進撃最終話139話お疲れさまでした!
テーマ①
マイノリティの属性をなくしたエンドについて
※言いたいことを言っているので読んだ人が不快になる可能性がありますが、一切他人に配慮しません
※これは現時点での考えに過ぎず、今後私の考えが180度変化する可能性も勿論あります
マイノリティの属性をなくして共生していくエンドってプロメアで散々批判されたと思うんだけど、プロメアと大きく違う部分を考えてみると、プロメアにおけるバーニッシュは自身のアイデンティティに誇りを持っていたのに対し、ユミルの民は巨人化能力には当初気づいておらず誇りを持っているわけではなかった……
が!!!!!
そんな主観的なことって大きく左右されることだろうか。個々人が女であることを誇りに思おうが思うまいが、アジア人であることを誇りに思おうが思うまいが、そんな個人の思いとは関係なくマイノリティ属性も尊重されるべきだ。そのままの在り方で。
やはり最大の問題は巨人化能力は人を殺す可能性があるということだろう。
これを「マイノリティ属性」と捉えるか、「武器」と捉えるかということを考えなければならない。
武力と言えども人体に組み込まれている以上は人格と不可分なのであるから、マイノリティ属性として尊重すべきだという主張と、いくら人格と不可分と言えども立派な殺戮兵器であるのだから、武装解除して平和を追求していくべきだという主張。
人体と不可分に結びついた武器は私には思いつかないのだが、人体に結びついていない殺戮兵器はいくらでも思いつく。たとえば核兵器。
核兵器がなくなったらいいな〜とは思うが、科学は逆進しないので、核兵器がある世界でどうやってそれを規制していくかという話になる。
巨人化能力は始祖の力で消すことができる。よかったですね! 私としてはそんな気持ちだ。消すことができるから消した、よかったね。それで? それでも争いはなくならないし、兵器開発競争はきっと起こるし、巨人の能力を上回る兵器だって作られる可能性もあるが、それで? ユミルの民を「かよわい民」にしてどうするというのか。
「目の前にいる人が巨人化するかもしれない。そんなひととは友好関係になれないので武器は放棄するべきだ」と思うかもしれない。
でも、世界は巨人を上回る武器をいつか開発するかもしれないのに? 地ならし前でさえ、巨人という兵器は世界に押され気味だった。
全兵器とその開発を禁止して平和を実現するならわかりますよ。でも巨人化能力だけを排除して、だからなんだっていうんだ。
巨人化能力は管理しきれないとか言いますか? でもエレンが生まれるまで、100年に渡り壁の中の人々は巨人になることなく生きてきたんですけどね。管理ったって脊髄液が安易に人の口に入らないようにするとかそういう方向性でしょう? 兵器として維持したうえで、どう管理するかの話をしたほうがリアリティはあったなと思う。
間違ってはいけないのは、(たかだか全員バラバラで持っても最大9人しかいないうえに、その攻略がされつつあった知性巨人は別として)巨人化能力を持つユミルの民全員が能動的に武器になるのではなく、脊髄液を飲めば無垢の巨人になって兵器に「させられる」可能性があるということだ。ユミルの民全員を管理する必要があるだろうか? ユミルの民だからというだけで恐れていないだろうか? 彼らは巨人になれる強者に見えるかもしれないが、無垢の巨人にさせられる弱者でもある。
まして人体と結びついているのだから、どうしても人格と不可分の属性であることは否定できない。
逆進しない科学が生んだ兵器が「なくなればいいな〜」と思うのが夢物語で、どう規制していくかを考えながら国の外交を考えざるを得ない現代を考えれば、巨人化能力をなくして「恐れないでください!」というのは、まあ、非現実的な話だ。巨人化能力は消せるので消しました。核兵器と違って武器を消滅させることができてよかったですね。それだけだ。でも兵器開発競争は終わらない。憎しみの連鎖も終わらない。じゃあ何のために丸腰になったのだろう。差別されないためですか?
差別されないために巨人化能力を放棄し、「恐れないでください、差別しないでください、だって僕たち私達は差別する対象の属性ではないんですから!」というのは言うまでもなくマイノリティの観点からすればしっかり駄目だ。
女として差別されないために男になろう!
アジア人として差別されないために白人になろう!
あなたたちと同じですよ、だから差別しないでください!
がっくりくる。ありのままでは差別されるというとき、被差別側が変わらないといけないのである。
巨人化能力をどう管理していくか、人格と結びついた威力の大きい武器のある世界のパワーバランスをどう調整していくか、マイノリティとどう共生していくか、それこそ今の時代に相応しかった。私は今のところそう思っている。
リアリティがあると思って追ってきたのに急に夢の世界に放り出された気持ちになる。きっと私にとっては138話が最終回だった。苦しい。もしかしたら今後私の考えは変わるかもしれない。それでも、少なくとも今の私にとって、マイノリティとの共生が示されなかったのは本当に残念だった。
※追記
マイノリティ論ではなく自己の尊厳としては捉えてはどうかというご意見→https://twitter.com/turkey_sngk/status/1380783979654049792?s=20
マイノリティ論というより、巨人化能力は兵器だから話し合いのため差別是正のために仕方ないことだったのではないかというご意見
→https://twitter.com/turkey_sngk/status/1381722972629598212?s=20
そういえば関係ありませんけど、回収されていない伏線は多分いっぱいありますよね?誰かまとめ作ってないかな。
・ミカサの頭痛
・ヨロイ・ブラウン
・ヒストリアの子ども作るのはどう発言(本当に単に継承遅らせた、以上? それ以上のことはないのか)
・ヒィズルとは何だったのか、ミカサの刺青を出した理由は(ミカサが将軍末裔だから助けたいと……それだけ? 結局天然資源のためだったのならあの設定は必要だったんだろうか……)
・キヨミが立体機動見たことあったっぽかったやつ
・マフラー何度でも巻くって言ったあたりのミカサが突然視線をどっかにやったやつ
・南方マーレの方言に似てるブラウス家の方言
・表紙がパラレルワールドっぽいところもミカサの(並行世界を渡っていく)能力の示唆かと思われたが、ミカサの頭痛が特に何もなかったので回収されなかった
・アッカーマンとは何だったのか(力が目覚めた感覚とか……)
まだ全然ありそう。わたしでさえこんなに出てくる。
ん〜〜〜わからん。
テーマ② エレンとは何だったのか→https://fusetter.com/tw/FqWd2iYp