世界が、運命が、あの人を、エメトセルクを殺せと言ってくる。
漆黒のヴィランズの強くてニューゲームをやった感想です。
世界の敵に恋したねこの道のりの話。
結論から言うと全漆黒クリア済プレイヤーは今すぐ強くてニューゲームやってきてください。
あのゲームのプレイ時間の長さは移動の長さです。空が飛べるとめちゃくちゃ早い。
爆速で進むので三分の一の時間で終わるので…!
気づきたくなかった。
というわけで本題です。
ラケティカ大森林のタイミングで加入してくるおじさん(エメトセルクのことです)を
ねこ(光の戦士のことです)の傘に入れにいきたくて軽い気持ちで強くてニューゲームプレイを始めました。
キャラがうちには二人いるのですでに二回通しで体験していたお話なのですが
追加パッチもあったりいろいろ考え終わったり自分がエメトセルクのことが大好きだと認めてからやるのは初めてです。
すべてが終わった後に大好きだったんだと気が付いたねこだった。
それはあまりにも悲しかったので今回初めから好きな気持ちを認めて抱えたままで歩いてゆきました。
そんな気持ちを抱えての漆黒のヴィランズは、新鮮でとても楽しかった。
エメトセルクがやってきたことはわかっている。
ねこだってあの人たちのせいで失ったものが多すぎる。
でもただ突然近寄ってきて、自分を個として見ろと言ってくる人が嫌いになれなかった。
ねこですよにゃんこですよおじさん。
なりそこないと見下してくるくせに不意に足元にきてなでやがれっていってくる感じ。
なでると逃げる。
場合によってはかみついてくる。
なんなの。
かわいいかよ。
嫌いになれんなーから、好きだな、に変わるのはそう遅くなく。
面白おじさんが擦り切れそうな人だと気づくのにもまた時間はかからなかった。
どうしょうもなく孤独なんだと、わりと初めからわかってしまうくらいに不器用さがにじみ出てた。
ラケティカ大森林ではそばにまでいてくれて(ほんの少しだけど!)
多分ここのタイミングでねこはおじさんに惚れた。入り口で。
ヤシュトラを助けてくれた憎めないおじさんは大好きなおじさんになっていた。
光を遮る傘をさして、これなら大丈夫なんじゃない?って
背中を丸めて小さい傘に入って憮然とした表情のおじさんに笑ったりして。
木の上で寝てるおじさんを見つけて横で寝てびっくりさせたりとか。
いやまあ全部妄想なんですけども。強めの幻覚なんですけども。
きっと「好き」をねこは行動で表現してたんだろうなー。
おじさんも多分気づいたであろう。ねこはわかりやすい人間なので。
薄い本が厚くなる時間軸ですね。
本だしたいな。
黒いねこがおじさんを好きだったということを残したい。
ねこが覚えていればそれでいいんだけれど。
…話を戻しつつ。
でも過去からは逃げられない。
この人はアシエンなんだ。忘れてはいけない。いけなかったのに。
そんなんだからアシエンと手を取り合えるかもしれない可能性を夢見てしまった。
ミンフィリア(リーンの方)とサンクレッドの関係も後押ししてくれてるんですよねおじさん。
アシエンにまでちゃんと話してやれと言われたのはサンクレッドにはかなり効いたと思います。
おせっかいさんか。優しいさんかよ。
多分リーンのこと少しだけかわいいと思ってたんじゃないかな。
一生懸命でかわいい子だもの。誰だって手を貸したくなるいい子だもの。
おじさんに対して仲間になってくれるの?って真正面から聞くくらいに。
後にアーモロートで、エメトセルクにあいたいって子供が申請すれば
非常時でない限りはあってくれるみたいなこと受け付けの人が言ってたしね。
子供好きだったんだろう。
なりそこないと子供を作るくらいだ。
そしてその子供をかわいいと思ってしまった人だったじゃないですか(漆黒秘話)
そんなおじさんが好き。
だけど夢見る時間は終わって。
水晶公はおじさんに撃たれて。
ヴァウスリーを、あんな醜悪で哀れな化け物を
つくったのは
おじさんだってわかって。
この世界をこんな風にしたのは、
おじさんだって思い出させられて。
手を取り合える未来なんて初めからなかったんだって思い知らされて。
光に浸食された体と同じくらいに心も壊れそうになってるのに
