①X-MEN初心者から見たエグゼビアさん考(こうだったらいいな妄想とも言う)
新三部作(と言っていいのかしら)のみを見ての考えごと垂れ流しです。先輩ファンの皆様におかれましては何を今更と思われるような内容だったり妄想が行き過ぎていたりはたまた掘り下げが足りなかったりいろんな不備に満ち満ちているんだろうなと思いつつ、自分が納得したくて荒ぶった…ご容赦ください…
どれだけ贔屓目に見ても人格者とは言えない(失礼)FCのチャールズさん。レイブンやエリックを思いやるシーンはもちろんあるのだけれど、基本的に高慢だし無神経だし、どうにも自分本位な面が拭えない。それは元を辿ると、彼には導く人がいなかったことに起因するんじゃないかなと思ってました。自分の能力によって学ぶことだったりアカデミックな世界にきちんと入ってもいるのでその中で教わったり培ったりすることはあっただろうけれど、根本的な部分で「自らを御す」ことに関しては導いてくれる人が存在しそうにないチャールズ。初代Xメンの若者たちやエリックにとっての「チャールズ」は当のチャールズ自身には存在しなかったわけで。そんな中でも彼が(少なくとも形式上・表面上)リーダーになりえたのは彼に社会的地位・ミュータントとしての能力があったからなのはもちろんですが、その自信が彼も自覚していない無意識下の「不安」を裏返しに成立したものだったら愛すべき愚かさだと思いました。根元の動機がネガティブだからこそ彼はおおらかになれず、自分の弱さを他人に晒せず、自信過剰になるしか自己を保つ手段がない。しかもテレパスで相手の考えを読む・相手を操るというのは自分が優位に立つには最適すぎる能力で、かつ実は脆いチャールズ自身を覆い隠すにも効力を発揮しすぎたんだろう、なんて。
青年チャールズの内面が脆い説を採用するとDoFPでのシャブゼビア化もしっくりくるんですよね(すみません自分の妄想だから当たり前でしょというツッコミは無視させてくれ…)。FCにおいては一貫して「何もかも分かってる」というスタンスを崩さなかった彼ですが、キューバでエリックと決裂し、少年期より庇護してきたレイブンからも見放された。寄る辺のない状態でなんとか一旦学園を作って1セメスターまではやり終えるも、それも徴兵によって閉鎖せざるをえなくなる。理想がことごとく実現できない状態になって初めて、自分が「分かったふりをしてきただけなんじゃないか」「実際は何もわかってなかったんじゃないか」と疑念を抱いてアイデンティティクライシスに陥ったんじゃないだろうか。そこで戦時のミュータントたちの状況も相まって自分の能力に牙を剥かれた(それまでも当たり前のように行ってきた他人へのテレパスが、自分の目的のためだけの単なる「同調(synchronization)」からその目的への揺らぎを発端により深い「共鳴(sympathy)」に変化してしまい、チャールズの脆さはそこに耐えられなかった)と仮定すると、「(望まない)声が聞こえる」「心が壊れている」状態にも説明がつくかなあと…。そこでもって老チャールズ(とローガン)から「苦痛に耐え」「それを受け入れ」「希望を持て」と諭されることで、やっと彼は正しく導かれたのかもしれない、相手を利用する「同調」でも他人に振り回される「共鳴」でもなく、目の前の人をそれぞれひとりの人格として受け止め、その意思を尊重する「共感(empathy)」の入口に立てたのかもしれないなと解釈しました。
APに関してはどこかで拝見した監督の発言にあったように「プロフェッサーX」として精神的に完成されつつあるチャールズを見たように思うので、いい意味であまり彼自身の感情の揺らぎはなかったのかなと。むしろ自分の危機において生徒であるジーンにためらわずに助けを求めたりその中でも彼女を教え導いたりしていた姿は年長者らしくもあって、ああ、FCの彼に同じことはできなかっただろうなあと妙な感慨に浸ったり。
などなどと書いているとFCのチャールズをまるでダメな人扱いしてしまっているようですが、いや結構ダメな人だなあと思って見てるんですが(こら)、でも若い理想家だったチャールズだからこそ(「兵士たちは命令されてやっているだけだ」と地雷を踏み抜いたりもしてますが)きっと臆することなくエリックに「君の苦しみに触れた」「君自身より大きなものの一部になれ」「君の心は豊かだ」と言えたりもしていて、そういう裏表のない言葉が巡り巡ってエリックに響いたりしてたんだろうなあと思います。
あと上記の変遷を経たAPのチャールズが、作品前半部分でエリックにテレパスで声を掛けたときに言い返された「俺の気持ちの何がわかるんだ(意訳)」という拒絶の言葉をエリック本人以上に噛み締めていたら切ないなとも。
長々失礼しました! ご批判は心して受ける所存であります
と言いつつ①と打ってしまったのでレーンシャーさんも多分やる…懲りない奴め…