個人的覚書:『カラオケ行こ!』『ファミレス行こ。』勝手にTwitter関連用語集
※注:当用語集作成者がTwitterに入り浸っているため、収録した言葉や使い方もTwitter上で見かけたものが殆どです。限られた観測範囲で取得した言葉集であることをご承知おきください。
いちご(苺):原作ではひらがな表記。物語中のいちご狩りに纏わる狂児の挙動や聡実くん本人の述懐(代表例:「脳みそまで甘くなったようでした。」「それは悪い気分ではありません。」)が読者の胸をざわつかせ、二次創作にも頻繁に転用されるモチーフ。聡実くん自身を表す絵文字(🍓)にもなっている。
身近な食材であること、季節によりいちご味の商品が多く販売されることから、このモチーフに犯されたファンはいちご味のお菓子等をよく購入するようになる。
いちご狩り:主にTwitterにおいて、しばらくタイムラインを離れていた間にアップされた二次創作作品を探すこと。朝や休み明け、日常生活が忙しくしばらくぶりにログインした時などに使用。
いっぺんに言うな!:原作73ページ・1コマ目にて、聡実から突然たくさんの指摘を受けた狂児が言う言葉。
連載や雑誌掲載、グッズなどの新規情報がいくつか重なった時にファンがこの言葉を借りてツイートするなどし、混乱を表現、共有するのに用いる。
岡聡実(おかさとみ):森丘中学校3年生の14歳(物語開始時)。合唱部部長。合唱コンクールの日に39歳のヤクザにロックオンされる。そのヤクザとのひと夏の交歓に心を奪われ、高校の卒業文集にその思い出を書いてしまうくらいにはクレイジーなボーイ。呼ばれかたは、聡実くん、岡、くりゅ(「聡実くん」からの変形によると思われる)、くゅ(更に変形)等多様。原作のエピソードから🍓(苺の絵文字)で表現されることも多い。なお本当に苺が好きかどうかは不明。4月1日生まれ(早生まれ)であることが妄想及び二次創作の燃料になりがちな一方、年齢計算を難しくさせている。
「カ!」「ファ。」:作品タイトルの略。それぞれ『カラオケ行こ!』『ファミレス行こ。』のこと。表記方法は色々あり、絵文字でも頻繁に表現される(🎤、🍽️)。検索よけや文字数節約に多用される。
紅(くれない):X JAPAN(エックス・ジャパン)の大ヒットロックナンバー。狂児の十八番であり、聡実くんが狂児に歌った鎮魂歌。全体的に高音域の曲であることも原作の鍵である。また、いちごの色との関連性や合唱祭の曲目と絡めての考察も存在し、物語の背骨といえる。
関連項目:虹
子犬ちゃん:原作において、コカイン星人を前にした狂児が聡実くんをこう呼ぶ。シルバニアファミリーと同様聡実くんの可愛らしさを表すとともに、上記シーンの直後に叫ぶ聡実くんの姿から、子犬のようにキャンキャン吠えるという含意もある。シルバニアファミリーの人形を購入する際、子犬タイプを聡実くんに見立てることも。
この聡実くんはお兄ちゃんです:狂児と聡実くんのR-18的関係を描く際に、聡実くんが問題ない年齢になっていることを表す注釈文。原作中の殆どで聡実くんが中学生である一方、高校卒業後の空港では狂児に「お兄ちゃんやもんね」と言わしめていることから、R-18展開への準備ができている様子を「お兄ちゃん」と表現するようになった。二次創作は自由でもあるため、互いに苦手なシチュエーションを踏まないようにという気遣いにより表記されるようになった言葉である。
対義語:3914です
コミティア版:『カラオケ行こ!』はそもそも、和山やま先生が2019年のコミティア129にて頒布されたもの。人気が高く、手に入らない幻の名作だったものが商業出版され、広く読者の手にも渡るようになった。カバー下、本体の表紙はコミティア出品時のイラストである(タイトルとモナリザ風聡実くん絵画だけカラーだった)。コミティア頒布バージョンは現在(2021年3月15日時点)もpixivで一部閲覧が可能。原作本巻末のサイン帳は当該コミティア時に配られたペーパーとのことである。
