わたご小説5巻感想!!
最後のダークファンタジーとラブコメが、すごく好きでした(すごく好きでした)
読みながらここぞ! ってところにハイライトをつけていたので箇条書き&大変乱文です
勝手な解釈が苦手な方はご注意ください!!
書籍5巻、配信後1時間読めないアクシデント(私だけ)もありつつでしたが……。何だか全体的に加筆修正されてるな〜! という感じで、「書籍版」って感じでした(ガバ感想)
主従はくっついてた これは間違いない(間違いない)
まずはweb読者の知ってる展開が続くのですが、ヒューの「安心いたしました」の部分で打ちのめされました 「屈託のない笑み」、web版で真相発覚した時は安心して死ねるな、という確信が持てたからだと感じたのですが、こうして読み返すと昔の兄上と殿下たちの、仲良くはないけど決して殺伐とした気持ちのない関係を眩しく思い出していたのかなとか……幻覚ですが、主君は変わってしまったけど殿下(たち)が変わってなくて嬉しかったとか……そういう気持ちがあったりしたんじゃないかと思ってしまいました。ヒューロバーツ、私は悲しいです。(え?)
カルラムの花飾りパートで「めっちゃ怖かった」オンガルヌの使者の顔、めちゃくちゃ見てえ〜〜〜!
兄上着せ替え回の殿下の「おのれクリフォード……!」だいすき
兄上が馬車で殿下と話してるときの「シルは、『格好良い』と言っていた」に《かっこいい》とルビが振られていたのがツボでした シル様の純粋に憧れな少年心を感じます
兄上目線のところですが、「妹の姿を認め、安堵したのは一瞬だった」とあり、兄上の眠れるシスコン魂を感じた気がして良かったです
…このころまでは、「あーあ主従はやくくっつかないかな(頭の後ろで手を組むポーズ)」していました。このころまでは
ここからの展開、こわいとかわいいとかなしいが並列して疾走してるんですが、もう振り落とされるどころか引き摺られました イメージの私はずたぼろです(どういうこと?)
あと兄上目線でのデレクのセリフ!!
「お前、オクタヴィア様が絡むと思考がねじれるだろ」
なにこのパワーワード!怖すぎですけど〜?! スルーしてる兄上がもはや今となっては悲しい……スルーできてしまうってそんな
「正しき処罰をお与えください」
二つめの挿絵でしたね。ヒューロバーツ、きみこんな顔と髪だったんだな……読者にはじめて見せるのがここのシーンって、つらくないですか? 否応なく焼きつけられるんじゃないかな初読勢……大丈夫かな…人の心配している場合じゃないんですけどね
黒髪の彼のイラストをこうして見ると、ほんとに彼は殿下の婚約者にしてはいけないなあと思わされます。現兄上がかつて護衛の騎士に充てようとしたそうですが、あてがわれてたらまじでゲームオーバーじゃないですか? ヒューが原作通り、あるいは現兄上のみに忠誠を誓っていた場合は殿下の選択肢は全消えだし、どちらにも忠誠を誓い反逆を起こした場合は殿下の立場も悪くなる……
寒々しい部屋に一人でいたくない殿下と、「何故殿下は」が気になる騎士殿の静かなティータイム。挿絵二枚目見た直後なので、結果として殿下が傷ついてるし後味も悪すぎて泣いていたんですが、この、「悲しいことから前を向く力があなたがいるから湧いてくる」感じ、主従の味がしました。それにしても世界が厳しすぎるけど。いやほんとに。
「毒なんか入れたりしないから」のアンジャッシュもわたご!って感じですごく楽しく読みましたが、騎士殿にとって一連の殿下の言葉がどれだけ得難いものなのか、殿下は知らないのだなと思い、しかしそれがいいんだろうなと……光属性……
あと、『従』時代の騎士殿に与えられた飲み物について嫌な想像がふくらみました。だってこれわたごだから……オンガルヌの使者、食べ物さえも安全じゃなかったとか……割と想像できるのがやだ……想像でしかないからあれだけども……
核心に触れるまで、穏やかな会話が続く(「何故、殿下は」もわりと文脈の中の一つでしたね)ティータイムパートですが、特に好きだったやりとりがありました。
クリフォードらしい答えだなあってつい笑ってしまった。
「でもね、クリフォード。わたくしは、割り切れないのよ」
(P404)
ここ……! めっちゃ好きで……!!
人としての対話……!! 相手への理解……!! 救われる気持ち……!! でも自分は違うこと……!! そして溢れ出る親しみ…!!!!
