Pとアイドル達の問題は「魔法使いが掛けた魔法が解けた後も、シンデレラたちは輝き続けなくてはいけない。その為に魔法使いとシンデレラ達は各々何をしなくてはならないのか?」ということでは?という話を以下リンク先で延々と。
#imas_cg
※なお、
・シンデレラプロジェクトの「プロデューサー」として武内Pのスタンス、言動は終始一貫して問題ないというか、概ね素晴らしい。
・十代の少女たちには各々CDデビューが決まった時点ででも、各ユニット毎に大人として諸々の事情を理解し、Pとの橋渡しや諸々の事情の適切な範囲での説明、スケジュール管理、心のケア等を担当する「マネージャー」を置くべき。
といった解決案は現実味と説得力に溢れている一方で、このアニメにはそりゃあ導入しづらいだろうなとも思う。
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※以下、
○アニメ版『アイドルマスターシンデレラガールズ』(デレマス)感想
http://togetter.com/li/768711?page=1
にまとめて来ている他の人の投稿を含めた諸々を踏まえた話ではあるので、時間と気持ちに余裕がある方は宜しければそちらもどうぞ。
最新6話分についてはこちらのリンクから。
http://togetter.com/li/768711?page=23
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魔法はその仕組が分からないからこそ魔法なのだけど、シンデレラたちはやがてそれが人々の手で生み出され扱われている力と知り、それとどう付き合っていくべきなのかを知らないといけないし。
魔法使いは単に奇麗な衣装や馬車を唐突に与えるだけでなく、少女たち一人一人と互いに互いの心を知り、人間として支えてもいかないといけない。
そんな感じなのかなー。
で、ここで「シンデレラたちが「魔法」を知る」というのは例えばPが随所で主に行動でもって示してきたプロデューサーとして、社会人として観ている世界を、その視点や捉え方を段々と必要なだけはアイドル達にも分かっていってもらうということを指すのだけど。
物事にはメリットとデメリット、適当な時期とバランスというのがあるので。
みくと未央の爆発を踏まえてすら個人的には「それらも含め、概ね非常に順調な歩みなのでは?」とも思えはする。
ifとして、P≒魔法使いが少女たちの心をより分かった上で「魔法」に関わる諸々を伝えたとしたら。
「そうして魔法を魔法でなくすることは、この段階において必要な力も失わせてはしまわないだろうか?」という疑念が強い。
例えば6話でNG3人は未央を中心とした勢いを駆ってCDの録音や広報活動、デビューに向けた駆け込み高密度のレッスンを続け、なんだかんだで客観的にはデビューライブを成功させた。
「仮に未央の不安と背中合わせの切実な勢いとリーダーシップが弱まっていたら、それはそのレベルで成し得ただろうか?」というと、割と大きな疑問符がつくのではとも思う。
一方、「魔法使い」側が「少女たち一人一人と互いに互いの心を知り、人間として支えて」いくという話について、まず、大きな問題として。
どうもPとしては自分はプロデューサーで彼女たちはアイドルだと、ごく常識的に捉えてしまっていて。
「十代の少女であるデビュー前後の彼女たちにとっては自分がまるで魔法使いのように、プロデュースが魔法のように見えてしまっている」ということを、なんだかあんまり分かっていなさそうだという話がある。
この通称武内Pというキャラクター、一体少年時代はどんな性格で何を考えて日々を過ごしていたのかちょっと想像し難いところがあるのだけど。
おそらく、十代の多感な「夢見る少女」たち(の中でも、なんとも非常に個性的な面々ではあるけど)の思いとか考え方とかについて、自分の同じくらいの年齢の頃を振り返ってもおよそよく分かっていないのではないだろうか(「じゃあ、こう書いてるお前はどこまで分かるんだ?」とか言われるとかなり困りはするんだけど)。
で、こちらもこちらで。
これまでおよそ分からなかったものが、なんらかのきっかけで分かるようになってしまったなら。
「Pはこれまであくまで裏方に徹して間接的に要所要所で手助けするスタイルを取ってきた。
一人のアイドルに深入りせず、組み合わせの妙も念入りに活かしつつ、自発的な努力や気付きを促してきた。
それでライブの大成功(3話)やアイドル達相互の交流や互いの間での不和の予防(4話)を図るなど、大きな成果を次々に挙げてきたわけだけど。
その安定した堅実なスタイルが損なわれることはないのだろうか?」
とは疑問に思えたりする。
その在り方や魅力が分かってしまったなら、手を伸ばしたくなってしまうのもまた人情ではないかなー?と。
あるいは、逆に手を伸ばされて捕まえられてしまうこともありそうで。
Pとアイドルの関係性が魔法使いとシンデレラだったものが、ただの人間同士になってしまうならば、人間同士であることに伴う諸問題も新たに出てきてしまうのでは、と。
以上でなんだか主だった結論は先に書いてしまった感もあるのだけど。
ともあれ。
以下、6話を中心とした本田未央及び島村卯月、渋谷凛の期待と自信、ライブの時の心情などについて、例によってぐだぐだと。
まず、6話を通じて観客数や盛り上がりへの「期待」は未央>>>島村さん>凛、という感じだったかと思うのだけど。
"きっと、自分たちは大丈夫"という「自信」となると逆転というか、未央が3話同様、一番危うく、不安を抱えていたのかとも思う。
リーダー云々の強調やおどけ半分に大風呂敷を拡げるのは以前と同じく、まず自分への言い聞かせというキャラクターに見えるので。
