赤シャツ見てきました 赤シャツと坊っちゃんに共通点が多いからこそ正反対さがかえって際立つという構造もあった気がする
一回見ただけ(戯曲も読んでない)なのでもっとあるのかも
・弟と不仲なまま、弟にある程度のお金を持たせて家族の縁自体は断絶することになるという点では坊っちゃん家と同じような兄弟関係
・うらなりと山嵐への信頼が厚い点
・イナゴとバッタは同じようなものだ、と言っている点
・よくしてくれる下女の存在(「うし」と「清」)
・「子どもの頃から(この部分は間違ってるかも)八方美人で小さい頃から苦労してきた」(⇔坊っちゃん冒頭「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。」)
無鉄砲で損ばかりしてきた坊っちゃんは結局損はしたけど山嵐という盟友(?)と清と生きるという選択肢が生まれた 八方美人で苦労ばかりしてきた赤シャツには学校の名誉と小鈴だけが残った という構造なのかなあ〜と感じました
以下はふつうの感想です
・赤シャツ役こんなに似合う!?と思ったんですけどーーーー!!! 原作(「坊っちゃん」)と違ってプードルのふりしたヨークシャーテリアみたいに見えますね かわいい
・めちゃくちゃ笑いどころ多くてびっくり ごくふつうのことを言ってるのに、テンポ感がそうさせてるのかもしれない
・ところどころ(マドンナへの受け答えやうしへの甘えなど)桐山照史さんっぽさが出ていて死ぬほどかわいい 驚いた時とか不意のときとかの素の表情がガチの表情で。赤シャツも意識して赤シャツしてんだなと思った
・繊細で人の心を敏感に感じ取っているからこその弱さと八方美人さだな〜〜 弱いからこそ人にいい顔をしてしまうの、なんとなくわかってしまう
・なんでうしさんだけにはこんな弱み(本心)を見せれるんだろう、と感じたんですが、損得勘定無しに関わることができるから?それとも「絶対この人は味方だ」という根拠のない自信があったから?
・山嵐にもうらなりにも1幕でほぼ決別されてんの悲しい どうでもいい人間には八方美人のおかげで擦り寄られて、どうでもよくない人には八方美人のせいで離れられる どれもこれも裏目にですぎ
・というか言葉が要らぬ方向に多くて要らぬ方向に少ない
・でもめちゃくちゃ人のことを考えて考えて考えすぎて独りよがりになってる寂しい人だなーーー というのを2幕最後には思ってました
・2幕新聞記者後のシーンで山嵐に詰められてスイッチが切れて、突然一人になってしまいたくなったのかなあ やけに自暴自棄で本当に捨てられた犬のようでかわいそう
・小鈴が寄り添ってくれてちょっと安心した 自分から全部全部突き放したくせにさびしいんだよ
・どうしよう 赤シャツにしかほぼ同情がいかない わかるんだよーーーこの繊細さと気の配りようすごくわかる だからこそ弁が立つところが逆に作用しているというかなんというか
・カーテンコール、さいご「んふっ」って笑って障子の間からにっこりしたお顔とお手振り見せてくれた 桐山照史さんにわたしたちは心臓を掴まれている
追記
基本的な感想書くの忘れてた
「坊っちゃん」の赤シャツって噂話とその独特の喋り口調と余裕綽々とした態度でめちゃくちゃイヤなヤツだったんだけど、その「噂話」も尾鰭がついているものだったら…… 赤シャツも苦悩しながら行動していたとしたら……… 、そんなパラレルワールドが広がって、「坊っちゃん」という作品自体をより楽しめるストーリーになってたと感じます。
照史くんのイヤラシイ役ってあまり想像できなかったんだけど、一種のデフォルメ化をさせることによって、より愛される赤シャツになったのでは。もともと持っている素直でかわいらしい部分と、そんなデフォルメ化されたものでもどこか「いたんじゃないか?」と思わせるお芝居の上手さも相まってとてもいいキャラクターだったと感じました。
照史くん演じる赤シャツを思い浮かべてもう一度「坊っちゃん」を楽しんでみたら、また違った印象が生まれそう。 またパンフ読んでなにかあったら追記します