感想というかむしろ解釈がたりない気がする部分を書き出しつつ、Glorious daysの歌詞のおかげで少しだけ整理が進んだ気がしていている私の覚書
1回目「火神は行きたくて行ったんだ!よかった!」
2回目「火神人間になった!」
3回目「火神人外だった?」←ここから雲行きがあやしい
4回目「火神に自我あんのかな」
5回目「火神そもそも生き物?」←同行者の叩き落としが秀逸すぎた
6回目「火神っていたのかな」
と重ねるほど火神をこじらせた人間が、頭の整理を兼ねて、思うことを書き出しています。
(なんで一回目でやめなかったんだろうって思うけどやめるわけがなかったな)
■欲しいものを逆に与える側になる火神大我
この現象めちゃくちゃ過敏になってしまうんだけど
けれど同時に闇が深いと思う。
なぜなら、それが欲しいというのは
それが足りない、欠乏している状態なのに
そこで与える側になってしまうと
更に貰えてない感覚が倍加すると思うから。
誰か何とかしてくれよ
と思いながら
誰かを何とかしていく火神大我がいる。
痛々しい。みていてつらい。
でもきれいだなあと思う。
そして火神自身はその構図を
つらいと思っていないのがとても火神大我だと思う。
そういうところとても鈍感。
損得感情に振り回される姿はついぞ見せてくれなかった。
あーすきだ。
■「されて辛かったこと」をする側になる火神大我
アメリカと比べて日本のバスケはレベル低すぎてつまんねえって顔をしていると決め付けられて
困惑して、傷ついていたはずの彼が
先輩や黒子に
「どーせ日本のバスケなんてどこも一緒だろ」と言う重さ。
「レベル低すぎてガクゼンとした」「お遊び」と言う重さ。
自分うけた被害を、加害してまわるのは
傷ついたあの日の自分に唾を吐く行為であり
自ら傷を抉る作業であり
過去が追加されたことで、余計にえぐさが増したなと思った。
(えぐさ自体はとても好きだけど、つらい。つらいけど、好き)
一巻を思わず読み返した。
リコちゃんの「けどあの表情は…?」
あの表情にあたる火神の顔。というか目。
映画を見てはじめて意味が私の中で確定した。
「誰かなんとかしてくれよ」の誰かを探す視線がそこにあった。
NBAの夢を映画用の後付だなんて一瞬でも思ったことを後悔した。ごめんなさい。
3.18に初めて見たと思い込んでいた火神は
ちゃんと最初から、存在していた。泣いた。
■言い返されたかった火神大我
自分がされてつらかったこを
する側に回る
なんでそんなことを?と考えてみると
割りとあっさり答えが出た。
火神は言い返されたかったんじゃないかな。
なんだよそれ…と心で呟いただけで、その後はいつも一人。
誰にも吐き出せず、誤解されたまま。
そんなあの時の、黙ってしまった自分ごと否定してほしかったんじゃないだろうか。
そして見事、言い返してくれる相手に出会えた。
■バスケ選手としては小さな手
ただ小さな手ではなくて
バスケやるには、と敢えてつけた所に泣いた。
妄言は承知でいうと
火神は黒子についてきてほしかったんじゃないだろうか。
一緒にNBAでプレイしたかったんじゃないんだろうか。
でも身体的ハンデをカバーして戦えるのはここまで
あの握手は、それを火神と黒子が同時に確認したシーンのように見えた。
人はいいたい言葉がいえない時に