アルバートは旅の果ての未来をねこに託そうとしてくれるし
フェオちゃんは優しく逃げ道すら用意してくれるし
水晶公がどんな気持ちでねこを呼んだのかのわかってしまうし
次元と時間跳躍の理論が完成してから200年
水晶公がその世界の人の気持ちを持って第一世界に飛んできてから100年
その300年は、人々の気持ちは、水晶公の気持ちは、途方もなく重く、
命を届けてもらったねこは英雄でいるしかない。
そんなものどうでもいいおじさんが好きだと言えたらどんなによかったか。
言えてしまうくらいにどうでもいい人たちではなくて。
見捨てられるくらいにどうでもいい世界だったらここまで歩いてこれてない。
必死にねこの命をつなごうと駆け回ってきてくれた仲間に、
英雄にあこがれるかわいいアリゼーに、
おじさんが好きだなんて
言えるわけもなく。
この子に軽蔑されるようなことは何よりも恐ろしい。
大丈夫だよねこはアリゼーの憧れる英雄でいるよ。これからも。
(でもウリエンジェとかヤシュトラは気づいていそう)
(知っていたから、ただ一緒に行かせてほしいとしか言わなかったんじゃないかとかそういう)
何もかもがこの世界を救えと言うように物語は進んでいく。
世界のすべてと運命がねこの味方してくれることをうれしく思うのと同時に
おじさんの味方は誰もいないんだとそれ以上に悲しく思う。
おじさんの一番の敵はねこなんですから。
いっそ化け物になれていたらよかったのに。
ただの化け物になっておじさんのそばにいくんだ。
哀れだなと笑ってもきっと、今までで一番優しく接してくれるでしょう。
アーモロート。
おじさんの作った街は本当にきれいで
確かにそこにいる人々は善良だった。
どうしょうもなく歪みを感じる部分もあったけれど。
大昇降機の前でおじさんが言っていたことを思い出す。
ねこに見せたかった街。ねこに見せたかった終末。
思い出してくれと叫んでるようなおじさんだった。
いっそ叫んでくれればよかったのにさ。いやもう叫んでたよな。
縋ってくれればよかったんだ。
罪を飲み込んで何もかも許して、共犯者になってそばにいてくれって。
後々のパッチで流星群を見ると古代人の記憶の一部がよみがえって力に目覚めるみたいな話が出てきて。
あの時のアーモロートと終末世界は本当にねこに思い出してほしかったから見せたんじゃないか!って。
何もかもがすぎ去った後に想像は確信になる酷さ。ひとのこころがないんですかシナリオの人。
ヒュトロダエウスはほんの少しの救い。
全てを背負ったおじさんの味方で、おじさんの背負ったものを引き受けることになるねこの味方だった。
きっと、おじさんと同じくらいもうねことおじさんが手を取り合えることはないのだとわかってて。
よい結末をと祈ってくれたんだろうなと思う。
ねこにしか見えないもう一人のねこ、アルバートを見つけてくれたのは本当にうれしかった。
あの人は、この時間の止まった街でただ一人正気。
創造主のいなくなった街で、きっとねこよりも長く生きて彷徨うことになるんだろう。
おじさん一人に全部背負わせてしまったことへの償いだと思っているのかもしれない。
またあいたいな。
あっておじさんのことを話したい。教えてほしい。
何もかもを思い出したらもう一度あえる気がするけれど。
一番きつかったのは
「愛する人と離れてはだめ、離れてはだめよ」
と言ってくる古代人の人。
それをねこに言うのか。おじさんが言わせてるのか。
(おじさんが作った街なのでそう言う可能性もある)
そうだね離れてはだめだね。
だからねこはあいに来たんです。おじさんに。
好きだって、伝えに来たんです。
あと、終末世界IDでやけに二人セットで死んでる人がいたな…その理由はこれかぁなんてやっと気づいたり。
終末世界をこえておじさんに会いに来ました。
もう戻れないとこまで来てる。わかっているんだけど心は揺れきったままで。
心が壊れそうなところについに体にも限界がきて光をはいて倒れる。
負けないで。
ミンフィリアの声がする。
それは背負った世界の声でもあり。
無理でしょ無理だよおじさんが好きおじさんが好きこんな人を殺せというのかよ。