シルバニアファミリー:原作において、聡実くんのいちご狩りを「シルバニアファミリーみたいやなぁ!」と狂児が評したことから、聡実くんの可愛らしさを評する語に転用されるようになった。二次創作において聡実くんを表現するモチーフのひとつ。概念として人形の実物を所持、更には専用の服を作る、人形を使ってストーリーを作るなど表現の幅を広げている。「子犬ちゃん」との関連も深い。
聖典:『カラオケ行こ!』原作本のこと。
センチュリー:言わずと知れたトヨタ自動車製のゴツい車。狂児の愛車。原作中において、乗ったらアウトとされ、「乗り心地がよろしいんでしょうなぁ」の名台詞を生み、コカイン星人により大破された黒い車である。重要な概念としてミニカーを所持する向きもあり。街で見かけたファンがTwitterで目撃情報を呟くこともある。2021年の箱根駅伝では世に一台しか存在しない白いセンチュリーがテレビに映り話題に。
鶴(つる):鳥類の鶴ではなく、ここでは主に狂児の背中の紋紋(刺青)をいう。二次創作の重要なモチーフのひとつ。鳥類の鶴は番になると一生添い遂げるといわれること、姿の美しさ等を二人に重ねることで妄想に拍車がかかる。
どこでもいいよ、きみとなら。:コミックビーム本誌2020年12月号表紙に記述されたキャッチコピー。『ファミレス行こ。』0話が掲載され、表紙が聡実くんのイラストだった号である。ファミレスのドリンクバーの前に立ちこちらを見る、大学生とおぼしき聡実くんの右上、雑誌名に重ねて添えられており、『ファミレス行こ。』に対するコピーなのではないかとファンが色めきだったもの。発行の少し前にコミックビーム公式から先行発表された表紙絵から、このファミレスはサイゼリヤであるとファンに速攻で特定されている。このコピーが今もファンの間では残響の如く鳴り続けている。
成田狂児(なりたきょうじ):祭林組若頭補佐の39歳(物語開始時)。5月5日こどもの日生まれ。狂児は本名。高身長かつ顔圧の強い二枚目。20歳頃まではヒモをしていたほど女性にモテる。組恒例のカラオケ大会で歌ヘタ王になりたくないばかりに合唱コンクールで歌う岡聡実に目を付け歌を習い始めるくらいにはクレイジーなミドル。呼ばれかたは、狂児さん、狂児、成田、キョンキョン等。喫煙者だが聡実くんの前では吸わない、というこだわりに読者は狂い、彼を🚬(煙草の絵文字)でも表現する。
虹(にじ):合唱曲。森山直太朗・御徒町凧作詞作曲、信長貴富編曲。第73回NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲として書き下ろされたもの(参照元:Wikipedia)。
物語を貫く曲が「紅」であり漢字が似ていること、中学生が合唱で歌えること、男声のソリがあること、歌詞の内容などから、これが合唱祭で聡実くんが歌う曲だったのではないかと考察されている。一度は歌詞を読むことをお薦めする。
はわわ:スナックカツ子でのカラオケ大会で、聡実くんの紅を聞いたある祭林組員の口から思わず漏れた感嘆の声。これに倣いファン達も強く感動する場面や受け止めきれない情報に出会った時、言葉にできない心地を吐き出すのに使う。
ページ数表記:基本的には原作のページ数。このページのこのコマが好き!といった具合に、特定の部分について語りたい時にはページ数で申告しがち、そしてこの文言を見た者は即座に原作を開きがちである。繰り返すうちページ数を聞けばどの絵か分かるようになる。原作が一冊しかない故にスムーズに情報共有ができる(2021年3月15日時点)。
ボーイズラブ:和山先生がコミティアに参加する際、『カラオケ行こ!』のジャンルはこれだった。ただし、解釈は読み手が自由に、楽しんでもらえたら、と和山先生自身が仰ってもいる(2019年8月26日の和山先生のツイートより:アカウントは現在存在しない)。解釈は自由に、というコメントはその後のインタビュー記事でも語られており、ファンには感謝と尊敬しかない。
