こみがの主人公、本当にmiki先生になりかけてないか……?
先々月の感想でかおす先生と並んで主人公っぽいとか書いてたボクが言うのも変な話ではありますが、それにしたってオチ要因にすらなってない今回のかおす先生……w
まあ、本題に入りましょう。
今回ちょっとどきりとしたのが、miki先生がV先生の助言を経て腹を括った点。
個人的には予々「自己投影してまんがを描く共通点を考えるとまんがにおいてmiki先生はむしろV先生と直系の師弟なのでは?」と見ていましたが、
この2人の間でまんがに関する話し合いがもたれたのはまさに理想的だったと言うか、ボク個人の読みとしてもドンピシャだったと言うか。
この点においては流石のV先生、鋭い観察眼ですね。「主人公の目がまだぼんやりしてる」と語るP34-6での目がまさにシャープな目つきしてるなとも感じたり。
話し合いの立役者になったくりすは「ファンタジーだし売れっ子だし」としており、それ以上の狙いがあったかを窺いにくいですが、天才肌なだけにきっちりとその辺の共通点まで見ていたんじゃないかと憶測もできたり。
で、肝心のmiki先生。
「主人公の気持ちわかってあげてる?」「自分のことみたいに真剣によりそえた時 きっと美姫にしかかけないキャラとして輝き出すよ」とはV先生の談ですが、
少なくとも「miki先生の描く主人公=miki先生自身」と言える以上、気持ちが全く分からないということはないのではないかと思うところ。
となると問題はmiki先生が自己投影をしてることに自覚的かどうか。(4巻序盤を改めて攫ってみましたが、そういえばどちらかだと断定できる描写ってなかったっけか……?後でもう一度きっちり読み直さないとですね……)
無自覚であれば、まずは自覚するところから。V先生自身1年次の三者面談で明確に通った道ですし、V先生からの助言がその観点でも活きるハズ。
一方既に自覚的だったら自覚的だったで、miki先生自身の迷いはダイレクトに主人公の迷いへ表出している、となるでしょう。主人公の気持ちを分かるということは、miki先生が自分自身と向き合うことに他なりません。
自身を「学校の勉強もまんがもどっちにも専念できていない」と見、反対に姉である姫子先生を「どっちも100%がんばってる」と見たワケで、ある意味背水の陣でまんがに挑むのは姉を一つの理想形と捉える妹らしい。
個人的には姫子先生結構大変そうだよな、実際日常生活への弊害や以前あったmiki先生との不和もあるしな、と読んできましたが、やはりmiki先生の中で姫子先生の存在は大きいようですし、そこは念頭に置いておくべきですね。
ただ……これは作中視点ではなく一読者としての視点ですが、正直美姫関係の問題は周りの過保護も大いに影響していると感じざるを得ません。
琉姫さんも美姫を妹の枠に嵌め込み続けしようとしたがため、二者間の不和が必要以上にこじれてしまった側面がありました。
今回にしても、担当さんが「大人の事情」を早めに伝えておけば多少は早く事態が好転したハズです。美姫の性格や精神状態を一番に踏まえた上での配慮ならまだ理解はできますが、年齢のほうはプロであるならば関係なく、そういう視点を真っ先に共有するのが重要だったのではないか、と。
下手な善意が裏目に出ていたと考えれば、リアルっちゃリアルかも。
閑話休題。
ここまでシリアスになっても、吹っ切れれば途端に登場人物が明後日の方向を向いた言動に走る辺りはやっぱりいつものこみがって感じですね。
初見時はオチでくりすが見せた行動のおかげで、今回の内容が九分九厘頭から吹っ飛んだまま読み終わりました。めちゃくちゃだよ。