一人ぼっちでさみしいってあたり前の感情を口にすることすらできなくなった人を殺すのか。
無理。もう一歩も進めないし戻れない。だって体が動かない。
そこにもう一人のねこが、アルバートが問う。
立ち上がる力があれば動けるかと。
きっと、あそこでおじさんが好きだから殺せないと叫んでもアルバートは許してくれたと思う。
でもその斧を受け取ったら、前に進むしかない。
その斧にはアルバートが取り戻せたかもしれない命と未来ものっている(5.2参照)
アルバートが歩いてきた道が間違いじゃなかったって証明したい。
まだ命を届けてくれてありがとうって水晶公に言えてない。
優しいミンフィリアと、名前を継いだ少女達の人生を無駄にしたくない。
ねこに憧れてくれてる子に無様を晒すことなんて、いやもう十分に晒しとるけど、できんやろがい。
それに
ここまでの旅は本当に、本当に楽しかったから。
だからこれからも旅を続けたい。
おじさんを好きなただのねこでいることよりも、英雄でいることを選んだ。
(選べなかったらこの時点でクライアントソフトを落として限界ですと言うつもりだった)
最後の裁定には何とか通過できて。
なりそこないなので、おじさんが背負ったものを背負いきれてはいけないと思うけど。
ただ覚えていることだったらねこにもできそうなので。
おじさんはそれだけ言ったんだと思う。
ねこが馬鹿なのを知っていたんだな。
きっと、太古の昔からねこはそうだったんだろう。
好きだって最後に言葉で伝えることはついぞできなかった。
言わなくても届いたとしても、くちにしなくては意味がなかった言葉。
それはねこがハーデスよりも世界を選んだ罰なんだろう。
後悔はする。
この先細かなことで彼のことを思い出してそのたびに苦しくなる。
取れなかった手をとれたかもしれない道を永久に考え続ける。
神を殺した呪いのようなもの。
それでも、これからも冒険はどこまでだって続いていく。
いつかきっと、この気持ちも薄れていって、
ほかの人を好きになって過去にできる日も来るかもしれない。
でも最後にたどり着くのはハーデスのいる所。
全ての命の辿り着く場所で浮気者だとののしられるのもありだと思うんですよ。
死ぬまでたった一人の人が忘れられないなんてそっちのほうが嫌。
今はただ、ねこに命を届けてくれた人が幸せるなるように頑張ります。
さようならハーデス。
本当の名前をくれたということは愛の告白として受け取ってもいいですか。
そういうことにしよう。
そういうことになった。
おじさんはねこに惚れてる。
よし。
もてもてだわ。ほんと今回もてもてだったわ。
みんなぼろぼろの姿でクリスタリウムに帰ってきて、
酒盛りをするところを少し高いところから一人で見下ろす。
おねえちゃんはどうやってそんなに強くなったの?って
名前も知らない少年が目を輝かせながら話しかけてくる。
「アシエンに、この世界をこんな風にした人に…恋をしたからじゃないかな」
なんて言えるわけもなく。
笑ってただ唇に人差し指を添える。
そして原初世界。
タタルさんのところに帰ってきた。
強くてニューゲーム終了の表示が出て、もしもの物語が終わる。
結末は変わらなくとも、恋心を抱えた旅は前とは全く違うものでした。
夢のような日々だった。
くそでかい
つづく
はなかなかにいい感じに気持ちを落ち着けてくれますよね。
それはともかくとして
ねこはいつもお友達と二人でメインを進めることにしているのですが
そばにぐれちゃん(お友達の女の子です。かわいいアウラ)がいないだけでこうもぐにゃんぐにゃんメンタルになるものかとびっくりした。
初回プレイの3倍くらいぼろぼろに泣いていた。
また二人旅に戻ります。
二人旅ならもう少しだけ強いねこでいられる。
それはなんかこう、うまく言えないけど、とても幸せなことだなと思います。
そのあともう一人の白いほうのねこでフラミンさんの所に行って一緒に猫目石を棺に納めてきました。
おやすみなさい、ミンフィリア。
ねこを最初に英雄と呼んでくれた人。
もっと普通に一緒にお菓子食べながら話したりとかしたかったな。
ねこは、白いほうのねこは特にミンフィリアが好きでしたよ。