2023年6月25日、梅田にて。PSYCHO-PASS PROVIDENCE制作スタッフネタバレあり座談会に参加してきましたレポ。できるだけ正確になるよう心がけてますが、素人個人の書いたものですので悪しからず。
登壇されたのは塩谷監督、冲方さん、吉田アナウンサーのの三名。昨晩から朝方4時まで飲んでたとのこと。
吉 酔いは抜けていますか?何話したか覚えてますか?
塩 覚えてます。烏龍茶をはさんで飲みながらまじめな話をしていました。
冲 1時くらいかと思ったら4時でした。
その席で、PPPを絶賛していたという冲方さん(そしてそれをメモに残していた吉田アナウンサー)
冲 最高じゃないですか!特に砺波のデザインが素晴らしい
塩 砺波は筋肉をそぎ落とした老兵のイメージ、つまりゴリラ(=狡噛)じゃない。元々朱の前で砺波と狡噛がバチバチにやり合う構想があったが、誰が砺波と対峙するかとなったとき、戦うことをやめて無になった砺波と朱になった
冲 誰もがちょっとずつ絶望している世界で、人間に絶望して「いっそ殺せ」とでも言いそうな顔をした砺波は、ごっそり感情を落として拷問もつまらないルーティンみたいにしている。戦い続けた成れの果てが砺波。
砺波と朱の対立について
塩 劇中で砺波が「見た」のは朱と子供だけで、そのうちでも目を合わせたのは朱だけ。芯の部分には怒りがある。例えば新入社員が語る希望や若さ青さのようなものを犠牲にして今の砺波がいる。「殺せるけど殺さない」状況が砺波にとって大事。
冲 意志決定の際、民主主義は少数を犠牲にして、独裁は民主主義から生まれる。砺波にとって朱を殺すことはかつての自分を殺し、自分が生きてきた過去を否定すること、自分の影であり光だった。彼は朽ち果てた狡噛であり、間違った道を歩んだ朱。本当に朱を殺したかったというよりは、朱に降伏してほしかった。本来なら朱は砺波の後継者となれる人間で、自分を理解してほしかった。
ここから質問コーナーへ。フライング気味に手が挙がる。
質問1:狡噛や花城のドミネーター使用許諾申請を事前にしていたが、北方作戦でシビュラが朱の裏切りに気づいたのはどのタイミング?
塩 統括監視官として、ドミネーターの使用を許諾する権限を朱は持っている。行動課との共同捜査は終わっていたが……(この時点ではシビュラまで情報は上がっておらず)裏切りに気づいたのは砺波にドミネーターを向けたとき。
質問2:朱が局長を撃ったとき、サイコハザードやエリアストレスの上昇は起きなかったのか
冲 配信は瞬間的にシャットアウトしていて、現場は普段からケアを受けている高官のみ。それほど影響はなかったと思う。実際に銃を撃つ人を見たことがないので、ドミネーターで撃たれて初めて何があったのか理解するようなもの。
塩 (現実の事件として)銀座の強盗とかありましたね……
質問3:朱が局長を撃ったとき、中継を見ていた仲間たちは何を思っていた?局長が義体だということは知らないはずだが……?
塩 劇中で公安局や行動課が映るシーンはあるが、ディレクションする立場からするとすでにエピローグに入っているので、朱と狡噛しかとらえていない。でもそばにいたのに何もできなかったことを後悔しているんじゃないか。局長については、そもそも執行官と局長は接点がない。例外的に疑問をもてる状況にあったのは……団子(宜野座さん)だけど深堀できる状況でもない。
一部、宜野座と須郷と六合塚の思いはサイコフェスの朗読劇に書いたので……フジテレビさんと東宝さんに……(がんばってもらいましょう、と会場からも拍手👏)
終わりのご挨拶
冲 つらかったこともあったが、参加できて嬉しい。だんだんとつらかったこともいいことだったと勘違いしそう😄塩谷監督との仕事は、労力を費やす価値のあるものが出てくる。完成おめでとう。
塩谷 あと3分あったら、の妄想ですが、篤志がいない状況でもう一度OP後の会議と同じメンバーで法の廃止を議論したら、朱がなぜそこまで(局長を撃つほどの)危機感を持ったのかがわかりやすかったかもしれない