姫田にり(@himetaniri)さんのDanCing With T worldの感想がすごく長くなったのでこちらにて。
結構長いので、煩わしければスルーして頂ければ幸いです。
一言だけならば、素敵な作品ありがとうございました。
随分前から、姫田にりさんの「DanCing With T world」の感想を書こうと思って書いていたのですが、いつの間にか10ヶ月もすぎていて、しかも書いていたら予想より長くなったというか、一曲ずつちゃんとコメントしたくなってふせったーの力を借りました!笑
1・滝が与える力
重音コーラスによる冒頭の歌い上げから壮大な世界観が繰り広げられる感じを与え、タイトル画の説明にもあるとおり日本語と造語の多重コーラスワークへと移りつつ色んな国への旅の紆余曲折を思わせます。
個人的に滝が落ちたときに上がる飛沫で霧が常時周囲に満ちている印象がありつつ、そのインスピレーションからか渓流沿いの谷間から見える稜線の上から覗いてくる夕日か朝日がふと私のイメージに浮かびました。
何となくですが、高い山嶺から望めるほど広い国々をそこから見渡せるように、そしてにりさんはチベットが好きだということも度々仰っていたのも伺ってましたし、中国だとかの有名な世界一のエベレストを含めヒマラヤ山脈も接しある風土などが、そういう掛け合わせも含めての多民族多国家を表現されているのかなとか、色んなイメージを膨らませて聞いていました。
2・DanCing With T world
インドを思わせる雰囲気から冒頭の笛の音をBansuri(正確なカタカナ表記が怪しいので英字表記失礼)の音色だと理解しましたが、リズミカルなエスニックボイスとシンセベースの刻みやストリングスのコードワークで映画音楽のような世界観のふかさ、実在しそうな映画のトレーラー映像を見ているような感覚に陥りました。
インド南岸のカリカット、今ではコーリコードですが、大航海時代彼の地を拠点として東へ西へと様々な人々の営みが垣間見えるように史跡や集落、風土を幻想的に表現しているような楽曲だなと感じました。
タイトルを個人的に読み解くと、在りし日の真なる世界と踊る作曲者と聞き手を巻き込んでその中に誘(いざな)うような題材を提示されていたのかなと聞き終わった後に思いました。
あと、にりさんとってもダンスが上手なのでその駆け引きとか、大文字になっているところに着目すると何かしらの意味があるのだろうなぁと作り込みがとても深いがために思わず読み込みがどんどん深くなってしまいました……。
3・Endless Forest
冒頭部分、5拍子であたかも三拍子か四拍子のように勘違いさせられました。
ミリタリースネアでブルガリアンだと悟ったのですが、ブルガリアは個人的に信仰深くかつ、勇猛な歩兵や攻城兵器を持った国で強国として栄えた時代もあったと時系列こそあやふやですが記憶しています。
中東付近のリズム隊との複合リズムを組む形での本楽曲の面白さは山岳にフォーカスされていると感じました。
一曲目あたりでもちらりと触れましたが、2曲目が海だと感じたせいか、その対比として山嶺への想いやその時代へと一瞬飛ぶようなノイジーな表現を織り交ぜた実験音楽的要素を含ませた深い森のような楽曲だと考え至りました。
合間の四拍子の部分に回想的部分を織り込むなどしたあと五拍子に戻るのは、もし最初から居る場所が移り変わっていない誰かの視点が旅人本人とは別としてあるなら、ファンタジー作品としてお見受けする以上、「水晶」などの魔具を使ってそれを見通しているようにも感じ取れました。
ある種旅に出た子を心配する親心の側面、もしくは逆を想い馳せているのかも……と。
4・伝説の精霊ハザスフィールドHazelsField
ただただ美しい多重コーラスに聴き惚れていたのですが、前の曲からの流れで深い深い森の最奥にきっと聖域のような場所があってレジェンドたる精霊に出会って対話をしている場面を浮かべました。
個人的に、楽曲の構成がファンタジーの王道を押さえていて終始震えていてぷるぷるしてました……。
レガーディッシュな重音の歌の交差する様からの民族楽器の歌い合いはすごく心に響くものがあり、思考が停止しました。
副旋律の堂々さがとっても好きです。
ふと我に返れば何も無かったような終わり音はどことなく寂しさを催すようでした。
5・祝福の言葉Hymm of the world
アイリッシュだけどキャッチーさを残しつつ、祈りをテーマとした融和の美しさを奏でるものだと何かしらの直感を受けました。
ふと思えば、日本語で、でもメロディにどこか中華の美しいうねりある大好きな独特の節を感じるような歌声にきっとその通りの願いを歌って居て下さるのかなと思いました。
転じて儚い、願い、祈りをただ叫ぶようにも聞こえた気がしました。
六・七曲目は一曲目と四曲目のインストゥルメントで締められいますが、それを聞きながら思ったことを綴ります。
きっと私と同じで色んな国の文化が大好きで、何よりその幸先として私たちが抱える問題に目が移るようですが、それでも姫田にりさんは日本を好きで居てくださっている証拠がこの日本語たるものなのかなと想い馳せていました。
私も中国の文化が好きですし、それは絵もしれぬことすら知れたその上でだったりもするわけで、ふと何となくそのインスピレーションをにりさんの感性に惹かれることがあったのはそれが理由として無意識的に感じていたからなのかもしれません。
何より私も日本を好きで居てくれる中国の人が好きですし、中国の風土や文化が好きです。
ふと、世論に惑わされることなきよう誓った日をちょっぴり思い出していました。
ありがとう。
あ、あと何か色々と勘違いだったらごめんなさい!!!
なぁんて書いてたら泣いてしまったのですが笑、本当に素敵なアルバムでした。
何よりもメロディが大好きです。素人ながら申し上げるのもどうかと思いますが、インストで聞いたときも改めて良いなって思える綺麗な響き、素敵でした。
拙い感想ながら、ささやかながらの日頃のお礼となれば幸いです。
素敵な音楽をありがとうございました。姫田にりさんの更なるご活躍を陰ながらお祈りしております。