個人的なRPの話です。かなきみのネタバレがあります。深夜怪文書なので読まなくていいです。
シナリオとセッションの話はのちほど纏めます(本当は先にしたかった……)
HO3朱一星、4人の中で唯一のロストとなりました。
一星が死んでしまったこと自体は、そういう運命だったのだと受け取っています。
すべてはダイスの女神さまの言う通り、我々は出目に従うほかありません。
問題は生死よりも、彼が彼らしく生きられたかどうかです。
私はこの点で、力が及ばなかったなあと一星に申し訳なく思います。
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一星を造形する際には、実験的に「作りこみすぎない」ようにしてみました。
これは、以前別シナリオに連れて行ったPCは比較的細かく行動方針を決めていたため、今度はその逆をやってみようと思ったからです(あとはキャラシ提出期限直前に色々と設定を変えた……という出来事も影響しているのですが)。
色々決めたところでRPから設定が生えてくることもあるし、方針を決めすぎると制限にもなってしまうし。
直感のままに動いて、その行動が彼を形作るのもまた面白いんじゃないかな、という考えでした。
結果的に、これは「初心者の私には失敗だったな」と思っています。
今回はかなり骨太で大掛かりなシナリオだったこともあり、物語について行って、情報を飲み込み、皆の感情を受け止めるだけで精一杯になってしまったからです。
要するに、シナリオ中に彼と向き合うだけの余裕がなかったんですね……。
私が予想していたよりもずっと「質量」のあるシナリオに挑んで、TRPGの面白さと難しさを実感させられました。
時には冷静に世界を見つめ、時には情熱的に気持ちをぶつけ合いながら、大きな物語の中を自分の意志を持って歩む。
それら全てを上手くこなすには、まだまだ経験が足りなかったんだなあと強く思います。
録画はまだ見ていないのですが、プレイした時の感触では、一星はひどくぼんやりした人間だったように思います。
一星は目にするもの、出会う人達に様々な感情を抱いていたのかもしれませんが、彼と上手く向き合えなかった私には、それらに気づくことはできませんでしたし、引き出してやることもできませんでした。
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自身の未来を選ぶか。人類の未来を選ぶか。
その選択をする時でさえ、私と一星は曖昧なままでした。
1人は、ユエの意思を拒絶するために。
1人は、過去に残した大切な人のために。
1人は、自らの志す道のために。
それぞれが確かに決断する中、私たちはハッキリとした答えを出すことができませんでした。
自分が助けたセラはどうなるのか?
ここでユエに抗うことは、セラを見捨てることになるんじゃないか?
それに、本当にもう道は無いのか?
置かれた状況に、一星は何のケリもつけられないままでした。
もっと正確に言うならば、私には一星がどんな決断をするかがわからないままでした。
辛うじて選択できたのは、セラの告げた「あなたの望むように選択をして」という言葉と、目の前の狂気に対する本能的な否定感情が理由だったと覚えています。
わからないけど、抗うべきだ。
そんな私と一星の意思はあまりに脆く、気の遠くなるような時間の中ひたすら夢に手を伸ばし続けたユエの確固たる意思に打ち負けてしまったのは、ある種道理なのかもしれません。
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もしも生きて帰れたら、彼はより一層宇宙に関する勉強へ邁進するつもりでした。
過去にいる自分たちが頑張れば、未来は変えられるかもしれない。
もしかしたら遠い宇宙から来る彼らとも仲良くできるかもしれない。
そんな未来ではユエが狂気に捕われず、彼と穏やかに言葉を交わすことができるかもしれない(いつどこで出会えるかはわからないとしても)。
淡い夢をいくつか抱えたまま、彼は眠りにつきました。
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個人的な反省点が多い中、一番悔しいのはその反省点を一星のために活かせないことです。
私はもう彼と探索に出られないのだと思うと、今になってロストした意味が突き刺さってきます。
彼の命の瞬きは、ずっと抱えていくつもりです。
そしていつかは、彼の軌跡を飛び越え、物語の結末へ辿り着けることを夢見ています。