未だにムカムカするので勢いでネガなこと呟くぞ。拷問日記は単体だと好きだけどエグリマティアスの続編として見るとあまり好きではない。なぜならハオスの得体の知れなさ、裏の読めない狂人っぷりを拷問日記が殺してしまう構図になってるからだ。
まず、エグリマティアス(以下無印)はプレイヤーの分身たる無口主人公が、まったく共感できない異物となってお話を終える。
まあ仮に共感できるにしろ少なくとも初めっからハオスの内面を理解できるような構図にはなっていない。主人公をプレイヤーが操作しているのにプレイヤーの手を離れていき、無口主人公が個性バリバリのハオスと言う狂人になってお話が終わる。この構図はとにかく衝撃度が高い、ここでもう花丸満点めっちゃ好き。
もっと言えば「ざくざく魔物殺しまくってるRPG主人公って実はやばい奴じゃね?」というレトロRPGあるあるにも繋がっていて、とにかくRPGという媒体と主人公のキャラ付けがめちゃくちゃ上手に噛み合っている作品だと思う。
味方だか敵だかよくわからない、素直に信頼しがたいキャラだった商人さんが、ああいう形で向かってきて戦う羽目になるあの構図も本当大好き。とにかくどんでん返し、「うわあそうくるか!」と頭を抱えたくなる展開が魅力的だった。それにハオスの動機についてプレイヤーにも想像の余地があって、そこがさらに恐怖を膨らませてくれる良い構成だったと思う。
一方で、拷問日記の構成はせっかく無印で出していたハオスの得体の知れなさを殺してしまう。
無印だとハオスが自分で話すのはエピローグだけ。ほとんど中身の見えない狂人だったハオスが、拷問日記をプレイしてみるとただの拷問好きというなんだか底の見えている展開で終わる。せっかくあれだけ底なしの闇が生み出されていたのに!拍子抜け感が漂う。至高の不気味な良作がB級ホラーになってしまった悲しみを感じる。
いっそキョウネツ視点で話を進めて、最後の最後にハオス操作になってキョウネツをぶっ倒す(というか統合する?)展開であれば、ドンデン返しもあるし前作プレイヤーもおいしい展開だったんじゃないかと思う。ハオスの闇の底は以前として暗いまま、拷問狂いとしての側面も大いにアピールできるし。
まあそうしなかったのは作者様のこだわりがあるんだろう言ってしまえば拷問日記は私に合わなかったというだけで終わるんだけど。
でもRPG単体として見ると好きなんですよねーーーーーあの戦闘バランスとか!状態異常がきちんと活用できるRPGバトル好きです!!! シナリオは陰鬱グログロなのにマップは幻想的でそのギャップもめちゃくちゃ良いと思うし敵キャラの名前やグラフィックに悪意がバリバリ出てて心削れていくプレイ感が楽しいしドロップアイテムが拷問内容にちなんでるところ細やかでシナリオとシステムの噛み合ってる感じが素敵だしお店が無いぶんアイテムの調達がしやすかったりボス戦のタイミングがわかりやすくてセーブタイミングに悩まずに済んだりするところも親切で本当素敵そういうところ凄い好き!
だから、うん、”続編として見ると”あまり好きではないなあと思うのでした。