暗黒騎士50ジョブクエストをやった人間の怪文書です
50のクエスト2つ目もやったけど、本物のフレイ君はちゃんと実在した暗黒騎士の方らしいので、両者に敬意を込めてこれまで一緒にいたフレイ君のことは「フレイ君」と呼ぼうと思います。
「フレイ君」の聞かせる声が主人公のものなのかなっていうのはなんとなく察してたんだけど、エーテルがあれやこれやしてそんなことになってたのびっくりした。明らかに遺体に何か宿ってたもんね。でも元のフレイ君の生の渇望と主人公の負の感情が引き合ったのは「生きたい」という強い願いが共通してたってことなんだよね。「フレイ君」はこのまま主人公が英雄になって誰かのために死んでしまうかもしれないって思ったんだよね。痛みも苦しみにも向き合わずにただ誰かのために走りながら……。
負の感情の立場から見ると、英雄に頼ってくる人たちのこと弱くて人にすがってばかりのくだらない奴らって思えるのかもしれない。プレイヤー的には、新生後半で神の力封印されたあたりが一番「英雄やめたい」って思ってたから、あのとき「フレイ君」にエオルゼアを出て旅に出ようって言われたら心が動いたかもしれない。でももうそれはできないんだ……だって「希望の灯火」を託されてしまったから、暁のみんなが命懸ける覚悟で主人公を逃したの知ってるから、ノラクシアちゃんとかムーンブリダさんとか主人公が特別な存在であったが故に死なせてしまった人たちを見てきたから……。「フレイ君」は英雄になってしまった主人公のことを「どうして君ばかり守る役目を」って思ってたかもしれないけど、今までたくさん守られてきたんだよ。
だからSayで「フレイ、ありがとう」って言ったよ……旅には出られないけど、旅に出ようって言ってくれて嬉しかったから。「フレイ君」も主人公のこと守ろうとしてくれたんだって分かったから。
ホワイトブリム前哨地の人たちが戦う主人公を助けてくれたけど、あそこにいる人たち本当みんな大変そうで、厳しい戦いに立ち向かう人とか苦しむ怪我人を看てる人とか疲れてる兵士さんにご飯作ってる人とかいろんな人がいたなって思い出した。クルザスのサブクエめちゃくちゃやったもんな……理不尽で凄惨な現実とみんな戦ってたよ。
英雄も人なんだって45クエで「フレイ君」は怒ってくれたけど、みんな忘れがちなだけでそんなことはどこかで分かってるんじゃないかと思う。でもそれぞれの戦いで必死なときに、状況を覆す力を持つ存在が現れたら仰いでしまうのが人間というものだから……。そしていつしか自分とは違う神なる存在が助けてくれる変えてくれると祈るのかもしれない。
いつか黙約の塔でミドガルズオルムさんは「責務がある」って言ったけど、「フレイ君」のおかげでようやく少し分かったような気がした。主人公にすがってくるだけの人もいるだろうけど、みんなが同じように戦えるわけではない。あの強い英雄のように立たなければって自分のやるべきことと向き合う人たちもたくさんいる。きっとそれが主人公の「責務」の一つなんだと思う。
「フレイ君」と向き合ってリビングデッドを覚えたのめちゃくちゃ最高だった。覚悟だ。誰かを守りたいという強い思いがあるからこそ、自分の身を投げ出すようなことはしない、どんなことがあっても必ず死なずに生き残るからって、そういう覚悟なんだよね? 誰かの意向に左右されず盾を持たずに誰かを守りたいという自分の思いだけで戦う暗黒騎士のストーリーの中で、「誰かを守りたいなら自分と向き合って生きろ」って話をされるの、胸が熱くなる。守りたい人のために自分を犠牲にするのならそれは本当に守ることにはならない。守りたいのなら決して死んではいけない……。
もし何かを守るためにうっかり死んでしまって、英雄を悼む人々に「立派な最期だった」って言われたら「フレイ君」はきっと怒るよね。生き残って守られた者が勝手なことを言うなって。あの人はあんなに痛くて苦しかったのにって。だからそんなこと言わせないようにするから。生きてって君が言ってくれたこと忘れないから、絶対に一緒に生き延びよう。約束だよ。