#TakeMeOut2018 を5回くらい観て、やっとラストの「悲劇だった」を含めて納得のいくダレンとメイの解釈を自分の中に作れた気がする。
ばーっと書いたのでとても読みにくいし穴だらけだし私がこの物語を飲み込むためだけの文章。
多分、最初はダレンもメイもお互いを利用しようとしてた。最初の電話の段階では、ダレンはメイを「自分に惹かれている都合のいい男」に、メイはダレンと関係があることを自分のステータスにしようとしてて、それをお互いに分かっているという節があった。
ダレンは自信家だったけれど、諸々の騒動で確かに揺らぎ、苛立ち、摩耗していく。それでも、「俺はダレン・レミングなんだ」という仮面の下にそれを隠して、ひたすら活躍を重ね、弱音を吐くこともなく、他人との間に分厚い壁を作る。
一方でメイはどんどん野球に惹かれていって、ダレンのことを心から心配するようになり、涙を流すほど大切な存在にしていく。
メイは、ダレンのために泣いてくれた唯一の人だったのだろう。だから、ダレンはメイが泣いたあの瞬間に心を開いたのだと思う。
W列の奥側から伺えたメイの背中をさするダレンの表情はとても優しくて、それまであった目元の険がとれていた。
「俺は明日、引退しない。………明後日かな」と冗談を言って大声で笑ったとき、私は(やっとダレンが笑った)と感じて嬉しくなった。そこまで演技で感じ取らせる章平さん、すごい…。
それで、ラストシーン。
ダレンからわざと離れて一人になったのはどうしてか、「本当に…悲劇だった」というセリフと苦悶の表情が何なのか迷ってたんだけど、あれも、最後までダレンが泣かないから、メイが代わりに泣くというシーンだったのだと思う。
ダレンからメイに告白(と言えるほど気持ちを伝えてもない気はするが、必死に縋り付いている印象を受けた)をして、メイが直前に「貴方が何者であるかを示している」と言ってくれた指輪を半分渡す。さらに、野球ボールも。
自分自身の半分を渡すようなことをしておきながら、メイが「悲劇だった」と敢えて突きつけてもやっぱり彼は弱みを見せない。
だから、メイは1人でがらんどうのグラウンドと客席を眺めて、冷たい風に身震いをして、そこに立つダレンを想って、また泣いた。
先にパーティーに行ったはずのダレンが戻ってきたことは、それまでの彼の振る舞いと比べるといかにも弱気で、「ダレン・レミングらしくない」。それを見て、やっとメイは自信を持って、彼のパートナーになろうと思えたのでは。
だから、ダレンの「写真に撮られて週刊誌とかに載ろう(≒お前の望んでいたステータスをやるから、一時でも一緒に居てくれないか)」に対して、「春が来るまで何をしよう?(≒もっと長く貴方と共にいるつもりですよ)」になるんじゃないかな、と…。
どうしても幸せがそこにあると思いたい観客の独り言でした。