↓※参照
https://twitter.com/sagara1/status/559707270057963520
例えば、島村さんが苦手なターンを克服しようとしたのは、努力と技術でどうにかできる問題で。
自信があろうとなかろうと、どんな状況でも精一杯を尽くし、だから満開の笑顔を浮かべられる、浮かべていこうという彼女らしい課題とそれへの向き合い方だったのでは。
しかし、ライブの時にはおそらく観客の反応ではなく、三人の心がバラバラ、特に未央に起きた異変を見て島村さんの笑顔も消えてしまっていた。
養成所の同期が皆脱落していった彼女だけに、アイドルに成ったあとは明るい未来ばかりが待っていると信じていたのではと思う。
そこで、彼女に暗い過去を連想もさせそうな未央の(彼女にすれば)突然の負の変貌は耐えられる状況の範囲外だったのかな?と。
そこら辺の心情は、例えば5話でみくが不安の中で待ち続ける思いを激白してみせた時の反応
https://twitter.com/niche510/status/563753043749904384
にも現れていたかと思う。
島村さんは「ずっと待って」いた日々の中でも笑顔を失わなかったけれど、決して、それが辛くなかったなんてわけがないだろうから。
凛も"レッスンもちゃんとやってきた"から私/私たちは大丈夫だ、と口にし、おそらくその通りに思ってもいる。
ただ、例えば初めて(バックダンサーより華やかな、新人とはいえ主役用の)衣装を着た時にはやはり期待も膨らませつつ、基本的には"やってきたこと相応の反応"を心に描いていそう。
三人の中では自信と期待のバランスが一番取れてはいたのかな、と。
で、ライブの時には日々全力で努力は重ねて来たのに目の前の反応が以前より乏しいことや、未央が明らかに心ここに有らずで目の前の舞台に向き合っていなかったことで凛も「夢中に」はとてもなれなかった様子。
しかし、島村さんのようにそれに気を取られすぎて大きなミスもせず、歌っている間もその後も、まず観客にしっかりと向き合い続けてみせた。
ここで、肝心の未央なのだけど。
オーディションに落ち続け、CPも補欠で最後の最後に合格した未央は多分"自分ではどうにもならない資質そのもの"に不安を抱え続けていそうだな、とは思う。
当人にはどうにもならない筈の「幸運」へのこだわりはその裏表なのかなー、と思う。
で、6話でも未央はおそらく不安から目を逸らすためもあって、前向きにリーダーを買って出て二人を引っ張り、希望を拡げ、勢い良く突っ走る。
で、その成果はというと、実はライブの時まで概ねプラスに出続けていた。
例えば↓
https://twitter.com/sagara1/status/566948679592853507
インタビューやラジオも、4話の撮影が巧まずして3人のアピールにもなっていたように、
https://twitter.com/sagara1/status/561190446467014657
(本編外「アイドル達の素顔」で改めて彼ら自身の動画を撮ってもいるけど)
なんだかんだで彼らの魅力をよく伝えるものになっていたかとも思う。
それもあって、Pも間接的にも特に介入しなかったのかもしれない。
例えば、ラブライカに比べて根本的に準備期間が足りない中、"NGは未央中心に勢いに任せて走らせる"という方針だったとすると。
それ自体は(各々のメンバー特性を考えても)客観的にも頷き得る判断ではありもする。
実際にライブが未央以外の視点では「成功」を収めたのは、NG三人が出演した事前広報も含めての成果と捉えることもできる。
ただ、Pは未央の前向きさとエネルギーが自身の資質そのものに対する不安と裏表で。
軽口のように見える期待の拡げ方や大風呂敷も存外真剣なものを背後に抱えていたことを捉え損ねてしまったのかな、と。
要するに未央の言動は概ね"私は大丈夫"と言い聞かせようとするものでもあり。
それが彼女の主観で明確に「裏切られた」時には一発で全部裏返り"私だから、やっぱり大丈夫じゃなかった"=「私がリーダーだから!?」になってしまう。
その背中合わせの期待と不安の把握と、それへの対処を間違えたんだろうなあ、と。
Pが全く予想もしなかった、彼の目に映る世界においてはおよそ非論理的にも見えただろうその一言
https://twitter.com/sagara1/status/567649688837296128
は、未央の中では必然のものでもあったのではとも思える。
ここにおいて。
「把握のミスと、それ故の対処の誤り」という点でも。
「背中合わせの、ある種おどけた言動と不安」という点でも。
Pは5話で前川みくに対した時と同じ誤りを犯してしまったということにはなるのかな。
それは単に「言葉足らず」という話で片付けられる問題ではないのかもしれない。
みくも未央も、「自分たちが既に魔法使いに選ばれたシンデレラであること」を分かっていなかった、信じきれていなかった。
だからこその不安だったのかなと。
で、それは「魔法」を知るならば。
シンデレラプロジェクトとは、大手プロの中でも特別扱いの企画というのはどういうものでPがその中でどのような役割を持ち、何を考え何に悩み、何を目指していて、何をどう計画しているのか。
そして、その中における自分たち「アイドル」とは何を求められ、何をすべき存在なのか。
立場上諸々の詳細は明かされ得なくても、おおまかな構図くらいは見て取れるなら、解消し得た不安ではあったかと思う。
ただし、ここでやはり冒頭にも書いた「そうして魔法を魔法でなくすることは、この段階において必要な力も失わせてはしまわないだろうか?」という問題が……。
なんとも難しいものだなあ、と。