(我慢しなきゃならないとか、そもそも言葉にできないとか)
かわりに涙が出るんじゃないかと思うんだけど
お前とだったら、お前がいれば、お前がきてくれたら、お前が一緒なら
どの言葉につなげても多分火神が本当に言いたいこととは違ってしまって
あぁくそ!ってなったのかなぁとか
■あの手で、パスを
黒子は最後まで、
一瞬涙が引っ込むようなとんでもないカウンターパンチをくれる相手で
あの引っ込み方は
ミスディレクションした黒子のパスを
初めて受け取る人々の「きょとん」にとても似ていた。
気付いたら手にしていた。
当たり前のように受け取ってしまっていた。
でも同時に予想外。
あーもーいいなぁ黒子ほんといい。
ぶつかりまくってください。それでも火神くんなら。
今さっき、「お前ならって…」
火神がうまくいえなかったことをもう黒子は
すくいあげてくれる。
■そもそも黒子の夢は
かつての仲間と笑ってバスケだったと思う。
だから、黒子は夢が叶ったんだよね。
WCでは誠凛と戦うと「勝っても負けてもきっともっとバスケが好きになる」とまで言わしめたし。
一方で火神くんはNBA選手になること。
まだまだ「道の途中」なんだなぁと思った。
いつか火神くんがNBA選手になれたら
おそらくNBA選手として戦い続けることを目標にするように
夢は叶うと次はその「維持」が目的になるところがある。
みんなで笑ってバスケをするを維持したい黒子と
まだ夢の叶っていない火神
一緒にいられないのは仕方ないんだろうと思った。
■いってくる、の対になる言葉は
いってらっしゃいであって、さようならではないと思う。
この言葉の食い違いは
ここにとどまる動かない僕と
ここから進んでいく君がいるからで
「自分はそちらには行かない」と火神にきちんという、
誤魔化さない黒子が本当にかっこよくて。
いくらでも引けた後ろ髪を引かなかったことに感動した。
些細な約束や寂しさをにじませることが
今のぐらついている相手にどれだけ影響してしまうか瞬時に理解して
苦しい苦しい顔をして、言葉を飲み込んで、ああいったように見えた。
影というのは、光を光足らせる
証明のようなものだと勝手に思っていて
それは引き受けますと言い切る黒子。
火神は堂々と、心に宝物を抱えて進んでいける。
才能が全部じゃない。
仲間に信じてもらうことがどれだけ嬉しくて心強いことか。
仲間を信じることがどれだけ大事なことか。
そういうことを知った火神大我は強い。
■もし日本に寄り道をしなかったら、
もっとスムーズにNBAに近いところに行けてたかもしれない。
でも成功したかっていわれるとわからないなーと思ってしまう。
日本にきて、さらに黒子に出会ってなくても
わからないなーと思ってしまう。
楽しくなくても勝てればいい、にあんなにあっさり陥ってたくらいだし
正反対の人にしか教えてあげられないことってあると思う。
これから火神の「信頼できるチームメイト」はどんどん入れ替わっていくと思う。
けれど、そのチームメイトを信頼できる理由は、多分入れ替わらない。
黒子が、そこを守ってくれると約束してくれたから。
そして、黒子のバスケにおいて
何かの区切りのたびにかわされる拳ゴツンが敢えてされなかったのは
それはもう区切りをつけられないことだからなんだろうと思った。
■むしろ誠凛を置いて行きたかったのでは?
