映画ワンダフルライフ(After Life原作)のあらすじ自分用メモ。舞台の盛大なネタバレになると思うので、まっさらな状態で観劇予定の方はご注意ください。映画はアマプラにて440円で3日間レンタルできます!
「実は私、大正12年の生まれで……22の時に死んでしまったので、こんな年恰好のままですけど、今生きていれば75になってます」
「フィリピンの開戦で負傷して、最期は東京の病院で。昭和20年の5月28日でした」
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終始ドキュメンタリー調だからか、映画を観ている段階でもう"舞台の雰囲気"を思い描ける作品。
大切な思い出を一つ選ぶ空間はまるで廃校のよう。ガイドも死者もここで寝泊まりをして過ごす。
毎週月曜日に「今週は何人やって来ます」と言われて、一人のガイドにつき死者を数人担当する。面談を通じて水曜日までに思い出を選んでもらって、選んだ思い出をガイド達が再現して撮影する。大道具もがっつり用意して、まるで死者が主演の映画撮影さながらの気合の入れっぷり。撮影前はガイド同士で綿密に打ち合わせを行う。
週末に小さな試写室で上映会を開いて、死者は思い出を鮮明に刻んた瞬間その場から消えてしまう。そしてまた月曜日が始まって…を繰り返している。
恐らく上田くんの演じる2番というのが、映画ではARATA(井浦新)演じる望月なのでしょう(ちなみにこの井浦新のビジュアル、卍にそっくり)。
望月が担当している死者の一人である老人(映画での役名は「渡辺」)は、自分はどこを切り取ってもそこそこの人生だったと言ってちっとも思い出を選んでくれないので、望月は渡辺の人生を記録したビデオテープを発注する。このビデオテープは1本につき1年分記録されているので、届いたビデオテープは全部で71本。
望月は渡辺と同僚のガイドであるしおりと共にビデオを再生した。
渡辺が妻(京子)とちゃぶ台で食事をする様子を見て望月はあることに気付く。
翌日、京子とは恋愛結婚ではなかったと告白する渡辺に望月は「私達の世代はそういう方が多かった」と語る。私達?と訊き返した渡辺への望月の回答が、冒頭の台詞。
ガイドの正体は、思い出を選ばなかった、選べなかった死者だった。
望月は22の時に戦争で命を落とし、ずっとガイドとして働いていた。
最終的に渡辺は、京子と付き合っていた頃に映画の話を交わしたエピソードを踏まえ、亡くなる間際に京子と公園のベンチに並んで座り、時間はたっぷりあるのだからこれからは一緒に映画を観ようと語りかけた何気ない会話を選び、旅立っていく。
渡辺が旅立ち、ビデオテープを片付けていた望月は、渡辺が残した置き手紙に目を通す。
渡辺も気付いていた。京子が生前語っていた「戦争で亡くなった許婚」が、誰だったのかを。
望月としおりは倉庫から、京子を撮影したフィルムを取り出して試写室で上映する。
京子が選んだ思い出も、渡辺と同じ公園のベンチでの会話を切り取ったものだった。違っていたのは隣に座っている男が渡辺ではなく、それが1943年(昭和18年)の出来事であったこと。
望月は同僚のガイドに自分を撮影するように申し出て、渡辺を撮影した公園のセットのベンチに腰掛ける。カメラと同僚をじっと見つめる望月。出来上がった映像を同僚と一緒に試写室で鑑賞して暗転。明かりが再び灯ると、望月はもうそこにはいなかった。
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「2番」っていうのは職員になった順番で、この映画へのリスペクトとして、After Lifeでは英名に直された世界観のうち、渡辺に当たる役名をモチヅキと置いているのかな~という予測をしています。
京子について最後まで黙っていた望月を優しいと手紙で書き残した渡辺に対し、自分は優しかったわけじゃないとしおりに吐露する望月、他人の選ぶ幸せの中に自分という存在がいたことを知った時の望月を、上田くんが2番としてどう表現するかが楽しみです。
望月と渡辺の関係を主軸に置きつつ、望月に恋心を寄せるしおり(1番の野波さんと4番の大崎さん、どっちが演じるのだろう?クレジットの順番的には野波さんっぽいけど、映画のしおりの年齢に近いのは大崎さんなんだよな)の存在だったり、イキり散らかす伊勢谷友介を始め渡辺以外の死者がどんな思い出を選び、撮影していくのかといった点がどこまで描かれるかも気になる!!
個人的にはガイドの皆で演奏の練習をする時にリコーダーを吹く上田くんと、竹藪で手に米粒びっしりつけながらおにぎり握る上田くんと、椅子に腰掛けて子どもの頃の楽しかった時間を楽しそうに語るおばあちゃんと目線を合わせるように、机に手をつきながらしゃがみこんで穏やかに頷く上田くんがめっちゃ見たいです。