオファミリーが世界恐慌の煽りを受けないわけが無いんだよな。でもどうにかしてそれを追い風にしてくれ、頼むよ。
◎買い戻し
実際に現実で「ホテル王」と呼ばれた人(コンラッド・ヒルトン)は世界恐慌で破産し、全てを失った。しかしその後かつて自分のものだったホテルを安価で買い戻し、それをきっかけに恐慌後また富豪に成り上がった…という話があるらしい。マティアスもその形で儲けることを狙っているのです。
◎「愛じゃない」
ちばふせを読んでいて、ダウルは愛(恋)に夢を見ているというか、すごく綺麗なものだと思っているのかなぁ…?と思ったので、恋愛的に好きかどうか分かってないくせに、ダウルに嫌われたくなくてキスをしたマティアスを拒んでいます。あとマティアスの寝ぼけた(ほぼ寝言の)「おやすみ…」に何も言えなくなって笑うダウルが一生クリティカルヒットしているので、ダウルはマティアスの…そういう温かいところが好きだ…ということにしています。俺の解釈はあっていますか??怖い。不安だ……。
「そっちの方が愛に見えた」みたいなフィガロ(まほやく)のモノローグが死ぬほど好きなので、何となくそれっぽい描写を挟んでいる。まほやくに文章の旨みと美しい描写を学んでいるオタク。ありがとう、まほやく。