性別「モナリザ」の君へ。4巻まで読んでみた!ネタバレ含むけどそこまでじゃないからきになっているひとはぜひふせったリンク押してみて!!!
めちゃんこ面白かった!!!結構前に名前を聞いてめっちゃ読みたかったんですけど何故か後回しにしてしまっていて、最近漫画を紙でゲットすることができたので一気読みしました!
まず、簡単に感想を言うと、普通とは何?普通って本当に普通?それって誰の価値観?がメインの作品です。すごく考えさせられるシーンとか台詞があって、たまにページめくれず考え込んでた自分がいたほど話が丁寧に書かれていました。作品はジェンダー系のお話で、性別がない状態で生まれ、12歳くらいの時にそれぞれ性分化が起きるという世界線を描いたストーリなんですが、私も常にジェンダー、セクシャリティをどう捉えるかっていう価値観を常にアップデートしていきたいと思っているんですけど、絶妙なラインを保ちずつ主人公の事が好きな男女にジェンダーやセクシャリティの価値観が表されていて、そしてジェンダーの捉え方に悩まされていて、しかも周りのキャラクターの価値観がみんな独特で、でもそれには正解も間違いもなくて本当に勉強になる作品だと思います!
ヘテロセクシャルもホモセクシャルも間違えではないし、人を男だから、女だから好きっていうのは間違いではない。キャラクターたちがあるシーンで、人を人として好きって思えることがかっこいいって言ってるんですが、たしかにこの考えは今の社会で重要視されはじめてる大切なことでもあって、私はヘテロセクシャルですが、人を人として愛す事にとても憧れています。でもセクシャリティは生まれ持った個性のようなものでもあって(悪い意味ではないです、生まれ持った目の色や髪の色と同じものだと思っていて、選択もできないと思っています。たまにバイやホモは病気だ!!!って言っている人がいますが私は絶対にそれを否定しています。ヘテロ、バイ、ホモやパンは皆普通に人間だと思っています(センシティブな内容なので解釈もはさんでおいた))、自分の彼氏が女になっても愛せるかと思ったら多分無理だなと思いました。自分では気づいてないけど男だから好きっていうのもあるわけで、でもそれは決して間違っているものとも思っておりません。だけど私は人を人として愛し、ジェンダーの壁を越えられる人々をすごく尊敬しております。作品でもこういった考えを元に話が進んでいくところもあって、だからって人を性別も踏まえて好きって思うのも間違っていないってはっきりと描かれていて、あー価値観だもんな、そうだもんなって思いました。
こういう作品って少しでも間違えた考え方を押し付けようとすると失敗してしまったりバッシングを受けてしまったりと結構難しくて、最初は主人公ひなせの事が好きな男の子、幼馴染のしおりが「女にしてやる」や、しおりと同じタイミングでひなせに告白した女の子の幼馴染、りつも「男の子にする」と言っていて、最初は「これあかんな…」と思ってしまっていたんですが、最初はりつ、その後にしおりが段々ひなせとジェンダーについて考え始めて、迷っていって、色んなキャラクターから色んな恋愛論や考えを得るうちに自分がどうならなきゃいけないか、ひなせをどうしたいかではなく、自分がどうしたいかと考え始めて初めて一歩進めるようになっていくところが丁寧に描かれていました。男としてしか好きになれないんじゃないか、もしひなせが女の子だったら同じように好きでいられないと思っていたりつにしおりが「りつが男みたいなことをするのが嫌なだけで、ひなせが女になるのが嫌じゃないんじゃないか」といったり「自分は男としてひなせが好きだ(これは相手の性別をメインとはしていないという意味)」と言っていることや、りつが元々幼少期の時に男の子になると期待されることが嫌で、とある回でりつとひなせがショッピングに行った際、ひなせに男物の服を選ばせたりして、りつがふと同じことをひなせに自分もしてるんだと自覚し悩みまくるところがポイントだと思いました。無性別なひなせだからこそ、性別をとらえずに愛せているのかをメインに動くしおりとりつがこの作品の重要さを描いていると思っています。今まで男と女の恋模様が王道だったのに、いい意味でそれをぶち壊すような作品で、こんな恋愛もあるんだぞ!と言い聞かせているような作品で、本当に難しいのによく考えておらっしゃる…と思ってます…
主人公のひなせは性的欲求というものが一切ない、恋愛に対する理解もあまりないいわゆる思春期前の子供みたいな状態の無性別なキャラで、しおりやりつに手を繋がれて気持ち悪いと感じたり感じなかったりと、ちょっと自分が体験したことないことを体験していて感情移入があまりできなくて、もうちょっと時間をかけてひなせをわかっていきたいと思ってます…ごめんなひなせ…二人が変わっていくのが嫌、ずっと小さいころのままがいい、でも成長するにわたって変わらざるを得ないという事に気づかされたり、自分に感じる違和感や、ホルモンの異変に不安を感じたりと色々と苦労をしてるんですが今のところそうといった成長はなくて、彼の感情面での成長ももちろんなんですが、どういう自分になりたいのか、その選択が私はすごく気になります。
こういうちょっと複雑かつ大切な部分以外にも、しおりが何故ひなせに「お前を女にする」といったり、ひなせが何故無性別のままなのかなど、秘密でシリアスな展開もこの作品にはあって、いろんな面で続きが期待できる作品だと思います。
5巻は電子で買って続きはガンガンオンラインで追いたいと思います!少しでも気になった方は是非読んでみてください!!!