劇団チョコレートケーキ『無畏』の配信を観た感想です→
・南京大虐殺という単語は知ってるけど、詳しいことはあまり知らない状態で観た。どうしてそうなってしまったのかという検証は必要だよなと感じた。見て見ぬふりはできるけど、なかったことにはできないから。西尾さん演じる上室弁護士の検証はなるほどな~と思った。でも私自身に知識がないので、参考文献とか色々読んでから結論を出したいなと思う。自分で考えたい。
・南京侵攻に至るまでの道のりを検証するシーンがあるんだけど、もう、ものすごかった。上室弁護士と林竜三さん演じる松井石根の鬼気迫る芝居が、もう本当に命削ってるなという感じがしてヤバかった。アフタートークで演出の日澤さんも仰ってたけど、言いたくないこと(心の底にある言葉)を絞り出してる感じ。生で観たい……!
・中将の二人最悪すぎる。浅井さん演じる飯沼少将、最後殺されるのかなと思った(そんなわけがない)。でもやりかねない雰囲気。特に今里さん演じる中島中将の圧がすごい。飯沼少将と中島中将二人の場面は観ててうわあ~~~~となった。原口さん演じる柳川中将とはまた違った怖さがある。
・「私は南京のことを追い続けますよ」「どうして」「理解したいからです」という上室弁護士のセリフが印象に残った。感想とズレるかもしれないんだけど、演劇を観ると色々知りたいことが増える。他の劇団の作品を観てもそう感じる。自分なりに調べたり本を読んだりするのは、描かれていることの背景を理解して納得したいからかもしれない。あと単純に知らないことを知るのは楽しい。
・それにしても男も女もアジアも欧米も子供も老人も全員同じただの人間なのに何でこんなことになるのかな……。本当に分からないなと思った。分からないけど考え続けなきゃ思考停止になるような気がする。検証と反省と改善を続けないと同じ過ちを繰り返すだけなのかなと思った。
その他
・田村が本を捨てるシーン、あれ窓から投げてるってイメージなのかな。危ないからやめた方がいいよ。
・今里さん帰還不能点では近衛文麿を演じてたのに、今回は最悪な中将を演じてたので温度差!!!となった。でもどっちの役も似合う。
・舞台構造がめちゃくちゃよかった!上室弁護士の演技と陸軍の演技が交わったり交わらなかったりするのが面白い。
・大量の書物が積み上がってる舞台美術もよかった。あれだけの記録(あるいはそれ以上の記録)が後世に残された。だから検証できる。上室弁護士は全部読んだんだろうなと思った。私も読みたい。