関連項目:コミティア版
眼鏡(めがね):聡実くんを表す最も代表的なツール。中学時代と、高校時代及び卒業後の空港とで形が違うため、二次創作の特に絵やプロダクトにおいて大変重要視される。特に但し書きがなければ、眼鏡の形でどの時期の聡実くんか判断が可能。
ラブコメ:和山先生のTwitterアカウント(現在は存在しない)にて「普通のラブコメです」とのツイートが過去にあった(2020年6月8日)。
また、pixivのコミティア頒布バージョンサンプル最後には「ハートフルでラブコメなカラオケ漫画」との記述もある。
コミックス帯には「奇妙な友情」のコピーがあるが、ラブコメと捉えても間違いではないとファンを力付けている。
関連項目:コミティア版
和田構文:原作29ページにて和田が「俺 嬉しいんですよ!」を皮切りに語りだすところから、この一言から始める文章をこう呼ぶ。
wader(ワダー):和田を愛する人々。愛しているのに不憫な和田を好みがち。
わぬ:正式名称「和山先生の犬」。
『カラオケ行こ!』原作巻末のサイン帳に描かれている垂れ耳の柔らかそうな犬のこと。ただし、当時はサイン帳の挿し絵であるというだけであった。
しかし、2021年8月7日~8月29日に開催された「和山やま POP UP STORE / produced by RE:SHAZAM」にて、和山作品の様々なキャラクターがグッズになり、その際にこの白い犬がその一角を成していた。タオルハンカチ、アクリルチャーム、Tシャツ、そしてぬいぐるみ。
※ぬいぐるみにしようと決めた企画陣は英断だったと思う(編者感想)
ぬいぐるみについては和山やま公式Twitterに“和山先生からも「かわいいですね!」とお墨付きいただきました”との記載あり。
https://twitter.com/YamaWayama_PR/status/1422112879273144323?t=zvAPJVYgfSXQqF1LLHywEg&s=19
ちなみにこのPOP UP STOREには先生のイラストを使用したイベントポスターもあり、当時のRE:SHAZAMツイートでも紹介されている(このイラストはキャンバスアート等にもなっている)。
https://twitter.com/reshazam_info/status/1419568785904660482?t=GqsTmZqKdpKOGWFmjc4lEw&s=19
数量限定であったぬいぐるみは人気も高く、手頃なサイズ(約W25cm×H12.5cm×D10cm)であることから、一緒に出かける、写真を撮るなどの活動も盛んに。手作業部分が多いとのことで眉やフォルムなどに個体差があり、愛着が湧く要素が満載。二次創作にも登場するようになり、いつからか「和山先生の犬」を縮めた「わぬ」という呼称が定着した(呼び始めた方のおぼろげな記憶はあるものの最早判然としないため、“いつからか”という表現でご容赦ください)。
この犬については先生や公式からは特に設定や情報は出ておらず、「わぬ」と喋る(鳴く?)、どんぐりが好き、UMAと仲がよい、わぬの里がある等はすべてファンの妄想(または夢)である。
3914:39歳と14歳。主に出会ってから聡実くんが紅を歌い切るまでの夏の二人を特定して言い表す用語。転じてこの夏時点の二人のより深い関係について言及・創作する際にも使われる。
例)3914です(39歳と14歳の関係を表現していますの意)。
二人の年齢を並べた類語に4520、5530等。
……『カラオケ行こ!』原作コミックス発売後の追加情報……
原作にはないがよく描かれているな、と思うモチーフやシチュエーションの中には、発売後に知られた情報が元になっているものもある。以下に代表的なものを記す。
