多少重複しそうだけど、『VAGUENIGMA』楽日観終えて最寄り駅までネタバレつらつら。思ったままに書いてる、とりあえず平成のこと。
まず平成の『キャッチザレインボゥ』との繋がりの予感がすごい。
エソラちゃんの「ケンカはやめようよ」のバリエーションね。楽しい喧嘩とマジ喧嘩の時の言い方と表情の違い。
好きな玄武くんに笑ってほしくて、自分が傷つくのわかってるけど「レイミちゃんのこと…」って話題を出したあとの彼女、切なかった。
同じ刑事が出てくるので『オンリーロンリーローズ』も何か繋がってそう。
エソラちゃんの涙を止めようとする思いが、彼を立ち上がらせている。
それにしても女子高生死にすぎ!
吊るされ女子高生が思った異常に死に様が残酷物語。ヤギアスモちゃんだっけ。彼女とよく一緒にいた子。名字が違うけど名前の響きがにてる子が別作品にいたなぁ…関係有るかな?
「犬塚まりです! ぱ!」がかわいすぎる。
ノットにまとわりつくのとか、完全に子犬だ…! そしてF13が見える彼女。
物怖じしないように見えるけど、それでも殺人現場に居合わせたら、震えて座り込むしかできない。普通の女の子だよね。
よよさんも「ぱ!」真似しててウケた。
自称風呂に入ってないよよさんにハグできる彼女が拒むほどの馬渕くんのリストバンド、どういうことだよ…(笑)
そして語られないままだよ!? どういうことだよ!?
リストバンドと言えば狗行脚。
アニキ! かっこいいッス! 斬られるたびにそこから犬の形した黒煙が出て最後は霧散したんだろうなぁって思った。人間のこと素直じゃないって言ってたけどブーメランだよね。神や怪異に最初に人格をつけたのは人間の信仰(親好)なのかもしれないけど、一人歩きして畏怖と愛を受ける存在。
ノットの存在はシステム寄りって言われてたね…鎮める、つまり秩序を司る役割だからかなぁ。
F13の魂回収演出とかも好き。
迷子の迷子の子猫ちゃんの歌、ベイゲニ用替え歌なのかと思ったら本当に有る歌詞なんだって。カラスに聞いてもキツネに聞いても。
一瞬、彼女が戻ってきたのは、F13が何かしたって訳じゃなくてイノリ自身の力なんだろうな。
つまり彼女が戻れたってことは彼もまだ居るかもしれないっていう予感にもなってたわけで、スタッフロール後のあれは必然なのね…
聖母じみた笑顔がなおこわい。
傘に照明を受けて水玉模様に見えるのは、水の波紋みたいでキレイだね。
そういうのを拒絶するように黒い傘をさす灼空くんがエソラちゃんにジワジワと傘をさしのべるのが不気味。最初のヒトミ殺し回想で影の殺人者やってるのはたぶん灼空くんなのかな…その次の回想で「思いだせー!」って言ってくるのは誰かわからないけど足元が女の子。
あれは灼空くんが舞台上に居るから影役やれないので別の人に…っていうんじゃなく、イノリちゃんの記憶が戻りかけてて犯人の性別の霧が晴れてたって意味なんだね…
ヒトミちゃんは友達ができて嬉しかったんだろうなぁ。初っぱなの回想で「なんでこんなことするの!?」が、結末を知ってから観るとちゃんと「未知の人殺し相手」じゃなく「顔見知り」に言ってるのがわかる。
友人を掴んだ手は易々と振り払われて、その手は姉をすりぬけて。姉は最期まで妹のことばかり言っていて、本当に優しい人だ。動機を聞いたときの、理解に苦しむって顔と傷による苦痛の同居。
もっとも憎むべき相手の中に妹を見出だした(じつはその感覚は正確なんだけどね)自分を戒めるような感じもチラ見え。
あと、猫にシカトされてる感のある省エネ刑事、話聞いてないようでしっかり聞いてるし、感情的にならないようにしてるけど煙草を噛み締めたり手の中でぐちゃってしちゃってたりしてて、堪えてない訳じゃないんだよね。
イノリのことも警戒してるふしがあるし。警察は無能って訳じゃない。距離をあえておくスタンス。うちひしがれた生活安全課ちゃんの刑事魂を揺さぶるシャウト好き。感情に感情で当たってもダメなことを知っている人だ。
生活安全課ちゃんはニンニク食べた息をなぜ渡そうとするんだ…みんなのお姉さん的な対応が可愛らしい(笑)
だから妹の死を知ってイノリ見失ったあとの「すみません」のシーンの顔が悲痛。本当に辛いとき、人間は表情が消えるのね。
入り子出る子は当たり前のようにシンクロしてるからスルーしちゃうけど役者的にほんとスゴいことしてるんだよな。「お仕舞い」の後のポーズは急に絵か扉かになったかのような違和感があって、不穏。そして入り子ちゃん、カルタずるっこしちゃダメですよ!(笑)
蛇神さまは綺麗で気高い。前回よりも力が弱まってるという意味もあるのか、演者が代わって中性度がアップ。昔話中の狩人のワイルドさ、歩き方と声の出し方であんなに印象変わるもんなのね。「仕組みだけになるのか」は感情を込めないように言ってるんだろうけど、それゆえに人間への思いが見えるという不思議な瞬間。
声が変わると言えば校長! あの演説(全校集会だけどあえて演説と言わせていただく)で、話のキリつくたびに「良くできたぞ自分」みたいなウンウンするのがほんとなんていうか以下略。刑事に対するよそ行きの声(笑顔の仮面つき)とか父親ではないけど父親的立場をチラ見せさせる(不完全なのに完全ぶってる)語りかけとか、オトナってオトナって…っていい意味でも悪い意味でも考えさせられる。「そして誰もいなくなった…か…」は神妖も含めていいのか、それとも自分の繋がりある人たちがって話なのか悩む。不完全であればあるほど愚かでか弱くて、年を重ねる事で望んでないのにそれが許されなくなっていって。そのへんがすごくリアルで、あの人に対しては好きと嫌いが混ぜ混ぜになっている。