アガルタクリアした友達と話していたんだけど、自分がネガ感想を持った後に色んな解釈とか見て消化しきっての感想なんだけどこれを全部シェヘラザードのお話でしたって理解出来るだけで印象が全然違うものになるんだなって
いうところまでやっと到達することが出来ました。
つまりは、特異点が発生した段階から、もうすでにカルデアごとシェヘラザードの物語の中に連れ込まれている。
鯖が消えた理由が役割として連れて行かれたから。消費されてしまうと感じたのは、シェヘラザード本人の千夜一夜でたくさんのお話を産む段階で生まれては消え、生まれては消えって消費されていったキャラが少なからずいたということだろうな、と。
そして死んでは実は生きてましたなんだけど、これもご都合主義と言われたら最近世にある、チートで○○…みたいなお話あるじゃないですか、それですよね。ご都合主義なんですよ。物語を作る、語る側の語り部は自分にとって優位になるものを用意してて良いんですよ。そして困った時はその時に出していた便利アイテムに頼って良いんですよ。そうしないと、盛り上がりに欠けてお話を詰まらないと感じたらそこで終わってしまう。
王に面白いと思ってもらえないと死んでしまう。恐怖から生み出されるのは万能アイテムである。ランプの魔神が万能なのは使いやすいから。回数制限こそあれ、魔神がいれば、無理だろこれ…って困難もどうにか出来ちゃう。そんなん頼ってしまうやん。特に努力して困難に打ち勝つ!って話では全然ないのが、なんでも良いからこの先気になる展開にしないといけないから努力して~なんて王に語り始めたら即打ちきり案件になっちゃうよねって。首もついでにうち切られちゃうよね。それはよくない。
アガルタはそういう意味でカルデアごと戯曲に巻き込まれたお話なのかと。
プレイしながらずっとなんていうか、演技じゃないんだけど感じてた違和感が、キャラがキャラとしての役割をしておらず、どこか言わされてる感じがあったと思った人も何人かいたと思うし私もそうなんですけど。
シェヘラザードの望むようなキャラとしてのお話の登場人物になってるからではないかと。言わされてた、っていう意味で。
これも友達と言っててそうそう!ってなったんですけど、中盤以降でフェルグスリリィとシェヘラザードがお話する機会があったじゃないですか。そこで端役として生まれてた叔父貴リリィだけど、そこでちょっとシェヘラザードの意識が変わった。つまりはちょっとお気に入りになってしまった。
となると、あの後半でご都合主義のように玉手箱便利アイテムを持ってるのは致し方ないんですよ。
シェヘラザードが無意識化の贔屓をしてしまったのではないかと。このキャラをここで死なすのは惜しいと思ってしまった。
これ創作してる人ならわかると思うんですけど、脳内で生まれたオリキャラとかがわき役だったのに急に活躍しちゃってすごい愛着が湧くのと同じ現象ですよねって。
叔父貴リリィがまさにその贔屓を受けてのご都合主義の上でのあのオチっていうか。
私がキャラの消費として一番納得がいってないエレナさんも、これも友達と会話して出た結論が、あの子だけより現代に近い鯖じゃないですか。他の子達はそれこそ中世ヨーロッパとかの古い時代の子達。
でもエレナさんは女性としての地位が少しずつ上がっていた時代に近い。特に史実でも彼女は結婚はしたけど結構好き勝手にやることが出来たから神智学とかにも手を出したり~って割と自由だった。
シェヘラザードは水面下でそれが妬ましかった。だって自由なんて王に話を聞かせねばいけなくなった時点で望めないから。
なので好き勝手されては困るしどうにかしないといけない、っていう上での登場してから即退場。でも自由への憧れ、空への憧れ
、逃避への憧れ、みたいなのもあってあの復活は、叔父貴の好きに生きてもいいという選択肢を見せてもらってからの復活からの脱出、救いの光、的なのもあったのかな~…と。それこそ、ご都合主義ですけどこれってシェヘラザードの物語だからね?!彼女にとってのご都合主義なんてそれこそこのアガルタの本筋って言うかなんていうか。
もう色んな方が言ってるので国としての象徴とかは全部シェヘラザードの怖いもの、憧れるもの、望んでいたものみたいなのの具現化なのも、そこだけが物語じゃない。全部が最初から仕組まれていたお話だった。
なので、エンディングがめでたしめでたしなのは、シェヘラザードにとってのめでたしであり、カルデア、ひいてはぐだ達のめでたしではない…?まぁハッピーエンドで終わったよねってしてるのは全部シェヘラザードの判断だから。
あれは自分をぐだに投影してはいけないお話なんだよ。我々はぐだも演技をする登場人物にさせられた世界を、ガラスの向こうから眺める話だったんだよ…。
思えばこの1.5部、魔神柱と手を組んだのは今のところみなストーリーテラーですね。作家なんですよね。
モリアーティは、作家じゃないだろっていうけど、彼は犯罪のシナリオを書く人です。作家です。
シェヘラザードは言わずもがな、毎日作品を作り続けた作家です。
1.5部は作家と魔神柱の合同誌なんじゃないの。
ということは、1.5部は壮大なフィクションなのではないか…?1部と2部の間に起こる、歴史のちょっと端に置かれた本。
アガルタなんてホームズが〆てた辺りとか、これは…なんだろうな、きっとフィクションとして纏められる歴史に爪痕もなんも残さない忘れ去られる物語なんだな。
シナリオが薄っぺらいんじゃない、これはシェヘラザードの作る物語だから、寝物語なんだよ。寝物語って盛り上がりすぎちゃいけないし暗すぎてもいけないし、淡々としてるのが一番だからね。寝かしつけなきゃいけないからね。
なんかそういうところ、色んな解釈と友達と話してて本当、やっと理解したら、なんだろうな、これは不思議な話なんだなってちょっと読み返さなきゃいけない気もした。
彼女が生きる為に、死なない為に作り続けた呪いのような寝物語の、その終着点を。