JtR 先のにも書いたけどダニエルくんの善意と使命感だけで他人の命を救い自分の財を分け与える聖人じみた高潔さとその延長により多くの命を救うための研究に使う新鮮な死体を(言っちゃえば)殺人代行に金を払って手に入れる倫理観が
どっちも本当として存在してる(分け隔てなく命を救う医者なのに、無辜の命を使うことに何の抵抗もなく殺人者への支払いで対価となるとしている)のが1幕ダニエルくんのサイコパぽいんとだと思っているんですが、
2幕のダニエルが女を殺しながら笑っている(ことを後になって自覚して戦慄する)ところまで行きながら殺人が手段でしかない、目的が失われればあっけなく手放されるのがダニエルの人間性で狂気だよ
分離した魂の善が悪に飲み込まれるジキル&ハイドではなく、あくまでダニエルが主人でジャックは道具にしかなりえなかった、殺人へ背中を押す道具、グロリアのそばにいるために必要な免罪符。
ダニエルの内にいるジャックが殺人のためのナイフ、新鮮な臓器を手に入れる手段以上のものではなかったから目的だったグロリアの命が喪われるとジャック(という殺人の手段)が彼から離れていくんだと思っているんですが、どうなんでしょうね
快楽殺人のようで殺人行為そのものにはなんの執着もなかったの、殺人そのものに悦びを覚える(ダニエルの想像した)“ジャック”とダニエルの明確な違いだと思うしダニエルのやべえところだよ……
あるいは殺人に伴う悦びまでもジャック(「お前の免罪符」)に仮託してて、罪を犯す意味がなくなったときに快楽の意識ごと剥がして棄てたのか いやそれは別の意味でこわいのでいやなんですが(キャラとして好みではないが最高に救いがなくて好きではある)(己の打算と他害性を堅固に拒む無辜の善人、くそ腹立つけどサイコーじゃない?)
ダニエルくんのこういうとこ嫌いじゃないけど人格ぶれっぶれというか初めから終わりまで狂人だと思っているし、1幕より2幕のほうが人間してるよなとも思っている(2幕でばけものになってしまうのはそれはそう。)
特別なひとつのために他の全てを食い物にする、非常に人間らしい情動だよ。