# 成田狂児の服役ほか原作未収設定:2020年10月10日のサイン会(於:ジュンク堂書店池袋本店)において、ファンからの質問に和山先生自身が答えたもの。コミックスには描かれていない設定のひとつとして、スナックカツ子でのカラオケ大会の後、狂児が聡実くんに連絡を取らなかったのは、コカイン星人を殴ったことにより刑務所に入っていたからとの言及があった。また、もう会いに行くべきではないと考えたこと、しかし我慢できずに会いに行ってしまったことも明かされている。
他にも、結婚はしていない、本命は作らない、聡実くんの通い妻になる、との話もあり、妄想が捗る結果となった。
同イベントでは編集部が用意したグッズがいくつかあり、その一つに、出会った時の狂児の印象を聡実くんがメモした名刺(原作を見る限り聡実くんが書いている様子も、その暇も無さそうなので、あくまでイベント用のものと思われる ※編者見解)があり、名刺の裏に「2019.6.16 カラオケ天国15時過ぎ」「ヤ(◯で囲って)」「身長は180cm近い?」「年齢30前半?」「心臓にひびく低音声」「シャネルの香水使ってるおじさんと同じにおい」「タバコ 青いやつ メビウス?ロング 多分」「目のクマ」といった記述があったため、二次創作でもその設定が反映されたりしている。
限られた人しか参加できないイベントで語られたこと、原作コミックスには記載がないこと、一時期Twitterで流れただけの情報でもあり既知かどうかは人によることから、これらを公式の設定とするか否かは判断が分かれる。
# 聡実くんにネクタイを掴まれる狂児:コミックビーム25周年POPUP STORE で販売されるグッズのために和山先生が書き下ろしたイラスト。グッズ発表後、和山先生のインスタにもアップされている。14歳の聡実くんが39歳のヤクザのネクタイを引っ張り、引かれる狂児はドヤ顔をしているという夢のような構図に、ネクタイを引き/引かれる様を織り込んだ二次創作が多く作られた。
# 2005年10月の写真:2020年大晦日の夜に和山先生自身がインスタにアップしたイラスト。25歳の狂児、若かりし頃のコカイン星人と小林のアニキ(ヤマハの生徒)の3人が写った写真が灰皿の横に置いてある様子で、アップ直後ネット上のファン達に激震が走った一枚。この写真が撮られた当時の様子や、灰皿を置いて誰がこの写真を眺めているのかといったシチュエーションに関するものやコカイン星人自身についての考察が乱れ飛ぶ事態となった。このたった一枚のイラストから更にファン達の二次創作は深まりを見せ、改めて和山先生に心服することとなった。
ちなみに2005年10月、聡実くんは生後6ヶ月である。
# ピースする狂児、背後霊:2021年3月4日、コミックビーム編集部のTwitterアカウントより、かねてから開催中だったバレンタインキャンペーンにてプレゼントされるサイン入り複製原画の一部分がツイートされた。コミックビーム本誌2020年12月号の表紙となった聡実くんが描かれたイラストに和山先生のサインが入ったものだが、聡実くんの後ろ、ガムシロップ等を置いた棚奥の壁面にピースをする狂児の落書き風な似顔絵が添えられていた。これによりピースをする狂児のファンアートが即日いくつもアップされた他、聡実くんの背後に浮かび上がる姿から早速「背後霊」とあだ名を付けられたりもした。
関連項目:どこでもいいよ、きみとなら。
※原作からの情報・引用は、ビームコミックス「カラオケ行こ!」(和山やま/全1巻)に拠ります。
Special Thanks
項目「ラブコメ」の、”また、pixivの~~「ハートフルでラブコメなカラオケ漫画」との記述もある。”については、ほねおさんに教えていただきました。ありがとうございます!
アップ:2021/3/15
2024/2/15:項目「わぬ」を追加