これはもう本当に私のひねくれでもあるんですけど
「自分に縋る先輩たちをみたくなかった」と火神は思っていたんじゃないかと。
みんなのことを考えたとはいったが
「まだここにいたい」「自分がいなくなったら誠凛は弱くなる」
というニュアンスはどうしても聞き取れなくて
第一「朝まで考えた…」っていったけど
海外生活するかどうかを一晩で決められるのは結構ヤバイと思う。
高校ありきの転居ならまたお父さんとはバラバラだと思うし。火神大我強すぎる。
相当「行きたい」が最初にあったのでは…。
そして主題歌を聞いてその気持ちが一層強まってしまったところがあって
これくらいの深読みをしました。
・分かってんだろ?出来んだろ?知っちゃってんだろ?/勝利の景色を
・俺は絶対言わないぜ/自分がいなければあんたらが優勝できないなんて
2年インハイの結果もEGからLGでよりぼかされていたから
よくわからないofわからないんだけど
なんというか、一度優勝してしまうと
次の目標は少なくとも未達成ではなくなってしまって
「あれをもう一度」になってしまう。
一度味わった喜びをもう一度なぞりたくなるというか。
■火神大我は現状維持には燃えられない男
と思っていて
「勝てないくらいがちょうどいい」という己の信条を
最後の最後に愛した仲間に置いていったなと。
誠凛は勝つのがとっても難しくなるだろう、でも、それがちょうどいいだろう?と。
火神のなかでは、決して、自分がされてつらいことはしていない。
自分が向けられて嬉しいものを向けた。
残酷かもしれないけれど、愛はあるなと思うんです。
侮辱の反対。
リスペクトがなければ、あの決断はしなかったと思う。
■第二の扉
第二の扉は、仲間を極限まで信じ切らなければ開かない
なんで、そんな、最高に仲間大事で情MAXと認定されたにも等しい火神くんが
誰よりも率先して一人で出ていくのか
ほんとにわからなかったんだけど
友達と話していて
「最高というのは、もう、それ以上がないって意味でしょう」といわれて
はっとした。
最高の絆は、彼にとって行き止まりの知らせでもあったのかと。
キセキの世代に対して
火神はその存在そのものが奇跡だと思っているところがあるんだけど
奇跡は誰かのものになってはいけないし
当たり前になってもその意味を失うし、
ぼんやり歴史をみてても、大抵持ち主を堕落させてしまうし
だからもう、真のゾーン入った時点で
もう渡米って決まったようなもんだったのかなぁとぼんやり思った
逆に青峰はこれからなんだろうなあとも。
■でも一人の火神みるのつらい
きっと中学三年のときずっとそうだったのかなと思うんだけど
一人になるとすぐ両耳塞ぐあれはなんなんだ。
■余談(くさいよ)トリックスターな火神大我
お話を盛り上げるための存在、道化のようなイメージが前はあったんだけれども
実はおちゃらけていることは必須条件でなく
「言動の一貫性のなさ」と「物語を進める動力」こそが重視されていて
たとえばギリシア神話のプロメテウス等がまさにそれで
偶然にもそれが人間に火の力を与えた神さまという。
かがみを感じずにはいられなかった。
■なんていうか序破急だった。
そして原作はその全てが破だったように思う。
がむしゃらに、一回きりのつもりで、後なんてない
来年以降のの桐皇戦を捨てたようなものと緑間にいわれたあの黒子の
その時はまた考えますスピリッツ
藤巻先生の美しい哲学だなと思う。
なんかハンバーガーみたいって思った。
主役は具なんだよな。
そんで具は変わらなかった。
藤巻先生の中で、原作30巻は手入れが必要なかったんだと思うととても嬉しい。
なにもやり残さなかったんだと思うと、嬉しい。
でもってその具を挟むバンズに当たるものが
「アメリカからきました!」
「アメリカにいってくる」
あ~~あ。美しい。
htmlなんかをさわっているときなんかにちょくちょく感じる、
始めと終わりは対でなければならないあの感覚が満たされるようで。
■君の番なんだ
主題歌のワンフレーズ。
黒子のバスケを証明するためにいた火神だけど
これから火神は自分のバスケをしてくんだろうなと思う。
火神のバスケは、黒子のバスケという舞台の上ではやっぱりやれないから。
君の番。オレの番。
藤巻先生ーみせておくれよーーもっとーーー
ここに書かなかった「存在をデザインされた火神大我~君は舞台装置?~」とか青火視点の妄言とかもいっぱいあるんですけど、とりあえずこの辺をもっと噛み砕きたい。全然足りない。わからない。
そして私は明日も火神大我が出ていった国で目が覚めるわけです。しんどい。
エンタミクスを注文中なんですが、少しはわからない→わかった、になるのかなあ。
とりあえず5週目のために生きます。
火神大我が好き。黒バスが好き。本当に何度でも見たくなる映画。
家にあるいろんな火神をみては、この子あんな風に泣くのか、って思ってくらくらしてきます。