もはや特別な関係の会話だと思いました。主従にも恋人にも夫婦にも通底する信頼と理解と親しみとがばっちりあるように感じました。主従、なんにでもなれます。(なに?)
そして問題の例のシーンに繋がる、核心の話ですが。
「心が傷ついたときは」
「人に抱きついて、抱きしめてもらっていたわ。他には、よしよしと頭を撫でてもらったり。だから、」
100回写経したい。しようかな。
まずはこんなにこころに肉薄する話をなんの違和感もなくできるようになった主従に乾杯…!
そして心の傷つきなど感じては生きられなかったゆえ知ることもなかった騎士殿に落涙…! 文字通りアレク「しかいなかった」殿下にしんどみ…!
そしてほぼ瞬間移動で殿下を抱きしめに行った騎士殿に拍手喝采!!しました。
もう他の誰も何人たりとも、この2人の間に入れないんじゃないか。てか騎士殿が入れないか。主従くっついたな(個人の感想です)。おめでとうございます!!
ここからの会話も全部好きです。
「その少年も、存在しません」
どこにも。
とか。
ドキドキするし、でもすごく安心するし!
とか。
「武器、か?」
とか!!
どこにも。をどんな優しい低音ボイスで殿下に言ったんだろう〜〜あああ殿下がラブコメしてる!! かわいい!! とキャッキャしていたら最後、武器ですよ。
武器……!!!!!!!
わたごをご購読の皆様は騎士殿にとっての武器がどれだけ重い存在で騎士殿の武器の物持ちがどれだけかを承知していらっしゃるに違いないので、ほんとに……!!
う、うわ〜〜〜〜!!! これで無自覚ってあるか?!!?!ないだろ!!!!???! そして敬語が消えている衝撃もすさまじい。5巻にしてようやく、騎士殿が殿下に言葉として素を見せたようで嬉しかったです。
レヴ鳥の飾り紐をもらってマジで嬉しそう(マジで嬉しそう)にしていた騎士殿も、とてもよかった……。
よしよしのお返しをする殿下とそれを黙って受けている騎士殿もとてもかわいい。よしよしという語彙を騎士殿に言う殿下も、とってもかわいい……そっか、騎士殿の素が「武器、か?」とすると殿下の麻紀ちゃん部分が「よしよし」なのだな……泣いていいか??
最後の皆勤賞『オンガルヌの使者』が見る世界7、完全にボーナスタイムだと思って読んでました。
本人としては真面目に考え込んでいますがその実「殿下がいかに大事か」ということを読者にこんこんと説いているようにしか読めず(重症!)、「騎士殿、「武器」の定義の火力が高すぎる!!」と脳内で勝手に変換してはニマニマしていたのですが、
「自分で自分を殺したいと思ったことはあるか?」
兄上、しんどすぎ……!!
特にショックだったのが、
「そうか。俺はいまほど自分を殺したいと思ったことはない。すぐにーー明日には本来の意志もオクタヴィアのこともらまた忘れてしまうことを含めてだ」
でした。また忘れてしまうってまじか〜〜〜!! ひどすぎる。兄上の自己同一性をかえして……泣
思い出すたびにこんな傷付く思いをするのってありかよ……。しかも2度目3度目と思い出す機会があったとして、その度に「自分」の言動によって好きな人たちを傷つけて、その結果だけが送られてくるみたいなのって……信頼を失ってるから話したい人にも話せないかもしれないのよな……? そんなこと何度も繰り返して正気でいられる人がどれだけいるだろう。陛下の「私は屈したからな」が今になって重い。これは、陛下が「あの青年」顔とアレクを嫌うのを隠せないのも頷けてしまう。
兄上は騎士殿に忠告する際に「アレクシスは、オクタヴィアだけは傷つけない」と言ったけど、これもな〜〜。アレクは確かに裏表あるかもしれないけど、本人からまだ自覚的に力を使ってるという言葉を読んでないので、私はアレクも被害者のように見ずにはいられないです、いまのところ。アレクは姉が大切で父に愛されたかった少年じゃないですか。そんな化け物みたいに言われちゃうような子では……少なくとも読者が読んでるアレクには、該当しないのでは……ここも難しい。今後が気になる。
話が騎士殿に戻りますが、どうでもいいものが殿下を傷つけることも、どうでもいいものに傷つけられる殿下にも憤る騎士殿が「あれ?」と思い始めたのもすごく進歩を感じました。今後が気になります。
ヒューロバーツが放免されないことがわかって悲しみを隠せませんが、ラブコメがたくさんあったのは嬉しい驚きでした! 5巻ありがとうございました〜〜!!
続きを楽しみにしています!
私はアレクが好きです!